- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784899821960
作品紹介・あらすじ
沖縄には、さまざまな怪が潜んでいる……。
体験者から蒐集した、心に響く怪談百話。
沖縄の、沖縄による、沖縄のための、百物語。
感想・レビュー・書評
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沖縄の怪談。比較的日常的にユタやキジムナーが出てくるので興味深かった。あとやはり沖縄の物語は戦争とは切り離せない。
ハートウォーミングな話に登場した飼い猫の名前が何の説明もなく「バーサーカー」なのが気になって仕方ない。そのまま狂戦士の意味で良いのだろうか。それともうちなーぐちにあるのかな別のバーサーカーが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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沖縄行くといつも体調悪くなるし
仕事以外では全く行きたくないけど、
独特の風土が生む不思議な話は
なかなか楽しく読めた。
キジムナーの話やオバアの話は
ほのぼのした。
戦争の爪痕は辛いね… -
闇の中から浮かび上がるのは恐ろしいものだけではない。言えなかった「さよなら」や、言ってほしかった「見守ってるよ」が会いたい人の声でやってくる。背筋がすうっとするような怪異の中に混じる懐かしい人の横顔は、怪談ではなく奇跡と呼ぶべきなのかも。怖くて切なくて救われる、琉球の深い夜へようこそ。
(ドゥンヤザード・S) -
本の帯のコピーに、「沖縄の、沖縄による、沖縄のための、百物語」とあるが、まさに、沖縄一色の土俗性の強い怪談集である。
個人的には、杉浦日向子の百物語のような、なんてことない、だからこそグッとくる小噺が多くて好感を持った。無理矢理オチを作った感じがなく、筆者が聞き集めたことを、できる限り忠実に文字に残そうとした趣がある。だから、ゾッとする話もあればキョトンとする話もあるし、ほっこりする話もある。そして、それらの舞台が「沖縄」に限定されていることで、沖縄の空気感が全体を包み込み、あの土地の風や空や街を感じさせてくれる。
怪異とノスタルジー。怖さとせつなさと優しさ。分かるものと、分からないもの。それらのごちゃ混ぜ感が、ある意味、「リアル」だ。派手で創作性の強い怪談集を求めている方にはオススメしないが、沖縄の空気に触れ、あの風土に根付く日常的な怪異を垣間見たい方には心地よい一冊。続編も読みたい。 -
沖縄。
そこに対する思いは人それぞれ。ある人にとってはただの観光地。別の人にとっては戦争を知る場。他にも米軍やら芸能やらあるけれど、この本は、そんな「沖縄」に纏わる怪談のみを集めた怪談集である。
死霊・生霊に関する正統的な怪談から、戦争や米軍人が関係する話や、キジムナーや小さいおじさんが登場する話など、沖縄本島・離島、沖縄出身・在住に限定されていながら非常にバラエティに富んでいる。
また、色々なムヌシリ/ユタの話も載っていて、表に出ない沖縄文化の一端を知ることができる。
旅行や仕事で沖縄に行く人に、ぜひガイドブックとでセットで読んで欲しい一冊だ。 -
見えない物を見る人や感じる人、または感じていた人を、こちらでは「サーダカァー(生まれが高い)」と言い、その力を持つ人達の中から修行を積み重ねた人が「ユタ」として存在しています。現在でも普段の生活に密着して存在していて、その人数はとても多いです。
この本は、そんなユタ体質(見たり感じたする人の事をこちらではそう言います)の方に限らず、不思議な体験をしたごく普通の感性の方々のお話もありました。その中には、沖縄戦に関連した話も当然ながら入っています。
どの話も聞いた事があるような気がします。読んでいても「怖い!!」とは全く思わず、懐かしさを感じさせてくれました。
沖縄の風習・風土に興味のある方には、是非お勧めしたい。
大丈夫、怖くないですよ……たぶん…。 -
新耳袋が好きで、実録短編の怪談を探していたら目に入ったもの
沖縄にポイントを当てている点が新しいと思う(しかも100話!)
38話の「ふすま」は新耳袋でも類似した話がありましたね
年代や背景、事象から語り主は同一の方なのかもしれないし。
違ったとしても何かしら繋がりがあって興味深い。
※あちらは食事を取っていたのではなく、朝のお勤めでしたが。
話をすっきりまとめるために物事の前後に因果関係を持たせて
霊の正体や存在理由を確定させている点が目に入ります。
新耳袋と比較するのもなんですが、そこら辺がやや冷めてしまう点でした