- Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
- / ISBN・EAN: 9784898154649
作品紹介・あらすじ
日本語から詩がこぼれてくる。
言葉にひそむ光、声を支える日々の足音、
最果てを抱えこんでいる私たち。——谷川俊太郎(帯コメントより)
第33回現代詩花椿賞受賞作『死んでしまう系のぼくらに』と、
映画化でも話題となった『夜空はいつでも最高密度の青色だ』に連なる
詩集三部作、完結!
最果タヒ自身が拓いた、詩の新時代を決定づける傑作。
「グッドモーニング」「ふれた永遠」「糸」
「光の匂い」「5年後、太陽系、みずいろ」
…ほか、書き下ろし含む全43篇収録。
この本から、また始まる。
感想・レビュー・書評
-
初めて買った最果タヒさんの詩集。
物事の感じ方、捉え方、言葉で表現する方法、どれを取っても斬新に感じた。
私は詩を書くことに興味があるけど、最果さんの詩を読むと、自分の勉強不足がよく分かり、大人になってもまた学生の頃みたく勉強したいと思った。
学生の頃みたく縛られないで、本当に学びたいことを図書館で好きなだけ調べたい、などと思わせてくれた。
最果さんの詩からは、哲学を感じる。
哲学の勉強はしたことないからよく分からないけど、文学の一歩上のような感じがする。
文学と哲学を結びつけたような、形容しづらい文章、考え方だと思った。
きっととても頭が良くて、いろいろなことを知っているんだろうな。
私もいろいろな事を知って、詩を書くことが楽しめる人間になりたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
詩は難しい。
-
似たような体験をしていても、それはあなたであって私ではない
本当に誰かとわかりあえることはない
共感はしても、それはわかりあえることではない
それに気づいてしまうと、どうしようもない孤独と寂しさを感じてしまう
傷ができても
縫い目が増えていくだけなのかもしれない -
著者の言葉で自分の心が引き延ばされ、世界がひっくり返り、自分が自分では無くなって輪郭が曖昧になり、生も死も光に包まれてぼんやりして、悪いものではないような気がしてきました。世界は残酷ではないのかもしれません。
《傷ついていくことが、こわれていくことだと、だめになっていくことだと当たり前に信じてきたけど、でも、本当は、何かをそっと手作りしている途中なのかもしれないね。縫い目が増えていく。ぬいぐるみが、できあがっていく、毎日。》
あとがきのこの言葉で泣きそうになりました。私にぴったりの言葉に出会えたと思いました。 -
読んでいて納得のいく解釈が見つかりそうで見つからない。
ただ言葉選びやリズムが素敵で置いてきぼりにされることすら心地が良かったです。
そして時折ある漠然と共感できる一節が嬉しくてたまらないし、
また時が経って読み返したら今まで理解できなかった部分に心を動かされるんだろうなという掴めなさが魅力的でした。
今の僕には「スターバックスの詩」が、
自分が見て見ぬふりをしている感情と事実に迫ってきて
苦しくもありつつも、
同じような辛さをみんな抱えていると安心させてくれた様でもあり刺さりました。 -
あとがきがすき。
わかるよ、めっちゃわかる、って言わないで欲しいと
元恋人に言われて振られた民からすると
ああそうだよな、と思う。
安易にわかる、って言わないようになったの。
でも、本当にわかってしまう時、共感できる時に
なんていえばいいのかな、 -
姉からもらったサイン付きの詩集。
「海」が1番好き。 -
自分の中には、どうしても「言葉を読む=頭で理解しなければいけない」という固定観念があって、そこから自由になることはとても難しいのだということを改めて教えられたような気がします。
あとがきに「私などないまま、あなたの中に、あなたのものとなって、溶けていく言葉を、書いていきたい、私にあるのはそれだけです。」という一節があり、それがとても印象的でした。
自分の中に溶けていくもの。
言葉というものをそんな風に意識したことは無かったですが、きっと知らず知らずのうちに自分の一部になっているんだな、と発見がありました。 -
〝ここ〟ってどこ?
読みながら縫い目を探したけれど、
けっきょく見つかりませんでした。
もしかすると、
ほころびたままなのかも。
だけど、それでいい。
愛なんて求めると悲しいだけだし、
失うのも辛い。
だから、ふりをするだけ。
愛がなにかを知っているふりを。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2