原発は、明るい未来の道筋をつくる! 原発興国小論 (WACテーマBOOK)

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  • ワック
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  • Amazon.co.jp ・本 (84ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898319048

感想・レビュー・書評

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  • 伊藤功推薦

  •  今の時代原発問題にはいろいろと尾ひれがつき、どちらにしても正しい情報は伝えられていないと思う。その中でも多くの本は自らの主張がすべて正しいと書かれている。そして読み手は自分の都合の良い情報を鵜呑みにし考えることを放棄している状態だ。

     その中いかにこの問題を解決していくかもまた読み手である我々の心にかかっている。
     
     どちらの意見を尊重するにしても安易な乗っかりはやめ自分の頭で考える努力をしてもらいたいものだ。

     ちなみに今の自分の立場は消極的原発推進派である。

  • タイトルおかしいな 本田健がすすめてる人だが

  • エネルギー問題について語るのかと思えば、低線量放射線がいかに体に良いかの、調査とやらと自分の見聞きの混ざった列記がほとんどで肩透かしを食う。
    とはいえ、この本の問題はそこではない。原発の問題でも放射線の問題でも、エネルギー問題でもない。
    結局のところ、自分の思想にあわない人を貶す本なのだ。もっと説得力のあることが書かれていると思ったのに。読まなければよかった。

  • 一〜八章は、低線量の放射線被曝について、資料を示しながらわかりやすく解説されている。
    九〜十一章では、著者が菅元首相を嫌ってることがとりあえずわかった笑
    80頁ほどしかない新書なので、一時間程度でさっと読める。

    紹介されている論文などを読みたい。

  • 今年(2012)5月5日の北海道泊原子力発電所3号機の停止をもって日本国内の全原発の稼働が停止になりました。昨年の原発事故からまだ1年余りしか経過していない中で、原発推進の本を書くのは勇気がいるとは思いますが、私が尊敬する渡部氏がこの本を書いています。

    私は現時点では原発推進には慎重であるべきと思いますが、土壌汚染や放射能の影響について議論する場合、唯一の被爆国である我々が活用できる「広島と長崎のデータ」が出てこないのは不思議と思っていました。

    渡部氏はこの点について触れられており、私にとってはこの点が最も興味を持った点でした。被爆された地域で極端に寿命が短かったり、奇形児が生まれていないという事実はしっかりと把握すべきであると思います。

    今後とも、広島や長崎の実際のデータを用いて、放射能の我々に与える影響を解説した本に巡り合いたいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・広島の爆心地から4.5キロ程度の場所にいた人(渡部氏の同窓会に参加した人)は、2011年現在で80歳を越しているが元気にしていた(p8)

    ・チェルノブイリ事故では、急性放射線障害を受けた人たち30人程度が急死したが、その後の長期にわたる調査では、甲状腺がんの死者が数十人、白血病が一人である(p11)

    ・今回の福島原発では、地震が来る前の予震波をとらえて自動停止したので、核分裂連鎖反応は停止、原子炉の暴走はなかったので、急性放射線障害となった職員はいない、その原因で死亡した人もいない(p12)

    ・NASAアポロ計画でのデータによると、年間百ミリシーベルト(10万マイクロシーベルト)の放射線は一番体に良いというデータ(無害ではなく良い)が示されている(p15)

    ・イギリスの原子力施設で働く人は、非原子力関係の労働者に比べて、癌や白血病の発生が少なかったが、ICRP(国際放射線防護委員会)はそのデータは見ようとしない(p16)

    ・ラジウム温泉、ラドン温泉はいずれも放射線温泉で、通常環境の200倍くらいの放射線量があるが、鳥取県三朝温泉地区のがん死亡率は、半分以下、大腸がんは5分の1以下(p17)

    ・東京大空襲で亡くなった人(十万人)は、広島と長崎の原爆で亡くなった人よりも多く、大火は恐ろしい(p20)

    ・コレステロール神話(卵を食べるとコレステロール値が上がる)の起源は明治41年頃に、「卵を食べさせられたウサギ」である、ウサギは草食性動物で、卵も牛乳も飲まないので、それらを食べてコレステロール値が上昇した、鶏卵業者が毎日10個の卵を食べてみたがコレステロール値に有意の上昇はなかった、これは国立栄養研究所でも確認された(p24)

    ・放射線を浴びると遺伝子に影響を及ぼして奇形児が生まれるというのは、1927年にショウジョウバエを使った結果で導かれた、ところがそのハエはDNAに修復酵素を欠く動物であり、実験に使う動物としては不適であった、人体にはDNAの損傷を修復する酵素があり無事に生きていられる(p30)

    ・広島長崎での調査によると、毎時50ミリシーベルト(5万マイクロシーベルト)以上の被爆をした人は、その被爆量に比例して癌の発生率が増加しているが、20ミリシーベルト以下では発生率の増加は見られず、むしろ下がっているという結果(p38)

    ・2001年国際学会において、毎時10ミリシーベルト以下なら、どんなに細胞に傷がついても完全に修復されると発表された(p40)

    ・広島長崎では原子爆弾がさく裂したのであり、土壌が受けた放射線の量も巨大であったが、除染は行わなかった、それでも住民の健康調査では特に問題になっちない(p42)

    ・台北で1982年に建てられたマンションは一部放射性コバルトに汚染されていることがわかった、その住民のがん死亡率は平均の50分の1という信じられないような低い値であった(p45)

    ・原子炉の核分裂連鎖反応を自動的に停止させるのは、地震国・日本の独自の技術であり、福島第一でも震源地にもっと近かった女川でも暴走はなかった(p49)

    ・太陽発電パネルで山手線の内側の2倍の広さのところを埋めても、発電量は浜岡原発1基分程度、しかも不安定である(p54)

    ・白人国家以外ではじめて産業革命を成功させることが日本でできたのは、石炭が日本にあり、その新しい利用法を先進国に学んだため(p67)

    2012年5月19日作成

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著者プロフィール

上智大学名誉教授。英語学、言語学専攻。1930年、山形県鶴岡市生まれ。1955年、上智大学大学院修士課程修了後、ドイツ・ミュンスター大学、イギリス・オックスフォード大学へ留学。ミュンスター大学における学位論文「英文法史」で発生期の英文法に関する研究を発表。ミュンスター大学より、1958年に哲学博士号(Dr.Phil.)、1994年に名誉哲学博士号(Dr.Phil.h.c.)を授与される。文明、歴史批評の分野でも幅広い活動を行ない、ベストセラーとなった『知的生活の技術』をはじめ、『日本そして日本人』『日本史から見た日本人』『アメリカ史の真実(監修)』など多数の著作、監修がある。2017年4月、逝去。

「2022年 『60歳からの人生を楽しむ技術〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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