混迷の時代に: ネットワーク社会の遠心力・求心力

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  • ワック
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898310199

感想・レビュー・書評

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  • 新しい情報革命は、産業革命の次にきているという
    認識を持ちながら、物事を考えていかないと、
    いま求められているものが何かということが
    わからなくなってくることは、確かである。

    どうも旧来の発想で仕事をしていると、
    時代の進行はわからない。

    情報革命とは、
    ネットワークであるということなんだと想う。

    今回の対談集を読んで、
    まさにその時代がやってきている感じがしている。
    そしてそのネットワーク時代に必要な
    新しい価値観が構成されようとしているのも見逃せない。

    「情報ネットワークの発達による
    組織と個人の情報格差の消滅である。
    個人に力が移行していくと、
    それは強力な「遠心力」になり、
    組織の存在が問われることになる。」

    クルマのネットワーク化が遅れている。
    クルマをオフィイスにするための
    設備化が必要とされている。

    出井さんは、ワイパーにセンサーをつくれば、
    より正確な天気情報が得られるとしている。
    雨が降れば、動くというレベルでの情報発信。

    クルマの所在地が確定できる時代になれば、
    そこから情報を送らせることができる。
    渋滞情報も複数のクルマに情報が載せられれば、
    わかる。クルマを総合的なセンサーとしてしまう。

    人と人との関係 それはどのような距離があるのか
    をはかり合うことから始まる。
    「この人とはどこまでの言葉のやりとりが
    許されるのかを考えながら、人間関係をつくる。」出井

    「コンセントに差し込むだけで、
    どんな機器でもネットワーク上で動かせられる
    ようになれば、世界は一変する。」マクリーニ

    誰が責任を持つかということで、
    日本語は、誰も責任を持っていない。
    責任者が必要だという考え方自体が古くなっている。

    1ヶ所に人が集まってくると価値が出る。

    人間圏を構成したことで、生態系に影響を与えるようになった。
    進化とは分化すること
    冷えると文化が始まる。
    拡散 構造 ゆっくりしていると寿命が長い。

    情報を作り出しているとことには求心力がある。

    会社へのハートとお客様へのハートのバランス。

  • (2003.10.03読了)(2003.06.27購入)
    副題「ネットワーク社会の遠心力・求心力」
    <ソニー会長の出井さんがテレビ番組のインタビュアーに挑戦>
    インタビュー相手は、ソフトバンク社長の孫正義、サンマイクロシステム会長のスコット・マクニーリ、オリックス会長の宮内義彦、三和総合研究所理事長の中谷巌、作家の塩野七生、アーティストの坂本龍一、編集長の鈴木正文、惑星物理学の松井孝典、指揮者の小澤征爾、ソニー取締役会議長の大賀典雄、の10人です。
    実に多彩な相手です。その中から印象に残ったことを幾つか拾って見ます。

    塩野さんは、7月7日生まれでした。それで七生だったのですね。ホメロス作の「イーリアス」を読んで、地中海にあこがれ、一年だけの約束でイタリアに渡り、住み着いてしまった。偶然あった「中央公論」の編集長に進められて「ルネッサンスの女たち」を書いたのだそうです。僕は、この本を文庫が出版された1973年11月に買って、1974年1月に読んでいます。その結果5月にヨーロッパ旅行に行きました。丹念に史料をあさって、それをわかりやすく構成して読ませてくれるので、いつのまにか歴史の場面に入り込んでしまう錯覚を与えてくれます。一冊読んだらイタリアへ行かずには済まされなくなります。これから読もうという人は、覚悟してお読みください。

    坂本さんの印象は、「戦場のメリークリスマス」でしょうか?俳優と音楽とがこの作品で印象付けられました。対談の中で、「ウラBTTB」の売れた話が出ています。ヒットチャートに一位になったのだけれど、苦労して作ったわけでもないのにどうして売れたのかまったくわからないという話です。作品のヒットというのは一種の社会現象的なところがあるので、ホントわからないところが多いというのは同感です。アニメの「千と千尋の神隠し」なんかも僕にとってはわからないですね。「もののけ姫」とかのホウがドラマチックで面白いと思うのですが、それよりヒットしたのですから、・・・。

    小澤さんは、出井さんの中学の先輩だそうです。そこで、小澤さんはピアノ、出井さんは、バイオリンをやっていたそうです。ソニーの大賀さんも音楽家ですから、ソニーへ入るのは音楽が好きな人が結構いるのかもしれないですね。ソニーというとどうしても技術力があるというイメージが先行してしまうのですが、音響関連の製品が多いから音楽好きも必要なのでしょう。
    ピアノをやっていた小澤さんが、指揮者になったのはラグビーをやっているときに指を骨折してしまったからという話です。ひょっとしてピアニスト、小澤征爾もありえたのかなと思ってしまいます。

    ☆関連図書
    『ルネッサンスの女たち』塩野七生著、中公文庫、1973年
    『神の代理人』塩野七生著、中公文庫、1975年
    『海の都の物語』上・下巻、中公文庫、1989年
    『ボクの音楽武者修行』小澤征爾著、新潮文庫、1980年
    『音楽』小澤征爾・武満徹著、新潮文庫、1984年

    ☆関連図書(既読)
    「学歴無用論」盛田昭夫著、朝日文庫、1987.05.20
    「出井伸之のホームページ」出井伸之著、ソニー・マガジンズ、1998.03.06
    「ONとOFF」出井伸之著、新潮社、2002.04.25
    「非連続の時代」出井伸之著、新潮社、2002.12.20

    (「MARC」データベースより)amazon
    ソニー会長の出井伸之が各界の識者と、経済、金融、歴史、惑星物理学、音楽、モータリゼーションという違った分野から「今」を語る対談集。テレビで放送された「IDEE-FORCE」の内容をまとめる。

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著者プロフィール

1937年、東京都生まれ。60年早稲田大学卒業後、ソニー入社。主に欧州での海外事業に従事。オーディオ事業部長、コンピュータ事業部長、ホームビデオ事業部長など歴任した後、95年に社長就任。以後10年に渡り、ソニーの変革を主導した。退任後、2006年9月にクオンタムリープを設立。大企業の変革支援やベンチャー企業の育成支援などの活動を行う。NPO法人アジア・イノベーターズ・イニシアティブ理事長。

「2021年 『個のイノベーション ―対談集―』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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