愛の縫い目はここ

著者 :
  • リトル・モア
3.92
  • (11)
  • (14)
  • (14)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 257
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898154649

作品紹介・あらすじ

日本語から詩がこぼれてくる。
言葉にひそむ光、声を支える日々の足音、
最果てを抱えこんでいる私たち。——谷川俊太郎(帯コメントより)

第33回現代詩花椿賞受賞作『死んでしまう系のぼくらに』と、
映画化でも話題となった『夜空はいつでも最高密度の青色だ』に連なる
詩集三部作、完結!


最果タヒ自身が拓いた、詩の新時代を決定づける傑作。

「グッドモーニング」「ふれた永遠」「糸」
「光の匂い」「5年後、太陽系、みずいろ」
…ほか、書き下ろし含む全43篇収録。

この本から、また始まる。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 再読。
    ある講義で使うために一つ詩を選んでいたんだけど、いいのがありすぎて迷った。最終的になにを選んだかは内緒。

    共有しなくていい感情に同意されるのがわたしは大嫌いで、痛みとか孤独とかに対して簡単に「わかる」って言われると本当に腹が立った。
    わからないよ。
    少なくともあなたがわかっているそれとはたぶん違う。
    あなたが同調した時点でそれは別のものだ。
    わかりあえない部分を尊ぶべきだと思うし、大切にしたいし、あるいはしてほしいと思っている。

    タヒさんの言葉はそういうものを簡単に理解せずに理解から離れた場所から突き放してくれるから好きだ。
    そして抱きしめてくれるから好きだ。
    言葉にした時点で自分が前以って持っていた意味とはかけ離れてしまうから。

    「千年後、ぼくは泣いている。孤独などなかったこの人生をどうか終わらせないでください。」

  • 詩歌づいている二冊目
    いただいた本

    詩は小説とは違う頭の使い方。同じようなこと考えていた、ような気になる、たぶん同世代だからか。
    花椿や他の雑誌に掲載された作品も載っていて、でもちゃんと覚えているわけじゃないので、「読んだことあるような気がするけどどこでどう読んだのか思い当たらない」という状態に時々なった

  • 誰にもわからないことがあって、私にしか与えられず授からなかった苦しみがあって、それを理解され同じように感じて貰えることは一生不可能なのだろう。それでも私達は各々の絶望の渦を生き抜いていく使命がある。傷を受けては縫い合わせ、千切れては縫い合わせ、そうやって今日を日々を歩いていく。埋まらない傷は己の勲章だ。その強さには誰も敵わない。愛の縫い目は何処...私はまだ手探りで探しながら呼吸をしている。

  • 詩は声に出して読むものだとあらためておもった。
    音に出して読むべきものだとおもった。
    この本全部を声に出して読んでみて、自分が詩を好きなのは、音が響くからだと実感し、言葉は生きて私の中に入ってきた。日常の中の言葉がこんなにも生き生きとしている。
    詩はいいものだ。

  • 私の、曖昧さを抱きしめる、その一瞬になってくれてありがとう。この詩集に出会えて、よかったです。

    心に残った詩や言葉

    ビニール傘の詩
    恋とは呼べない関係が、川とともに流れている。
    私たちの気配を潰していくように雨が降り、
    まるであなたが遠くにいるように思える。

    ワンシーン
    僕の瞳にすみついた、君の欠片を、ぼくは覚えているよ。

    12歳の詩
    昼間、口のなかに夜がひろがり、甘い気がした。

    生きるとは星空の真似事をしているみたいだ。


    赤い糸は、体の底から何かを取り戻そうとするように伸びて、地上からおよそ5センチのところを彷徨っている。
    金の愛、銀の恋、
    愛は金色の糸でつながっている、恋は銀色の糸。
    ふたつはくるくると絡まりながら、どこかへと向かう、
    地球を一周して、わたしの背中に繋がる気ではないだろうか、金銀の水引で、地球をお祝いするつもりかな。

    BABY TIME
    死後、名前は溶けて光になるよ。だから泣かないでほしい。

    誕生日のし
    長く、続いていく列車の音を聞いて、
    今日も明日もこんなふうに生きていくんだろうと思った。

    ガラスの詩
    春色とは何色なんだろう、
    たぶん透明なんじゃないかなあ

    年末の詩
    夜は世界が終わるのを待っている子供が、
    毛布の中でうずくまっているから始まる。
    ひとりでも、明日はいいことがあるかもしれないと、
    期待する子がいるから朝が来る、
    それだけでしかない365日。

  • 「映画館」が最高。

  • 2018.5.27

    たくさんことばを拾ってメモした!
    テクニカルな言い回しがすき

  • すごくわかりすぎてむしろびびる

  • 書かれている詩の内容をきちんと理解できている訳ではないのですが、愛しさや切なさ、物悲しさのようなものが伝わってきて、胸がひりひりして苦しかった。読むのをやめられなかった

  • 『死んでしまう系のぼくらに』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』に続く、詩集第3弾。

    心揺さぶられる文章が多かった。
    生きることが苦しそうな筆者だけれど、そこからこんなにも美しい結晶が生まれることが純粋にうらやましい。
    個人的に、今までの筆者の詩集のなかで一番読みやすかった。

全19件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

最果タヒ(Tahi Saihate)
1986年、神戸市生まれ。2008年、『グッドモーニング』で中原中也賞を受賞。2015年、『死んでしまう系のぼくらに』で現代詩花椿賞を受賞。詩集に『空が分裂する』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』『愛の縫い目はここ』、小説に『星か獣になる季節』『かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。』『渦森今日子は宇宙に期待しない。』『少女ABCDEFGHIJKLMN』『十代に共感する奴はみんな噓つき』、エッセイに『きみの言い訳は最高の芸術』、対談集に『ことばの恐竜』がある。最新詩集に、2018年9月刊行の『天国と、とてつもない暇』。

最果タヒの作品

愛の縫い目はここを本棚に登録しているひと

ツイートする