希望の国

著者 :
  • リトル・モア
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本棚登録 : 120
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898153451

作品紹介・あらすじ

映画 『希望の国』 (2012年10月20日(土)公開)
原作 “半ドキュメンタリー"小説

鬼才、園子温監督のもとに、福島の思いが集まり、やがて、原発事故に揺れる家族の物語が生起する。

感想・レビュー・書評

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  • 映画の原作小説というものではなく、映画を作る取材の部分から、福島等での取材とそこで感じたこと、実際の映画のシナリオ、その映画の主人公の一家の側にいる園子温さんの視点が傍らにある、それらが混ざり合う半ドキュメンタリーな小説。

    十月末に公開される映画とこの小説は相互補完されフィクションとノンフィクションを出入りする、圏内と圏外の間にあるものを行動を伴う意識の中で軽々と行き来する。園子温監督の想像力と身体性を伴って。

    そして、最後の詩が園さんが詩人であることを再認識させる。

  •  小説家にしても映画監督にしても、何かを創作する人間、創作せざるをえない人間というのはいわゆる「普通」の人間ではないのかもしれない。本画作でいえば、ひとりで「さみし犬」に会いに行ったり、日の出を見に福島まで車を走らせるといった、「映画監督」という肩書きがなければ奇天烈とも言えるような行動がそれを示しているように思う。

     希望を描くには、果たして絶望がなければいけないのだろうか。
     絶望がなければ、希望を見いだすことができないのだろうか。

     そろそろ公開される映画も、見に行ってみようと思う。

  • パワフルそうなのに涙が出てくる。

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    「映画『希望の国』(2012年10月20日公開)
    原作 “半ドキュメンタリー”小説
    約何万人が死んだ、苦しんだ。
    文学なら、映画なら、正確に数えあげろ!
    たった一つの何かを無視するな!
    鬼才、園 子温監督のもとに、福島の思いが集まり、
    やがて、原発事故に揺れる家族の物語が生起する。
    「皆が想像できる単純な物語を更に深めたい」
    決意した園 子温は福島に何度も何度も通う。
    描くべき人々は、すべてその道中にいた。
    小野泰彦も、智恵子も、洋一も、いずみも、鈴木健も、めい子も、ミツルも、ヨーコも、犬のペギーも、役所の志村も、加藤も、警官も、自衛隊も……。
    みんな、福島から生まれた。
    これは、映画『希望の国』をつくる、園 子温という映画監督の物語 ――」
    http://www.sonosion.com/
    http://www.kibounokuni.jp/

  • 映画は見ていない。
    ドキュメンタリーのようにリアルにあふれて、もう大半原発のことを忘れて日常を送っている自分に、また深く突き刺さった。
    野坂昭如のされど麗しの日々「入江で生まれ入江の幸で育ったものは、そのさだめに従うのが一番なのだ」
    読んでみようと思う。

  • <閲覧スタッフより>
    境界線は何を分け隔てるのか。避難区域の境界線ギリギリ手前で暮らす人々。放射性物質とともに生きてゆかねばならなくなったという現実を、目を逸らさず忘れないために、園子温は『ヒミズ』を、そして『希望の国』を作った。

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    所在記号:913.6||ソノ
    資料番号:10225397
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  • 一気読みしました。
    涙が止まりませんでした。
    映画『希望の国』を今すぐもう一度観たいと思いました。

  • まだ映画を観たことはないけど、監督が気になっていて読んだ本。
    自分のなかの葛藤や疑問、気持ちの流れなど飾ることなく書かれていた印象を持った。描き方はどうあれ、福島にちゃんと向き合ってきたんだなと感じた。
    助監督はじめ他の人の言葉や行動も、とても人間的だった。そういうことを経験をしたことはないけれど、もしもそういう状況におかれたら、そう思うかもしれないと感じさせられる言葉が多かった。

    描かれていた日常、人の気持ち、上手だなと思わされた。
    人は慣れていく ということがちいさなひとつのテーマとしてあるのかもしれない。

  • 図書館にて。
    園監督の映画はまだ見たことはないけれど、書籍を出していることは知らなかったので、図書館の本棚に見つけた時手に取ってみた。
    あの震災からそれほど時間は経っていないのに、原発の問題だって何一つ解決していないのに、確かに現実に慣れていて忘れてきていることを突き付けられた。
    変わっていく環境や世論や自分自身の気持ちさえも記録して伝えていくということの大切さ。
    慣れて、流されていってはいけない。忘れてはいけないのだと思う。
    もうすぐ国政選挙がある。いい時にこの本を読んだと思う。じっくりきちんと考えていきたい。

  • 映画は観ていないけれど、その雰囲気は十分伝わってきました。撮り溜めしている中の彼のNHKのドキュメンタリーも観なければ。

  • 映画よりも、静かな熱い想いが伝わってくる。
    最後の詩、「数」が圧巻。

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著者プロフィール

映画監督・詩人・アーティスト。1961年愛知県豊川市生まれ。17歳で詩人デビューし、「ジーパンをはいた朔太郎」と呼ばれ注目される。1987年、『男の花道』でPFFグランプリを受賞。スカラシップ作品として1990年に制作した『自転車吐息』がベルリン映画祭に正式招待される。1993年には、無意味・無目的・無宗教の運動体「東京ガガガ」を組織し、東京の路上を詩でもってゲリラ的に占拠。東日本大震災の翌年には『ヒミズ』(第68回ヴェネチア国際映画祭で主演二人がマルチェロ・マストロヤンニ賞受賞)、『希望の国』(第37回トロント国際映画祭最優秀アジア映画賞受賞)を世に問い、世界でも高い評価を得る。2015年には『新宿スワン』『ラブ&ピース』『リアル鬼ごっこ』『映画みんな!エスパーだよ!』と年間で4作品を発表。同年7月にはChim↑Pomキュレーションによる初個展「ひそひそ星」を高円寺 Garter@キタコレビルにて開催し、9月にもChim↑Pom発案の「Don't Follow the Wind」展(ワタリウム美術館)にて像インスタレーションを発表。2016年5月に『ひそひそ星』を公開。

「2016年 『園子温作品集 ひそひそ星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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