- Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
- / ISBN・EAN: 9784898150641
作品紹介・あらすじ
雷雨の朝、白いオートバイ、18歳の少女-「三億円事件」の秘密の扉がいま静かに開かれる。
感想・レビュー・書評
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府中の3億円事件がモチーフで、もしかすると著者が本物の犯人だ、というような本紹介か、感想を見かけたような気もする。
どんな内容か興味を持って読んでみたが、事件そのものに関する部分は少なく、タイトルの「初恋」の色が濃い。あの事件を知らない世代なら、あの年代の切ない物語、と感じるのかもしれない。
個人的には、過剰な先入観で本を読むのは、あまりいいことが無い、という戒めになった。
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2011/02/21読了
ものすごい本を読んでしまったのではないか。
映画は昔見たけれど…。
やはり著者は三億円事件の実行犯なのではないかと思う。いや、これを読んだらそう思わざるを得ない。もしそれが違っていても、事件がなかっただけで、彼女がいた時代背景と、気持ちは変わらずにあった、まさに「初恋」がそこにあったのだろう。
創作にしては出来すぎている。リアルすぎる。
女の子 という盲点があったなら、彼女がこれを書いてもなんらおかしいことはない。
けれどこれは「三億円事件」の話じゃない。
三億円事件は日常の中でちょこっとあったことにすぎない。ただのイベント。
これは忘れられない恋の話。 -
不謹慎だけど、
これが本当だったら素敵ね♡-
「不謹慎だけど」、、、不謹慎な初恋の話?
どんな話かなぁ~気になるから図書館に予約しようっと。。。「不謹慎だけど」、、、不謹慎な初恋の話?
どんな話かなぁ~気になるから図書館に予約しようっと。。。2012/03/21
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終わり方が妙にリアリティあるから実話なんじゃないか?と思わせてくる
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2002年初版第一刷当時、自分にとって高価だったハードカバーで購入した作品。
ちょうど20年が経つ今年の最後の一冊になった偶然が嬉しい。
なんとなく思い立って引っ張り出し再読。
20年前に読んだ若かりし頃の私にとって、三億円事件も、当時の若者たちが闘う姿や、仲間と集う姿も、そして女の子(作者自身?)が犯人という設定も、とてもビビットだった。
そしてこの時代のリアルな出来事への関心が今も続いている。
タイトルの『初恋』、主人公の初恋の描写が色褪せていたほどに、上記の設定が印象的だったのか、恋愛に纏わる内容は何も覚えていなかった…
ちょうど20年後にまた読む事ができた今、登場人物たちは、今の私よりずっと大人。
『ガキ』扱いをされている主人公も勿論。
作者唯一の著作とのこと。
どうしていらっしゃるのか。
そしてフィクションなのかノンフィクションなのかは別にして、作者の方が身近に描いた仲間たちも本当はこの20年、どんな人生を歩んでいらしてきたのか。
良い出会いと再会が嬉しい一冊だった。
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わたしはこれが三億円事件の真実だと思う。真実とは、自分が何を信じるかだよねえ。
初恋でいて、最後の恋なんだろうなあ。せつない。 -
一番好きな三億円事件の犯人。
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これが3億円事件の真相だったんだと思う。
みすずと岸の感情、言葉が好きだ。
現実は過去になるにつれて幻想となり、記憶へと変わる。
その記憶から生まれたのがこの『初恋』なんだと思う。
触れることができて良かった。 -
喪失、運命、純粋さ。
私の知らない60年代(母が生まれた頃)がたんたんと書かれている。
知らないのに引き込まれ、どこか現実とリンクしていく時代観。
多分それは、主人公の女の子が喪失を抱えるあるいち女子学生で、刹那的な生き方をしつつ、過去や関係を抱える、私たり得ると思えるなにかがあるからのように思う。
この本を読みはじめたとき、きっとこの冒頭部分に戻ってくるのだろう、とおもった。
でも、過去を吐きだし終えた彼女のそのことに対する浄化のような感想はない。
彼女はこれからどうなるのだろうか、決まっているようで靄に閉じ込められた未来像にぞっとした。