往復書簡 初恋と不倫

著者 :
  • リトル・モア
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本棚登録 : 843
レビュー : 83
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898154618

作品紹介・あらすじ

「カルテット」「最高の離婚」「Mother」の坂元裕二、最新刊!
おかしいくらい悲しくて、美しく残酷な、心ざわめく2篇の恋愛模様。

- - - - - -
<不帰の初恋、海老名SA>

「わたしはどうしても、はじめのことに立ち返るのです。団地で溺れたわたしと同い年の女の子のこと。
わたしだったかもしれない女の子のこと。」

初恋の人からふいに届いた手紙。
時を同じくして目にしたニュースでは、彼女の婚約者が運転する
高速バスが横転事故を起こし、運転手は逃走中だと報じている――。
- - - - - -
<カラシニコフ不倫海峡>

「僕たちは捨てられた。問題は、さてどうしましょうか。ということですね?」

アフリカへ地雷除去のボランティアに行くと言い残し
突然旅立った妻が、武装集団に襲われ、命を落とした。
一年後、後を追おうとしていた健一のもとに、一通のメールが届く。

〝あなたの妻は生きていて、アフリカで私の夫と暮らしている〞

同じ喪失を抱えた2つの心は、徐々に近づいていき――。
- - - - - -

メールや手紙、二人の男女が綴るやりとりのみで構成された、息を飲む緻密なストーリー展開。
生々しい感触と息遣いまで感じられる、見事な台詞術。
「台詞の魔術師」 坂元裕二がおくる、忘れえぬ恋愛物語。

切なさに胸が痛む、ロマンティックの極北。

感想・レビュー・書評

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  • ここ数年、坂元裕二脚本というだけで無条件でドラマを見てきました。どうしようもない切なくてやるせない気持ちがいちいち刺さってくる名作ぞろいでした。
    しかし、anoneを最後にしばらくドラマから遠ざかると知り、坂元ロスになりました。
    心に空いた穴を埋めるためにこの本を読みました。

    なんだろ、逆にもっと寂しくなりました。
    どこかで聞いたセリフ、どこかで見た設定、すべてが坂元さんの世界で埋め尽くされていました(当たり前)。

    「初恋」の方が断然好きだと途中まで思いながら読み進んでいましたが、最後の最後の場面で、もちもとさんとあおばさんを見つけたような気になって、なんだか嬉しくなりました。うん、「不倫」もよかった。

    でもやっぱり坂元さんの生み出す言葉は、生身の人間のしゃべる声で聴きたい。坂元作品に出演する俳優陣が名優ぞろいなのか、彼の作品によって名優になるのかわからないけれど、一つ一つのセリフに命が込められているような。
    なんだか陳腐な言葉しか並べられない自分が嫌になるけど、坂元さんのドラマが好きってことです(笑)

    ドラマがだめなら秋になったら舞台を見に行こうかな。
    どんな俳優さんが出てくるんだろう。チケット取れるかな。
    今年の目標はお芝居を見に行くこと!を勝手に宣言してるので、頑張ってチケット争奪戦に参戦しようと思います。

    すいません、変なレビューで。

  • 「誰かの身の上に起こったことは誰の身の上にも起こるんですよ。川はどれもみんな繋がっていて、流れて、流れ込んでいくんです。」

    ドラマで大好きな坂元節は、本でもずっぷり胸を刺してくる。
    最後の公演情報で二人芝居(朗読劇?)として上演されたものだったことを知ったが、書簡体小説としても全く違和感がなかった。
    喜劇と悲劇がない交ぜの人生は続いていく、時々終わる。
    傷を消してはくれないけれど、寄り添ってそっと撫でてくれる、無力で優しいかみさまの手のような感触が後に残った。

    ああしかし公演も見たかった…特に高橋一生のを…高橋一生のを…のを…。

  • なんかこう…。失敗すると焦げてしまう…あぶりだし、のような、行間からじわじわじわ……っと迫ってくるような往復書簡でした。古くて新しい。そしてチクチクと小骨が刺さるような感覚。寂しさと恋しさと入り混じってなんとも言えない気持ちに陥った。どうしてくれる?

    不帰の初恋、海老名SA(玉埜広志と三崎明希)
    カラシニコフ不倫海峡(待田健一と田中史子)

    夜中に考えてはいけない種類のことがある(52ページ)
    言葉を尽くせばつくすほど、本当のことから遠ざかる(73ページ)
    人間の心で制御出来ないのは、嫉妬とプライドだ。(129ページ)


    途中で本物かわからないけど村上龍が登場して、少しだけ笑った。
    もし小池栄子さんもいたら「カンブリア●殿」収録じゃないですか。

    けどね、=ロマンティックの極北=という帯の通り
    違う世界の北の果てにいて遠くから来る流氷を眺めているようで…。うまく言えないけどヒリヒリして切ない。
    二組の男女の気持ちと気持ちのスキマを埋める想像力が必要。


    ダ・ヴィンチのプラチナ本
    ダ・ヴィンチ 2017年11月号で瑛太さんのおススメ本。

  • これは...こんなに先の読めない、起承転結が何回あるんだろうみたいな、ジェットコースターみたいな話が2つも書けるなんて天才だと思う。初恋の方も素敵で、ロマンティックで良かったけど、不倫の方を読みきると初恋のこと忘れちゃうくらい、パンチ効いてた。関連があるようでなかった豆生田の設定も素敵。すとんとは落ちない展開もいくつかあったけども、そんな違和感も感じさせないくらいのスリル感じが最高だった。
    ●絶望って、ありえたかもしれない希望のことを言うのだと思う
    ●人間の心で制御出来ないのは、嫉妬とプライドだ。だけどその二つがない人間には何も出来ない。それは生きるための糧でもあるから
    ●大切な人を守りたいのなら、その人の手を引くだけでは足りない。その人の周りの環境もかえなくてはならない。
    抜き出してみると、初恋の方は名言ばっかりだ。響いた。

  • ダヴィンチのプラチナ本で紹介されてたので読んでみました。
    脚本家・坂元裕二さんが描く朗読劇「不帰(かえらず)の初恋、海老名SA」と「カラシニコフ不倫海峡」。


    会話だけの構成なんですが
    面白い、短いけどなんだか濃かった。

  • 往復書簡ってだけで胸アツなのに、中身がまた、これ。村上春樹を易しくした具合の。話が横道にそれる感じが好き。ズレてしまった愛情が好き。

  • 友人が大ファンだという。
    その名前に惹かれて、長い待ち時間に手に取る。

    男女の手紙(メール)のやり取りで構成される、二編の物語。 関連性はないのだが、第三者としてあげられる豆生田という珍しい名前が共通している。

    最初のは、中学時代にはじまって30歳くらいまでか。
    対人関係がうまくなさそうな男子と これまた偏執的というかタイミング悪そうな女子。
    まぁ、クラスにいてもわりと避けるタイプ?
    この二人の若干噛み合わないやりとりのあと、いきなり時間が跳んで、対話がはじまるキッカケがバス事故。
    そのバス事故に女性の方が巻き込まれているのだけれど、経緯がまた奇異。
    事故をおこした運転手を男性の方が追うのだけれども、その理由も度を越しているというか ......

    もう1つは40を過ぎていると思われる男女。
    まったく面白くない公務員の男が、突然メールで女に絡まれる。 どういう理由なのかよくわからん。
    このふたりのつながりが徐々に見えてくる過程がこれまた薄気味悪い。
    両者とも、大人なようで、まるで空箱のように意志を感じさせない気持ち悪さだ。

    何を感じ取ればいいのか途方に暮れながら読んだが、なるほど、二人の人間が対話をしているときにはすでに両者が了解している事項がいくつもあって、そこに、読者には伏せられた事実を置いておき、次々にその蓋を開けていく。
    その手法が見事だ。
    対話形式の新書などは、両者の了解事項が結局わかんないままで、どうもモヤモヤすることが多く滅多に読まないのだけれど、そこはさすが脚本家。
    観客の視線から きちんとチェックされている。

    そして最後に強烈に残るのは 登場人物のキャラクター。
    どなたも 友達にはいない 友達にはなりたくないタイプだけど、いるんだろうな こういう変な人って ...  とリアルに想像できる。

    坂元裕二氏を有名にしたのは 東京ラブストーリーだそうだが、あいにく観たことがない。
    ウィキペで検索してみたら、チェイス〜国税査察官〜 と カルテット を知っていた。

    あの  ARATA(井浦新)と ありすちゃん(吉岡りほ)は強烈でした。

  • 息がうまく吸い込めないくらい苦しくなる本。

  • 初恋と不倫、二つのものがたり。
    「往復書簡」とあるけれど
    手紙は少しだけでほとんどがメールのやりとりです。
    会わなくても話さなくても
    心は通っていくし恋も始まるんだなぁ。。。
    行きつ戻りつしながら
    二人の間に起きたできごとが明かされていくたびに
    その恋を応援する気持ちが大きくなっていきました。
    短い中にも、ずっと覚えていたくなるような言葉が
    たくさんつまった素敵な恋愛小説です。

  • 手紙、書きたくなる。
    よかったー。
    のんちゃん、ありがとう。

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著者プロフィール

脚本家。作品に「Woman」(日本民間放送連盟賞最優秀)「東京ラブストーリー」「わたしたちの教科書」(向田賞)「それでも、生きてゆく」(芸術選奨新人賞)「最高の離婚」(日本民間放送連盟賞最優秀)等。

「2018年 『anone 2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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