- 本 ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784898155912
作品紹介・あらすじ
スロープや字幕を付ければ終わりではない。
アクセシビリティの先には、生々しい身体を持った人間がいる。
映画を観る、ゲームをする、アートを鑑賞する。
そのために、チケットを買う、座席を選ぶ、会場に行く。
多くの人が日常的にしていることを、マジョリティとは異なる身体を持つというだけで同じように楽しめない人たちがいる。
コンテンツを作るとき、情報を発信するとき、イベントを催すとき。
わたしたちは、自分と異なる身体と感覚を持つ人のニーズをどのくらい想像しているだろう?
そもそも人が「体験する」とは、どういうことだろう?
アクセシビリティについて考えることは、“当たり前”を問い直すこと。
『ルール?展』や『音で観るダンス』など、常識をくつがえすプロジェクトを生み出し、アクセシビリティを研究してきた著者が、障害のある人と対話・実験しながら書き上げた初のエッセイ!
障害のある人13人との対話・鑑賞ワークショップ・座談会の様子も記録。
「バリアフリー」や「インクルーシブ」からこぼれ落ちる声を聞き、AIなどのテクノロジーにも領域を広げて考える。
今の時代、どんな仕事、どんな表現をしている人も無関係ではいられない。
アクセシビリティの必要性と可能性、それを考えることの面白さも伝える著者ならではの人文エッセイ。
2024年度から改正障害者差別解消法の施行により、民間事業者も義務化となった「合理的配慮」。
何から始めよう?と考えている人も、はじめの一歩になる必読の本!
“アクセシビリティは、社会のあらゆる場所が連携しながら、
つくる人と使う人が一緒に更新していく、終わりのないプロセスなのだ。”
(本文より)
感想・レビュー・書評
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「アクセシビリティ」の本質について考えさせられる内容。スロープや字幕等、整備されれば解決済みなのか?そうではない。
どのような身体でもいつでも自由に移動でき、文化や情報を得ることができ、自分の行為や人生を主体的に選ぶことができるようになることが本当の意味でのアクセシビリティ。
表面的な部分で終わらせるのではなく、深い部分で考えていく必要がある、ということ。
障害を抱えている当事者から発信していく必要性を改めて感じた。
すごく勉強になるし、何度でも繰り返して読みたい。本との対話を通して、自分自身の人生についても考えていきたい。 -
選書番号:361
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本学OPACはこちらから↓
https://nuhm-lib.opac.jp/opac/Holding_list?rgtn=022532 -
最近、仕事の関係で自治体ホームページのアクセシビリティに触れたり、プライベートでもとあるミュージカル団体のアクセシビリティの取り組み「Musical For All」に参加したりしたので、せっかくの機会に拝読。
こういう本にありがちな「私はこう思う」論ではなく、実際にある色々な取り組みとそれを作り出している人それぞれの声とが掛け合わさった1冊でた。
<書評>誰のためのアクセシビリティ?:北海道新聞デジタル
https:...
<書評>誰のためのアクセシビリティ?:北海道新聞デジタル
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1063552/