数学を使わない数学の講義

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  • ワック出版
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レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898310823

感想・レビュー・書評

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  •  数学的思考で経済学や社会情勢などを考えてみる一冊。

     やぁ、いままでになかった考え方を脳内にインストールした感があるぞ。
     なんかそういう「脳にインストールする感じ」の読書というのは比較的気持ちが良いんじゃ。

  • タイトルからすれば、話を余計にややこしくしているのだが、数学については先ず、解の存在問題を考える事が重要だという話は面白い。しかし、数学といっても、論理学が中心なのと、実社会における事例への当てはめには、例外がすぐに思いつくような内容もあり、読み難い。実社会を数学的に整理しようとしても、変数が多く、それこそ二元論的に解釈するのは不可能だ。読んでいて、この人本当に数学を学んだ人かな?と思い、経歴を調べたほどだ。一応、学部時代に数学科を出た上、きらびやかな学歴が並ぶ。

    さてさて、私が言いたいのは、かつて藤原正彦が国家の品格で述べたように、論理が正しくとも、その起点となる情緒の正しさがどうかという事。それとデータ量の無限性においては、定量的整理は、前提主義にならざるを得ないという事だ。当然、著者もこの点、GNPや物価指数に対して指摘をしている。であれば、この指摘に至るまでの試みに無理がある事も、恐らく自覚しているだろう。大衆向けに面白おかしく演出したが故に無理が出たのかもしれない。

  • 尊敬する上司からの紹介。
    アクの強い数学論。とはいえ、わかりやすい。

    存在問題の応用思考→解が存在するか、解くことができるか

  • 数学を使わない、というより数字を使わないと言ったほうが適切なのではないだろうか。とても読みやすかった。数学が嫌いな人に読んでほしい。

  • 数学は苦手。でも、数学をに興味がある。そんな人のための数学入門書。堅苦しい計算式はほとんど出てきません。それよりもむしろ、数学的な発想とは何か?それが世の中でどのように役立っているのか?という今までにない視点を与えてくれます。語り口も明快かつ軽快。2時間くらいあれば、読めてしまえます。

  • 12/7読了

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    日本人が数学力を失ったらどうなるか?経済成長は止まり、国防すら危うくなる事は間違いない。1
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    現代数学においては、「論理(ロジック)と集合とは、まるで同じものを指す」ということである。

    その萌芽というか起源は、古代ユダヤ教とギリシャに求められるのである。70
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    神との契約と宗教の内容とが、まったく一致している。しかも、この神との契約が、すなわち社会的な規範であり、のちに法となって定着する。

    日本ではどうかといえば、神との契約という概念が、古来、そもそも皆無である。だから、西洋的な法という考え方もなければ、規範という考え方もない。71
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    見掛けは厳格なようだが、その実、ユダヤ教ほど生っちょろい宗教はないとも言える。

    しかし、ユダヤ教の中にも例外はある。『ヨブ記』がそれで(…)必要十分条件を満たしたのに救済されないのは論理的におかしい、神の契約違反ではないか、というわけである。158
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    国民の一人ひとりはことごとく戦争を望んでいないとしても、国家自身が戦争を欲するということはあり得る。

    「戦争をする」という行為は、国家の命題であって、個々人の命題ではない。271
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    欧米が契約社会であるのはご存知のとおりだが、この「契約の精神」は、まさに数学の「集合論」そのものなのである。274
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  • 憲法学の権威が数学の論理を分かり易く講義してくれる。社会学者に数学を理解していない者が多い事に対する思いもある。

    文体は平易だが内容は高度である。ところどころに、張り紙で張り出してあるエッセンスがいい。

    「公理主義のおかげで学問とはすべて仮説であるという考え方が徹底した」
    「相手を批判するということは、同時に相手の学説を継承を意味する」
    「マンデヴィルのジレンマ★個人の悪徳は全体の美徳である」

  • 数学は苦手だけれど、数字は好き。
    そんなわたしの為の本。勧めてくれた父に感謝。

    (2008.08.21)

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著者プロフィール

小室 直樹(コムロ ナオキ)
1932年東京生まれ。京都大学理学部数学科卒業。大阪大学大学院経済学研究科、東京大学大学院法学政治学研究科修了(東京大学法学博士)。この間、フルブライト留学生として、ミシガン大学、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学各大学院で研究生活を送る。2010年逝去。著書に『ソビエト帝国の崩壊』(光文社)、『「天皇」の原理』(文藝春秋)、『日本の敗因』(講談社)、『日本人のための宗教原論』(徳間書店)、『日本人のためのイスラム原論』(集英社インターナショナル)、『小室直樹の資本主義原論』『日本人のための経済原論』『数学嫌いな人のための数学』『論理の方法』(以上、東洋経済新報社)ほか多数。

「2015年 『小室直樹 日本人のための経済原論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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