- Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
- / ISBN・EAN: 9784900387751
感想・レビュー・書評
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突然ですが会田誠氏にハマってます。
「覗きの欲望の底にあるものは性ではない」
「それはむしろ、素晴らしい本を一冊読み終えた時の、脳味噌から流れ出る痺れるような快感に近い。」
「学術とか芸術なんてものの動機には最初から不健康な変態性があって、長らく一般大衆の健康と対立してきたというのが僕の見方だ。」
結構共感します。主人公である会田君の主張になってますが、この人の描くアートもこれに則って描かれているのでは?と思う。
「青春と変態」、題名通りの高校生の甘酸っぱい青春と清く正しく(?)美しい変態行為がバランスよくブレンドされています。これ一作しか小説は描いていないのかな?勿体ない!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
男の子ってこんなこと考えてるんだな。と。男は女が大好きってのはよくわかった。ここまで書いてくれたら、女で生まれて良かったと思える。
変態と書かれてるけれど、そこまで変態でもないかと。みんなも少しは変態なところあると思うし。それを濃縮して馬鹿正直にわかりやすく書いたような。清々しいくらい。
女はここまであっさり欲についてかけないだろうなー。2013.1 -
皆が評するように、文章がうまいのである
本職ではないはずなのに、読んでいて、違和感なくイメージがひろがる
そして、エロい、パーソナルなエロスに淀みなく迷いなく忠実
それゆえに信頼できる作家である -
現代美術家の会田誠が一冊だけ出した小説。
表紙の画像が出てないのがすごく残念。清々しいぐらいハレンチなのに。
言葉で説明すると、会田氏の絵で、黄色い背景にツインテールのセーラー服姿の少女。下着が下げられた丸見えの下半身にはなぜか男性器が!
この表紙の本を電車で堂々と読んでたわたしもわたしだな。
あー恥ずかしい。嫁に行けない。
高校生の「会田くん」が書いた日記形式の小説。
会田くんはこともあろうに、女子トイレで放尿シーンを覗くのが趣味という変態野郎。
スキー部の合宿に参加中の会田くんは覗きをするかたわら、湯元さんという女の子に恋をする。
でも湯元さんには・・・
青春の哀しさ、といおうか、変態の切なさ、といおうかそういうものを感じた。
変態が変態であるが所以、そのいたたまれなさ。
そういうものは変態にしか分んないんだろうな。
奇書なのに、こんなに切ないのはなんでだろう???
━それは「覗き」とはある極端な人間観のことだ、ということだ。中間をすっ飛ばして、両極の間を目まぐるしく往復する高速運動のことなのだ。つまり人間を人間として当たり前に見るのではなく、ある時は虫ケラと見、ある時は神様と見るのだ。虫ケラと見る時僕は神様になっており、神様と見る時僕は虫ケラとなっている。完全優位な視点と、完全劣位な視点。・・・・
━きっと僕は誰よりも過敏な「痛がり屋さん」なのだ。だからいつでも鎮痛剤を持ち歩いていた。それがトイレ覗きという「変態」なんだと思う。最低の人間、最大限のネガティブを目指すことは、僕にいつでも甘い安らぎを与えてくれた。それはきっと「女の子にモテない」という低俗な悩み、その鈍痛を和らげるものだったのだろう。 -
わたしも男子になって覗きとかしたい
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素晴らしくも爽やかな青春小説!
この年頃の時期、決して変態ではなく正常な意識なのではないか。 -
好きな女子の放尿シーンを覗かんとする男子の話と思いきや、正しい青春小説だと思います。
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さわやかな変態小説の稀に見る成功例。