映画長話 (真夜中BOOKS)

  • リトル・モア
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本棚登録 : 197
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898153130

作品紹介・あらすじ

きわめて真剣、かつ軽やかで愉快な言葉のかたわらに、映画の現在に迫る根源的な問いが投げかけられる。「武装解除」の歓び。

感想・レビュー・書評

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  • 黒沢清、青山真治の両監督については、以前から大好きでその作品を何度もくり返し、よく観ていた。

    観客として、他の監督とは明らかに異なる引力を持った映画を撮る人であると、体験的にそう感じていたまでにすぎないが、先輩と後輩、また蓮實重彦の教え子という関係にあったとは知らなかった。

    そもそも僕は、蓮實重彦という人について、ものすごい批評家であるという程度の認識しかなく、その考えにも触れたことがなかったのだが、まさか教え子の作品を通してそれを体感していたとは!

    本書がとてもいいのは、互いへの敬意と緊張感を保ちつつ、思い切って、「最近なんか面白い映画みました?」という雑談からスタートしているところで、基本的にはただ映画が好きで好きでしょうがない人たち、という立場をとっている点。

    しかしこれが、僕のようにレンタルDVDで映画を観て、面白かっただの、つまらなかっただの、気分で語ってしまうような程度の低いものではなく、映画というものの本質を射貫くほどの言葉をもって話されている。その言葉は軽く、冗談交じりなのだが、熱いものがある。

    タランティーノ監督の『デス・プルーフ』や、ウェス・アンダーソン監督の『ダージリン急行』がすごく良いという話から、遠慮がちに黒沢清監督の『トウキョウソナタ』がいかにすごい映画であるかの話に流れていくところで、照れやがって! と思いながら、じつは僕もそれがすごく嬉しくて、読み始めにしてすでに、ここに感想を書くに至る。

    聞いたことのない監督名や作品名、撮影の技法などもたくさん出てくるが、そのこと自体について語っているわけではなく、つまるところ「自分は世界をこのように見ている」という、人間同士の対話へと昇華されているので退屈せず、自分ももっとたくさん映画を観て、考えて、悩んで、そうして生きていこうと思った。

    それと先輩方ごめんなさい! 僕は最近のタランティーノはよく分からんとか思い上がって、『デス・プルーフ』観てませんでした! ティム・バートンも同様に『猿の惑星』すら観てません! ちゃんと観ます! 反省してます!

  • 映画を観てないと中々イメージが湧きづらいけど、対談形式なのでライトに読める。
    個人的には最終章が1番興味深かったかと。
    10年以上の前の本なのでまた現状で考え直してみても面白そう。

  • 図書館でほぼ私物化レベルで借りて返してを繰り返した本。今は閉架図書行き。

  • 2019/05/25

  • 2018/12/8購入

  • ハスミンの見た目の貧相さに、何か感じるものがありました。

  • この本を読み終わってみようと思った映画 チェンジリング、アイズワイドシャット、トウキョウソナタ、リミッツオブコントロール、デスプルーフイングラインドハウス、サブウェイ123、アウトレイジ

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著者プロフィール

蓮實重彦(はすみ・しげひこ):1936年東京生まれ。60年東京大学文学部仏文学科卒業。同大学大学院人文研究科仏文学専攻修了。65年パリ大学大学院より博士号取得。東京大学教養学部教授(表象文化論)、東京大学総長を歴任。東京大学名誉教授。仏文学にとどまらず、映画、現代思想、日本文学など多方面で精力的な評論活動を展開し続けている。著書に『表層批評宣言』『凡庸な芸術家の肖像』『映画の神話学』『シネマの記憶装置』『映画はいかにして死ぬか』『映画 誘惑のエクリチュール』『ハリウッド映画史講義』『齟齬の誘惑』『映像の詩学』『『ボヴァリー夫人』論』『伯爵夫人』『ジョン・フォード論』ほか多数。

「2023年 『ゴダール革命〔増補決定版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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