「南京大虐殺」のまぼろし (WAC BUNKO 46)

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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898315460

感想・レビュー・書評

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  • 最早真相が明かされることはないだろうが、中共が宣伝している「南京大虐殺」はデッチ上げというのが真っ当な解釈だろう。
    武装解除したとはいえ、自軍の十倍以上の捕虜を移送する途中で生じた暴動と混乱の中、結果として多数の捕虜が殺害された、という「南京事件」はあったと思う。

    事件の手がかりとなりえたかもしれない、昭和12年12月12日分のニューヨーク・タイムズがピンポイントで紛失している事実は、肯定派、否定派どちらに有利なのか。

    記事に「南京大虐殺」が報じられていたのなら、「これこそが証拠だ」として拡散されていたのではないか。勝手な想像だが、記事には何もなかったか、「日本軍、南京に無事入城」のような否定の証拠が掲載されていたのだと思う。

    いわゆる「証人」の話は、日付、場所、天候のような事実の裏取りができる部分はすべて誤りかあいまいで、おどろおどろしい虐殺の「方法」だけが妙に具体的で、日本人が被害者になった通州事件と非常に似通っている。
    もしかしたら「自分たちが加害者だった」からこそ具体的に殺害の方法を「証言」できるのではないか?

    はるかに凄惨な戦闘があった上海では虐殺事件は報じられておらず、昭和11年、13年には事件がなく、証拠とされる写真にはなぜか海軍の軍服を着た人物が写っており、不自然な点は枚挙にいとまがない。

    増派による兵隊の規律低下、上海の支那軍による「だまし討ち」への報復感情、首都南京陥落という最終決戦的な気分の高揚、急速すぎた進軍による敵味方の混在、暗夜の混乱、食料不足に加えての大量の捕虜...「何か」が起きたことは十分想像できるが、数万人の非戦闘員を組織的に殺害するような余裕?があったとは思えない。

    自身の潔白を確信しながらも、日中国交回復のために捨て石となって冤罪の死刑判決を受け入れた向井少尉には涙を禁じ得ない。

    ロクな調査もせず、中共の手先となってプロパガンダに加担した本多勝一こそ死刑にならなければならない。

    朝日新聞、毎日新聞もジャーナリズムを語る資格はなく、懲罰的損害賠償請求による解体がふさわしい。

  •  真相はいったい、どうだったのか。東京裁判で一方的に事実認定され、中国側が大げさに宣伝する「大虐殺」について、おそらく初めて、多くの当事者たちに詳細に取材を試みた労作。真実はこうだという結論に到達することはできず、かえって真実にたどりつくことの難しさを強調する結末となっているが、本書が、現在も続く論争の大きなきっかけを与えた意義は大きい。

  • (2006.12.12読了)(2006.09.27購入)
    第4回(1973年) 大宅壮一ノンフィクション賞受賞
    何かについて知りたければ、そのことについて書かれた本を三冊読め!と立花隆さんが言ってたように記憶しているのですがどうだったでしょうか。
    南京事件については、以下の三冊を読んだので、終わりにしたかったのですが。
    「南京への道」本多勝一著、朝日新聞社、1987.01.20
    「南京の真実」ジョン・ラーベ著,平野卿子訳、講談社、1997.10.09
    「南京事件」笠原十九司著、岩波新書、1997.11.20

    朝日・岩波の本だけでは、という声が聞こえてきましたので、サンケイ・文春方面のまぼろし派も読んでみることにしました。
    丁度、まぼろし派の先駆け、『「南京大虐殺」のまぼろし』が復刊していましたので、購入して読んでみました。もともとは、文芸春秋社から出ていたものです。
    読んでみて、南京で、30万人殺害されたとか、虐殺の代表的なやり方が百人切り競争であったという形での、中国側の主張、東京裁判の主張、等は、「まぼろし」といえるのかもしれないと思いました。
    ただ、関係者が死亡しているとか、著者にしゃべっていることが、真相を述べているようには思えないところもあります。
    百人切りの記事を書いた人(毎日新聞の光本氏)は、既に死亡しているという。

    ●南京大虐殺のまぼろし(32頁)
    日本の南京占領に於て、捕虜、良民の虐殺や、強姦、放火などが全くなかったというのではなく、東京裁判や最近の雑誌、新聞などが伝えているような43万人の歴史的な大虐殺という事実の存在についてある種の疑いを持った。
    ●百人切り競争の二人は中国側に処刑された(62頁)
    二人は戦後、国民党蒋介石政権に逮捕され、南京で裁判にかけられました。そして、南京郊外で死刑に処せられています。35年前の新聞記事によって、25年前に「二人の少尉」が銃殺になったのである。
    ●向井少尉の上申書(64頁)
    向井少尉の未亡人が保存していた上申書によると、新聞記事にある時期には、戦闘中の怪我のため、現場にはいなかったということです。記事は、新聞記者が創作したものと思われる。
    ●南京事件の裁判官の話(119頁)
    「向井少尉たち三人については、日本人の書いた本に記載されていたもので、この本にある写真はお前か、と聞いた時、彼は犯罪事実を容認した。証拠の刀もあった。この百人切り事件は南京事件の代表的なもので、南京事件によって処罰されたのは、谷中将とこの三人しかいない。南京事件は大きな事件であり、彼らを処罰することによって、この事件を皆に分かってもらおうという意図はあった。」
    ●ダーディン記者の報告(203頁)
    「日本軍の発表によれば、南京掃蕩の最初の三日間で中国兵一万五千人を検束したといっているが、なお二万五千人が市内に潜伏していると主張した。この数字には誇張があるかもしれないが、結局は約二万人の中国軍人が日本軍に処刑されたと見られている。」
    ●南京市(228頁)
    蒋介石政権が南京に居を構えたのは、「南京事件」が発生した1937年からちょうど10年前の1927年のことである。南京市の人口は、1933年の調査で133,495戸、681,855人と報告されている。6年前は、30万人足らずと推定されていた街である。

    著者 鈴木明
    1929年 東京生まれ
    立教大学卒業
    1955年より東京放送(TBS)に勤務
    1973年 『「南京大虐殺」のまぼろし』で第4回大宅壮一ノンフィクション賞受賞
    2003年 死去
    (2007年3月18日・記)

  • 南京大虐殺の疑問点に着目した筆者。
    「30万人大虐殺」、「百人斬り競争」は嘘であったとの結論。

    事件当時の新聞社の特派員、実際に戦場で戦った兵士達の
    話を自ら集めた作者。
    入門的な本。

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著者プロフィール

1953年東京都生まれ。1975年、武蔵野美術大学大学院造形研究科デザイン専攻修了。建築雑誌編集部勤務を経て、1978年、建築・都市ワークショップ設立共同主宰、神戸芸術工科大学教授(2000〜2013)、武蔵野美術大学造形学部建築学科教授(2014〜2023)。博士(工学、東京理科大学、2022)。

〈主な業績〉
「くまもとアートポリス」コミッショナー事務局運営(八束はじめディレクター・建築都市ワークショップ、1992〜2004)、「国際花と緑の博覧会・大阪フォリー」建築家コーディネーション事務局運営(1990)、「せんだいメディアテーク」プロジェクト検討委員会委員・プロジェクトチーム、バリアフリー環境デザイン(1996〜2001)
〈主な著作〉
『ビデオ ル・コルビュジエ』、『ビデオ シャルロット・ペリアン』J・バルサック監督作品、日本語版制作。翻訳監修・多木浩二。制作、建築・都市ワークショップ、1998年。テレスコープ/TELESCOPE誌、編集、建築・都市ワークショップ、1987〜1995年。『4+1/2: The Internal Landscapes of Tokyo』「Today's JAPAN展」 建築展カタログ、編著、Harbour front Centre, トロント、カナダ、1995年。Do Android Crows Fly Over the Skies of An Electronic Tokyo? Architectural Association Publications ロンドン、英国、2000年。『インタラクション・デザイン・ノート』神戸芸術工科大学大学院、2003年。Archilab-Japan 2006 Nested in the City、編著、HYX刊、オルレアン、フランス、2003年。『建築教室の教科書 子どもとあそぶ家づくり』建築・都市ワークショップ刊、2007年。『つくる図書館をつくる─伊東豊雄と多摩美術大学の実験』編著、鹿島出版会刊、2007年。
〈主な論文〉
「ル・コルビュジエのモデュロールに描かれた身体図像に関する研究(その1〜その2)」日本建築学会計画系論文集。東京理科大学学位論文「ル・コルビュジエのモデュロールに描かれた身体図像に関する研究」2022年。

「2024年 『ル・コルビュジエの身体図像』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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