統合幕僚長 我がリーダーの心得

著者 :
  • ワック
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898314944

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  • 防大入校から統幕長退任まで。
    自衛官人生の中で、感じてきたこととかが素直な感じで綴られていて、「統合幕僚長」という肩書きのいかめしいだけの印象とは違う人柄が感じられる。

  • 前統合幕僚長 河野克俊氏の自伝。河野氏が歩んでこられた経歴と考え方が、よくわかった。興味深い。

    「(木村昌福(まさとみ)中将)木村中将は海軍兵学校を出ているが、卒業成績は118人中107番で、海軍省や軍令部での勤務はなく、ほとんど第一線で勤務した生粋の船乗りだ」p10
    「(自衛隊派遣に反対する人たちが好んで使った合言葉)「いつか来た道」「蟻の一穴」「軍靴の足音が聞こえる」」p68
    「(輸送艦おおすみ建造計画による空母疑惑)将来的にはスキー・ジャンプのような甲板を取り付けて空母に改造するつもりではないかというのである。驚くべきことにこれを言ってきたのは、ソ連でもなければ中国でもない、米国だった」p99
    「ハリス米太平洋軍司令官からあなたのカウンターパートはワシントンの統合参謀本部議長であり、真の意味で太平洋軍司令官のカウンターパートが自衛隊にはいないと言われたことがある」p148
    「後年、海上幕僚長、統合幕僚長となり定例の記者会見を行うことになったが、絶対笑わないことを心掛けた」p161
    「(読書の大切さ)読解力イコール論理的思考力と言っていい。そのために私はいわゆる飛ばし読みはしない」p168
    「(徳川家康)堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思え。勝つことばかり知って負くることを知らざれば害その身にいたる。おのれを責めて人を責むるな。及ばざるは過ぎたるにまさるものぞ」p169
    「「即応体制=オフの人間が絶対必要」。頑張りすぎる日本人に対しては、この点をあえて強調しなければいけないと思っている。ある意味、即応体制とは余裕しゃくしゃくでやらなければならないものだ。そうでなければ「いざ、鎌倉」に対応できず、その前に倒れてしまうことになりかねない」p185
    「中村勘三郎さんは現代演劇人と新作歌舞伎を創造したり、野外に建てた仮設劇場「平成中村座」で斬新な演出を試みたりと、新歌舞伎界に新風を吹き込んできた。そこで、記者が「目指すのは伝統と革新ですか?」と尋ねたところ勘三郎さんはすぐさま「伝統と、もっと伝統です」ときっぱりと答えたそうである。明治期人気を博していた川上音二郎の新作に脅威を感じた九代目市川團十郎が取った選択も伝統回帰だ」p202
    「大事なのは、何が任せられて、何が任せられないのかを判断する能力だ」p226
    「(仕事のモットー)「資料は少なく」「会議は短く」「電話も短く」」p227
    「(リーダーシップ論)1)組織に対して目標を明確に示す。2)その目標を達成する強い意志を持つ。3)結果に対して責任を取る。」p228
    「(自衛隊違憲論)今の違憲論は「自衛隊は違憲である。しかし、国民がいらないというまで働いてもらう」である。または「自衛隊に違憲の烙印を押し続けることによって、自衛隊の行動を抑制する」である。これらの理屈に対しての私が持つ印象は、憲法軽視である。違憲とはそんなに軽いのかと思う。違憲論は、現実との狭間で既に論理破綻をきたしている」p241

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著者プロフィール

1954年、北海道生まれ。防衛大学校機械工学科卒業後、海上自衛隊に入隊。護衛艦隊司令官、自衛艦隊司令官、海上幕僚長を経て、第5代統合幕僚長に就任。安倍晋三元総理からの信頼が厚く、3度の定年延長を経て、在任は異例の4年半にわたった。2019年4月に退官。著書に『統合幕僚長 我がリーダーの心得』(ワック)等がある。

「2023年 『日本の「平和」と憲法改正』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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