- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784898155387
作品紹介・あらすじ
飲食界随一のエンターテイナー、稲田俊輔(イナダシュンスケ)による初のエッセイ集。
どんな食べ物にも喰いつき、「おいしさ」をトコトン暴きだす天才!
人気店「エリックサウス」創業者、飲食店プロデューサー、自称変態料理人=イナダシュンスケが、ど定番の「おいしいもの」一品ずつを語る。
これを読めば、食事は最高のエンターテインメントになる!
食べ物への偏愛が注ぎ込まれたエッセイ集。レシピ4点付き。
■目次より
幸福の月見うどん / 一九六五年のアルデンテ / サンドイッチの薄さ / 手打ち蕎麦の困惑 / ヤマモトくんのおやつ、キリハラくんのおやつ / ホワイトアスパラガスの所在 / 菜っ葉とお揚げさんのたいたん / カツレツ贔屓 / コンソメスープの誇り / チキンライスの不遇 / 幕の内大作戦 / 史上最高のカツ丼 / ストイック宅配ピザ / 小籠包は十個以上 / カツカレー嫌い / 天ぬきの友情 / 食べるためだけの旅 / ビスクの信念 / お伽噺の醤油ラーメン / ポテトサラダの味 / ポトフとpot-au-feu / 麻婆豆腐の本質 / ミールスの物語 / 誰が為のカレーライス / かっこいいぬた / ミニサラダの永遠 / から揚げ稼業
■収録レシピ
・東海林式チャーシュー「改」とチャーシュー麺
・ミニマルポテトサラダ
・塩漬け豚のpot-au-feu
・ミニマル麻婆豆腐
《全篇書き下ろし》
食いしん坊はめんどうくさい。だから面白い。
「おいしいものには何かがある」と気づかせてくれた、あの店、あの味。
感想・レビュー・書評
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食のこだわりが強いと自負する著者が、幕の内弁当の食べ方やオムライスにおけるオムレツとチキンライスの主従関係など、多くの人が無意識にやり過ごしてしまうような日常の食体験を異常な解像度で語るエッセイ。
稲田さんのTwitterやラジオなどをそこそこ追っているせいで、ほとんどどこかで聞いたことある内容だったがそれでも面白い。ただ、ですます調は紙媒体になると途端に「遅い」と感じてしまうなぁ。質問箱の回答を読んでもそう思わないのになんでなんだろう。
あとがき代わりに置かれた、脈々と受け継がれる食いしん坊の系譜のお話が一番面白かった。稲田さんにはぜひいつかカルミネ・アバーテの『海と山のオムレツ』的な自伝的小説を書いてもらいたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フォローしてる方のお勧めで読んだ。先日行って美味しかったカレーの店のアドバイザーとの事だったので、リアルに美味しいモノを求める気持ちがよく理解できた。が、美味しい物とは一緒に食べる人や場面でそれぞれ違うので大上段に論じられてもなぁ
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食エッセイに思い出は付き物。世の中にこんな美味いものがあったとは⁈衝撃的驚きがもたらす感動、お弁当の時だけ入ってた甘い玉子焼き、学生時代お世話になった定食屋のアジフライ、おふくろの味、父親が好んだ酒肴、忘れ難きあの店の一品…。そう、食の個人的体験を郷愁の調べにのせて綴るのが食エッセイだと…定義できる。
本書も然りで、ただちと趣きが違うのは『アンチテーゼ』を投げかけてくる内容となっていること。いずれも軽妙なユーモラスなタイトルでまぶしてはいるけど、我が物顔で今やトレンドに躍り出たわんぱくサンドに代表される超分厚いサンドイッチに対する一家言、時代の流れと共に風化していったコンソメスープに対する郷愁と嘆息、国民食ポテサラの味付けに関する疑問、脇役扱いの小籠包に向ける憤懣と惜しみない愛情、蕎麦屋好きだけど蕎麦通扱いされ尻こそばゆい感覚を独白…等を豊富な語彙を費やし、往年の北別府よろしく巧みなボールの出し入れを見せられてるような手練れさで、食への偏愛を語る。
例えば…
ダシの熱でほどよく温まり、微かに粘度を増しつつも部分的に冷たさを残した卵黄、そのミルキーな香りと濃厚なコクをダシの旨みが下支えし滑らかなうどんにまとわりつく、一口の愉悦。すすり切る直前に初めて感じる、うどんの端に引っかかった無味に近い卵白の滑らかなテクスチャーと咀嚼、後からそれを引き締め始める葱の香味。コンマ数秒の間に濃密なドラマが展開し、卵という食材の魅力があらゆる角度から引き出される立体感は、まさに唯一無二なものです。
…はたしてこれは何の料理について書かれたものなのか?答えは『月見うどんの卵黄を破ってうどんをすする最初の一口』を実況した下り。さながら古舘伊知郎の実況を聴いてるようで、偏愛を通り越しほとんど変態の域。まぁ、このクセのスゴさが本書の最大の魅力。とはいえ暴論妄論には走らない。確かにそうだよなぁと頷くことしばしば。
正月休みに食っちゃ寝で増量した方には胃もたれを起こすかもしれませんが、年初にさて何を読もかいな…と思われたる方には、ついついニヤリとするライトな中にエスプリの効いた食エッセイはいかがでしょう…。 -
Voicyパーソナリティ芳麗さんの影響で興味を持ち始めたミニマル料理!
dancyuの特集にもなっていた!!
噂のエッセイ読みました。
世界は贈与でできていると似ている、世界は美味しいものでできている、か。
なるほど
シンプルおいしいは理想的◎ -
稲田俊輔の食だけでなく「食べ方」でのこだわりが、一章一章から零れ落ちる。食の高みは遠い。
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出てくる料理を食べたくなる
自分も食べることが好きだけど筆者の熱量に圧倒された
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難解な本と交互に読んで、こちらでほっこりしてバランスを取るのにちょうどよかった。
バター粉チーズパスタとポテサラを作ってみたくなった。