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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784898317723
作品紹介・あらすじ
学生時代、数学が苦手だったという方も多いだろう。しかし、「数学の論理」と「数学のオペレーション(計算などの操作)」はまったく別物だ。人間の能力としても、まるで別の分野に属するものである。因数分解や幾何の補助線の引き方など、数学の能力とは関係がない。数学の基本になる発想はまことにおもしろく、かつ有益なものなのである。数学の論理は単純明快。「論理的発想」を身につければ仕事も人生もうまくいく!
感想・レビュー・書評
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日本社会に論理が欠落している指摘、納得。実社会に論理を当てはめるとこんなにも理解が深まるのかと感動。論理学を学ぼうと思った。まず野矢茂樹さんの入門!論理学を再読して、理解を深めようと思う。
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数式はほとんど出てこない。数学的考え方=論理として、数学や世の中の事象を引用しながら基礎的な概念を説明している。
論理パラドクスの本を読んでいて、本の解説ではイマイチ理解できなかったポイントがこの本を読んでよく理解できた。
また、ご本人が政治・経済学者であるため、政治・経済学や社会学と数学との関係性がわかりやすく説明されており、私のような数学的考え方に弱い政治経済学部生にぜひ読んでいただきたい一冊。
日本社会が非論理的である、規範がないという点がどのような結果を生んでいるかに関する言及や、日本社会がどれだけ曖昧さに満ちているかが紹介されている。例えば・・・
・論理ではなく自己都合を持ち込む日本の外交により、国家間同士の信用を失っている
・規範を守らないというのは恥ずかしいことだ、という認識が規範自体がないために存在しない(そのため、日本人以外からすると何をするかわからないという薄気味悪さがある)
・日本の警察や検事は本来裁判所の権利を一部持っており、司法権が実質二分
・所有権(抽象的、絶対的、直和性)の概念が曖昧
・敵味方が明確でないため利益相反が発生している
など・・・
国の成り立ちの過程が現在の社会規範や国家統治に影響を与えていることを考えると、日本のような”ハラゲイ”、”玉虫色”の解釈を良しとするおもんばかりが重視される国との外交やビジネスは相手国にとっては非常にやりづらい政治的後進国だろうと感じた。
一つ気になることがあるとすれば、具体例や説明にセクシャルな引用が多いのでその点女性は不快に感じる可能性があるかもしれません、、 -
「数字を使わない数学」というタイトルに惹かれたが、主に論理とそれに伴う歴史紹介。そりゃ数字使う必要無いよね。
具体例が実感できるため、分かりやすい。とはいえ、ちょいと日本のことばかり下げ過ぎじゃないか?と思った。
他国はこんなにも論理的だ。対して日本はこんなに非論理的だという論調がずーっと続く。
そんなにも海外と差があるんだろうか? -
数学を勉強しようとしても、公式ばかりでつまらない。本書では一切公式などを出てきません。そのため具体的に勉強した数学の内容がある場合には向きません。しかし、数学が日常社会でどのように使われているかを勉強するには非常に良書といえます。言い回しは独特ですが例えは、非常にわかりやすく飽きのこない本です。また、日本の考え方と諸外国との考え方の違いが明確に分かります。数学的考え方をしていかないと海外で仕事ができないと感じました。今後は数学的論理を勉強していこうと思います。
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やや過激発言もあるし一意見に過ぎないところもあると思う。作者が数学のみならず、人文科学まで幅広い見識を持っているホンモノだということはわかった。
科学を勉強しますっていう時に、自分の生活にどう関わっていて、そこからどう考えていくのか教えられれれば、公式の暗記とは違って楽しいだろう。そうやって教えたいなと思わされた。 -
数学というより、「数学的思考(ロジカル・シンキング)」の本だと思った方が良い。
数式は全く出てこない。
けど、小室先生は数学ができないわけではない。むしろ専門家だ。しかし、数学を修めた後に経済学などの社会科学に進んだことで、社会科学系の学者があまりに「数学の論理」を知らないことに憤りを感じて、この本を書いたのかな?と感じた。
そして、それはそのまま日本人が「数学の論理」を知らないことに繋がる。
「数学の論理」とは、「正・逆・裏・対偶」や、「必要条件」「十分条件」「背理法」などの論理学、そして、RCTなどの実証実験で使われる「科学的方法論」のことだと思う。これは、大学受験で問われる数式を解く「数学のオペレーション」とは全く異なる能力、と本書でも語られている。たしかにその通り。
この本でも何度も語れているが、日本人は本当にこの「数学の論理」が弱い。すぐに感情論や人情論になってしまう。
そのことを改めて認識する良いキッカケになった。
宗教含め、様々な分野に話が横断しているのは、さすが小室先生。おそらく、数学や物理学など特に理系の特定分野に埋没してる人が「数学」という言葉に釣られてこの本を手にとったとしたら、低い評価を与えるだろう。しかし、そういった人は、なぜ物理や数学を修めた著者が社会科学へ進んだのか、その意味を考えてみた方が良い。
数学はどこでも応用できる。
理系学問だけが使うツールではない。経済学や心理学など、社会科学でも華々しい業績を上げている。
そして、人生に役立つ知恵を与えてくれるツールでもある。
この本で小室先生が伝えたいメッセージは、そういうことなんだろうと思う。 -
タイトルに興味をそそられ、旅先で買ってしまいました。
これまで同じようなタイトルの本はあったかもしれないが、社会、人文の世界を数学の数少ない理論をもって考えるところは、なるほど、これまでになかったと思う。
一般社会の常識を突き破る存在問題は、なければ科学が進まなかった、宗教や民族性を論理学でとらえ直すなど、多岐に渡る示唆が、脳みその刺激になりました。特に、日本人の曖昧性や腹芸、全てを語らず理解させる民族性を、タイトルとは関係なしに皮肉るところは面白かった。 -
『知の巨人』小室直樹先生のご託宣は、難解すぎて小生には理解不能です!
著者プロフィール
小室直樹の作品





