- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784898154960
作品紹介・あらすじ
すべてが過ぎ去った後に ようやく君は泣くのかい?
日常を悲しみながら、あははと笑い飛ばすイ・ランの、ひとりごとエッセイ。
ソウルを自転車でさすらう彼女の心に近づく73篇。
作り笑顔と「いいね!」の時代を揺るがす、新しい書き手。
シンガーソングライター、映像作家、コミック作家、エッセイスト。
その多才さで韓国のカルチャーシーンにとどまらず、
日本でも大きな存在感を放ちはじめた、イ・ラン。
2016年冬に韓国で発売し、7刷のヒット作となった
『대체뭐하자는인간이지싶었다(原題:いったい何をして生きている人間かと)』待望の邦訳本!
ままならない日々の葛藤や疑問。生きることにつきものの労働、
人間関係、孤独、退屈、自意識との戦い……。
社会との接点を通して「いったい何者なのか」と自分をみつめるイ・ラン。
最高にチャーミングな彼女の洒脱なユーモア満載、珠玉のエッセイ。
「もしかしたら、わたしは忘れられないために今も都会に暮らしているのかもしれない。
不幸を歌い、その歌をわたしのように不幸な人たちに聴かせるために」(本文より抜粋)
「ほんとうにそうすべきか?」「何をしたら面白い?」
「わたしは何になれるだろうか?」
問いかけに満ちたイ・ランの言葉を聴こう。
感想・レビュー・書評
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『悲しくてかっこいい人』読了。
最近ものすごい勢いで聴きまくっている韓国人シンガー、イ・ランのエッセイ。普段の何気ない生活に対する葛藤や問いについて正直に綴っていた。読んでいる私までも悲しくなったり慰められたり。気分の浮き沈みが激しくて疲れた…でも面白かった。
ここまで生々しく生活感を露わにしたエッセイはあまりないだろうと思った。ユーモアに変換しているところは好き。それ以上に生と死についての問いは重かった。
何かを残したい欲は私にもある。共感する項目に出会うと嬉しく思う。そして違う角度から真髄をつく内容に出会うと、なるほどなーと思ったり。
あとがきに「よく聞いていますよ」の歌詞が載ってあった。すごく好きな曲。作られた背景があとがきに書いてあり、なんだか嬉しかった。
自分に嘘をつけない正直な方なんだろうなと思う。私もそうなので嬉しく思う。
自由な魂を持ち続けたいね。
この曲のサビはマジで好きなので聴いてほしい。
一回読んだだけで分かった気になりたくないので、可能な限り何度も読み返したいな〜と思った。
何度か読まないと、読むためにはどうするか。本を買おう…(図書館本)
というか。
米津玄師のアルバムにKing Gnu常田さんが参加したことでKing Gnuを知り好きになって。
King Gnu井口さんがラジオで折坂悠太の楽曲を流したことで折坂悠太を知り好きになって。
折坂悠太さんのアルバムにイ・ランが参加したことでイ・ランの存在を知り好きになって。
好きの連鎖がハンパない。
ここまで到達するのにおよそ4年の月日が流れてる。
2022.2.23(1回目)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なんかいろんな過去があって、その過去をどう捉えていくのかってすごく重要なことで、それを吹っ切っちゃってるのがいいなと思う、
でも元恋人の話で、“それ以外の恋人はあまり好きじゃなかった”っていうワードが苦手でした。 -
底抜けの寂寥感と奇妙な人懐っこさが同居した不思議な文章。
著者のイ・ランさんのことはシンガーソングライターの柴田聡子さんの友人として知りましたが、確かに彼女に通じるものを感じます。つまり最高。 -
自分と同世代の韓国のアーティストが書いたエッセイ。
どんな人か、どんな作品を作ってる人なのかも全く知らずに読み始めた。
読んでいる間、時々ある想像がわいてきた。
イ・ランがこの言葉をソウルのどこかで書きつけていて、
その書きつけたパワーが机を伝って、床に伝って、地面に伝って、海の中に溶け込んで行って、
それで遠く離れた日本の地面に吸い上げられて、そこから地下鉄に、そしてその中の電車でイ・ランの本を読んでいる私の手を伝って私の中に染み込んでくる。
そうだ、
なんというか言葉を読むのとは別の体験をした気がする。
イ・ランがある文章を書こうとした想いや彼女を彼女にしている考え。
そういうものが、自分の中に入り込んでくる感じ。
元気にしてくれる、前向きにしてくれるというのとは少し違くて。
でも私がした体験はものを作ることが、それを受け取った人に贈ることができる一番良いものだったと思う。
彼女は間違いなく自分をこの本に注いだのだ。
それって尊い。
読んでも気持ちは変わらないかもしれないけど、
カラダ全体の体感がパワーを得る感じの読後感です。 -
いろんなことをあれこれ考えていて記憶の取り出し方が巧みで良いエッセイだなと思う つられて何か書きたくなる気持ちを起こさせてくれる本
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感情の揺れがそのまま文章に落とし込まれていて、すいすいと読み進められる箇所もあったけれど、結構精神をすり減らしながら読んだ。
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気に入った人のところに突然訪ねて行って、「こんにちは、わたし、君のことが好き、仲良くしようよ」と言った。 ─悲しく腹が立つ─
日本で育った人の本を読むと、有名な日本の映画や小説や映画監督や大学や土地名が出てきて、また外国の有名な映画や歌手の名が出てきて、それらは日本のものであれば日本で育つ中で知っていて、外国のものでも世界中に知られているから知っているけれど、韓国で育った人が、そこで生きる中で知っていった韓国の有名なもの、世界で有名とまではいかないが韓国の人なら知っているもの、そういうものが出てくると、ここに他国の本を読む面白さがあると思った。 全く知らない固有名詞や名前が登場し全くそこから姿や画が浮かばない状態。異国。
『ペパーミントキャンディ』イ・チャンドン監督、全く知らないや♪
最近、無理にでも本を枕元に置いて、バスの中で鞄から取り出して、文字を読み始めて、読み始めたら栞を挟み終わりまで残りの本の厚さを確認しながら、読み始めたらその本の流れに身を入れて読み終えないと気持ち悪いので終わりまで読み進めていく。
何度も読み返したいような、一文一文、構成、を読み解きたい気持ちが本を開かせる状態ではない。
私が無気力なのか、本がつまらないのか。
この本も、苦痛とともに栞の挟まったところを開いていた。
もっと興味深い本を求める。
もう誰かの書いたものを読むのをやめて、自分で書いてみたら少し状況が変わるかもしれない。
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ぶちまけてるなぁと思った、でも読み終わってスカッとはしない。
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ランさんの人間としての面白さ。
わかる〜とわかんなーいを何度も繰り返し結局わかる〜に落ち着く最高なエッセイ。
正直すぎて大好感。生きたくなる