甘い水 (真夜中BOOKS)

著者 :
  • リトル・モア
3.31
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本棚登録 : 158
レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898152850

感想・レビュー・書評

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  •  地下から湧き出る甘い透きとおった赤い水を飲むだけで,生き延びる。1日のうち光のある時間は,8時間と決められ,地上の人間から,水も光も操作されてる地下生活者者。1人が消えるとまた1人が現れる。次々に命と云うか人生が引き継がれてその都度,名が変わる。
    36時間不眠で活動する市長は,サイボーグなのか?小さな島の最後の生き残りの1人は,身長50センチメートルほど,という奇妙な人物設定も,SFファンタジーのような不可思議な世界観を感じさせる。

    この地球上で生きる,ありとあらゆるものたちの掛け替えのない命の尊厳が,伝わってくる爽やかな読後感だ。

  • 著者の繊細な五感が針のような鋭さで抽象する世界は、柔らかさ、静けさ、肌触り、香り、光などによって注意深く再構成された、決して辿り着けない、と同時に決して抜け出せない世界の安らぎと哀しみに満ちている。細切れのシーケンスが危うげに紡ぐ蜘蛛の糸のごとき命の連環を辿りながら、命や、その存在について考える。エンデの「鏡の中の鏡」にも通じる、ガラス箱のような物語。

  • うーん面白いけれどラストがイマイチ

  • 不思議な話。寂しくて、向こう側に行きたいのに行けない感じ。

  • 幻想的でふわふわとした女性的SF小説という感じ。
    読みながら、いしいしんじさんの「みずうみ」を思い出しました。
    生き物と水って、やっぱり深く同一なんだろうな。

    理由は一切分からないけれど、
    与えられた役割を受け入れて生きていこうとする者同士の結びつきが、
    なぜかうらやましくも感じられたり。

    出会うことの必然 を書いた物語でもあります。

  • 新境地というのだろうか? 表現の場が変わると、ここまで突き進むのかと思うような内容。作者の観念的な空想世界になかなか入り込めず、不可解なまま読み終えた。この頃、東さんは頭でっかちなわかりにくい小説を書くなあ。それともこちらの知能が低下しているのか?

  • 挫折。

  • SFかしら?と思わせて、ファンタジーというか心象風景というか。
    穏やかで寂しい不思議な世界が広がってゆきます。
    人が「部品」のように役割を決められた世界。
    でもやはり部品にはなりきれない。
    人には心があるから。

  • 相変わらず不思議な世界を描くね。

    童話のような、きれいな、こわいおはなし。

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著者プロフィール

1963年広島生まれ。歌人、小説家。絵本や童話、イラストレーションも手がける。「草かんむりの訪問者」で第7回歌壇賞、『いとの森の家』で第31回坪田譲治文学賞を受賞。歌集に『十階』、小説に『水銀灯が消えるまで』『とりつくしま』『さようなら窓』『薬屋のタバサ』『晴れ女の耳』、エッセイ集に『短歌の不思議』など。穂村弘との共著に『回転ドアは、順番に』がある。

「2019年 『しびれる短歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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