- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784899980520
感想・レビュー・書評
-
アマゾンでも言われているが、翻訳した人が一切書かれていない。訳者あとがきが堂々とした文章で載っているし、本人にも会っているし、載せるべきではないのか。翻訳の文章もうまいとおもう。単なる思い付きのような企画ではなく、訳者がずっとアメリカのこういった文化や問題を研究してきていて、その末にたどり着いた事業のような感じがする。
主人公はストリートを生きる賢き黒人女性、カルメン。ストリートにおける、ドラッグビジネスのあり方と、女性に対する態度、男性セフレのあり方、ゲームから降りられない苦しみが書かれていて、誰も信じてはいけない麻薬ビジネスが映画のようにみえてくる。麻薬組織の親玉は、カルメンと同じ境遇であり、ゲームを下りないで成功し続けると人間ではなくなることが示されているし、自伝小説らしいが、売春メンバーらのキャラクターの豊かさといい、信じられないくらい様々な人間像が出てくる。そして、男性に対するセクシーであると言うところの褒め方が新鮮だった。最後の部分では、セフレとか夫婦間とかでも書かれなかった濃厚な性行為場面が書かれるが、エロいともなんともなく、簡単に契約関係で書かれるセフレ黒人男性の存在のほうがエロい。また、セフレ黒人とは、元夫や、新しい夫となるべきイケメンと会う前に一発ヤッたりしていて、完全に割り切っているのも面白かった。
ストリートバイブルは、ストリートがかっこよくもなんともなく、男は服と女ばかりであり臆病で不誠実であり、ろくでもないことを描き切ったことによって完成していた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ビジネスの拡大」があまりに順調で。
-
1990年代後半から2000年代前半に作られていたDMX主演の映画ぽい小説。そういう映画になれば面白いでしょうね。