死んでしまう系のぼくらに

著者 :
  • リトル・モア
3.79
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本棚登録 : 1007
レビュー : 90
  • Amazon.co.jp ・本 (100ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898153895

作品紹介・あらすじ

ネット世代の詩人が綴る、表現の新次元。

現代詩の概念を打ち破るような「詩で遊ぶ」ウェブアプリのリリースや、
twitterやtumblrで作品を発表するなど、ジャンルを軽々と越え、
現代詩の新たな楽しみ方を提示し続けてきた最果タヒ。

3冊目となる待望の新詩集は、
鋭利かつ叙情的な言葉で、剥き出しの感情と誰もが抱える孤独を浮き彫りにする、
書き下ろし含む44篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 「わたしをすきなひとが、わたしに関係のないところで、わたしのことをすきなまんまで、わたし以外のだれかにしあわせにしてもらえたらいいのに。わたしのことをすきなまんまで。」

    『わたしはすべてを忘れ、すべてを知って、眠るの
    寝顔が可愛いのは少し死んでいるからよ、
    そうだれかが隣で囁いている』

    『生きているか、死んでいるか。たいして変わりはありません。変わるのは、わたしが土に帰り、家が崩れ、緑だけが残されたとき。二千年後。』

    『私達のこのセンチメンタルな痛みが、疼きが、どうかただの性欲だなんて呼ばれませんように。』

    『軽蔑こそが、私達の栄養。』

    『70億人ふえたって、だれとも肩すらふれあわないから、大勢が死んだニュースに涙すらこぼれない。』

    『私たちが支配したいのは他人の興奮だなんて、どうしてみんな知っているの。』

    『美しい人がいると、ぼくが汚く見えるから、きみにも汚れてほしいと思う感情が、恋だとききました』

    『意味付けるための、名付けるための、言葉を捨てて、無意味で、明瞭ではなく、それでも、その人だけの、その人から生まれた言葉があれば。踊れなくても、歌えなくても、絵が描けなくても、そのまま、ありのまま、伝えられる感情がある。言葉が想像以上に自由で、そして不自由な人のためにあることを、伝えたかった。私の言葉なんて、知らなくてもいいから、あなたの言葉があなたの中にあることを、知ってほしかった。』

  • この人の名前を何で知ったのか覚えていないけど覚えていて、この本借りないといけないと思って借りた。「望遠鏡の詩」や「ライブハウスの詩」「線路の詩」などに惹かれた。タヒさん30代だけど使う言葉は刹那、攻撃的でキレキレ。きれいで鋭いなぁ…と思う。生きてるの苦しいんじゃないかな…。何となく共感しちゃうことが多かった。

  • たまたま手に取って読んでみた詩がどんぴしゃで、惚れてしまった。詩集を買うのは初めてだったけれど、とってもよかった。こんな言葉遊びがあるんだ、とページをめくるたびに感動する。一見繋がってないふうに見える言葉たちでも、心に訴えてくる何かを秘めている。最果タヒ、ハマる。

  • 無邪気にはしゃぎ回るまだ無垢で小さな子供達を眺めながら、この子達に自意識というものが確立し、世の中のあらゆる善と悪を知った頃、この時代に生まれた子達は可哀想だ、なんて言葉が聴こえてくる気がして私はよくそんな未来を考えている。
    祖母が死んだ時に生まれた姪。妊娠がわかった日に叔母が癌だと知る。ああもう世界はどうしてこんなにも美しく残酷に、現在を未来を駆けていくの。
    他人は所詮他人事って、それって自分が死のうが生きようが他人事。
    私が死んだ際には菊の花ではなく真っ赤な薔薇を死ぬほど敷き詰めて下さい。私の骨は砕いて桜色にして星の砂の様に小瓶に詰めて貴方だけが持っていて下さい。僕が死んだら臓器なり何なり勝手にどうぞ。
    そんな風に好き勝手に死についてよく考える。それは生について考えることでもある。
    こんなにも悲しみ苦しみを知り、醜くなった私でも、死んだら一番綺麗な星になれるかしら。肉体を失った骨は、白く美しく貴方の目に映りますか。
    ああ、透明な涙が出てきた。涙だけはいつだって澄み切っていて、流れても流れても憎い。
    死ぬのが怖いのは、独りが怖いからかもしれない。
    生きるのが辛いのは、私という心が独りのもので理解されないからかもしれない。
    毎日死ぬほど苦しい想いをしている、ああ死にたい!吐き気が止まらないよ、助けてくれ!月一で大量に身体から流れ出ていく血、なんで生きてられるんだよもういっそ殺してくれ。
    君が車の前に飛び出し、私は必死に生へ連れ戻す。生きてくれ。生きてくれ。死ぬな!!

    「死ぬな、生きろ、都合のいい愛という言葉を使い果たせ。」

  • 日記のようにも、日常のつぶやきのようにも読める。語り手はたいてい孤独だし、友だちや恋人がいるのかもしれないけれど、とても遠くにいて、上手くつかめないまま宙を手探っているような寂しさが連なっている。
    だいたい前段で場面や状況を描き、中ほどに意外な言葉を置く。最後は解決のない感情で、という構成。ひりつくような身体感覚がないから、詩の中で語られる「死」は観念的だ。だからこそ、死んでしまう「系」なのだろう。

  • この詩について論評しているライターさんの文を読んで、素敵だなあと思い、初めて手に取った詩集。

    改めてまとめて読んでみると、あまり好きではなかったです。笑

    全体を通して、「死にたい」という割とネガティブな主観が詰まった詩が多かった印象でした。まるで私…。そんな気持ちを婉曲的に言葉にして表現してしまうのが彼女のすごいところなのでしょう。

    でもあまりすっきりしたり、感動したりする詩ではなかったな。

    抽象的な言葉が続くので、かえって現実に落とし込めるほど私の想像力が発達しておらず…。途中から上の空になって、ただ文字だけ追っている状態が続いてしまった。

    私の力不足です。またいつか手を出したいと思います。

  • 気持ちは言葉にした瞬間に自分のものではなくなる。気持ちを可能な限り言葉で表した本。

  • ツイッターで見かけて以来気になっていた、最果タヒさんの詩集。
    詩が心にとびこんでくることってあんまり無いので結構貴重な出会いでした。
    読んでみたら「死ね」とか「殺す」とかの過激な言葉も多いのだけれど、女の子特有の理不尽で乱暴な恋や自我を感覚のみで上手く言葉にしてくれている気がします。

    それとあとがきが抜群に良かった。
    最果タヒさんは言葉を愛している人だ。
    リンゴや信号の色を伝える為だけに赤色があるわけではないように、言葉も、情報を伝える為だけに存在するわけじゃない。
    私自身のための言葉を私自身で生み出したい。
    言葉ってもっとすごく自由なんだ。

  • 死んでしまう系のぼくらに

    タイトルが、素敵すぎる。

  • ただきみに、わたしのせいでまっくろな孤独とさみしさを与えたい。

    なんでか買ってしまう最果タヒ……、私も彼女がとても好きなんだろうな。

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著者プロフィール

最果タヒ(Tahi Saihate)
1986年、神戸市生まれ。2008年、『グッドモーニング』で中原中也賞を受賞。2015年、『死んでしまう系のぼくらに』で現代詩花椿賞を受賞。詩集に『空が分裂する』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』『愛の縫い目はここ』、小説に『星か獣になる季節』『かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。』『渦森今日子は宇宙に期待しない。』『少女ABCDEFGHIJKLMN』『十代に共感する奴はみんな噓つき』、エッセイに『きみの言い訳は最高の芸術』、対談集に『ことばの恐竜』がある。最新詩集に、2018年9月刊行の『天国と、とてつもない暇』。

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