人生に座標軸を持て: 自分の価値は自分で決める (ウェッジ選書 1)

著者 :
  • ウェッジ
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784900594296

感想・レビュー・書評

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  • フォトリーディング&高速リーディング。
    熟読を交えて読了。

    三枝成彰の本を読んで面白かったので、図書館で検索して借りてきた。その他の著者(松井孝則-科学者&葛西敬之-経営者)については本書で初めて知る。それぞれ面白かったが、やはり三枝成彰の視点が面白い。松井氏、葛西氏の箇所にはそれほど付箋は貼れなかった。面白かったがちょっと、失礼ながら、レベルが違うといった感じ。現実的すぎるというか、抽象度が低いというか、とにかくちょっと違いがはっきりし過ぎた。

    三人の鼎談箇所も、三枝さんのところになると格段に面白くなる。他の二人はお互いに会話もするが、三枝さんはひょっとしたら浮いていたのかも知れないと思えるほど、鼎談箇所では言葉が少ない。

    星は四つ。

    下記に付箋を貼った個所の要約を載せる。

    62:学者の世界はサーフィンに似たるところがある。いったん波に乗れば、先駆者として進み続けられる。先に波に乗る分野の先駆者はそうやって注目を浴び続ける。

    70-71:バロックは当時の音楽の世界では、今でいうところのロックが突然出てきた感覚。いびつな音楽として、下品だと思われていた。それ以前はあまり抑揚もなく、感情的な表現もない。バロックはそれをこわした。

    89:日本人は音楽を情で聞く。日本人がラフマニノフやチャイコフスキーが好きなのはそれが理由。ヨーロッパ人にはそれがないので、彼らは避けられる。欧州人は音楽を論理的に聞く。

    91-94:ドイツ人は拳銃で頭を打ち抜き、イタリア人は心臓を指す。日本人は腹を切る。大切な体の部位は死の形で分かるし違う。
    ドイツ語圏でクラッシックを聞きに行くと、誰も微動だにせずに聞いている。体を動かすと「シー」と言われる。
    オペラは女(情)、シンフォニーは男(理論)
    西洋音楽は言葉によって成立しておらず、器楽曲で成立している。これはむしろ世界の1%の稀な世界。

    133:西洋音楽は楽譜による再現性がある。日本では家元制で、誰もが教えてもらえない。だから著作権意識も日本の方が低い。(そもそも家元から伝わる情報だから、誰でもに伝えない。)

    135-136:万葉集は日本全国のあらゆる階層の人の歌。それらからわかることは、当時の交通の便と安全。そして情報のやり取りがなされていたという事。政治権力は地方で分断されていたが、文化的にはかなり昔から統一されていた。


    138-138:西洋人にはカラオケは当初はやらなかった。なぜなら音楽の再現性は楽譜によって担保されていたから。日本の音楽は、楽譜ではなく人の声によって変えていた。カラオケのように勝手にキーを変えるのは日本的な発想。西洋では反感があった。

    146:森有礼という初代文部大臣は、日本語を英語に代えようとした。反対勢力により殺された。

    189:伊達政宗の「貞山公遺訓」には、人間というものはこの世ではお客、だからお客として他人の家に泊まったつもりで、文句を言わないこと、というようなことが書いてある。質素倹約をし、死ぬ間際にはありがとうございましたと言って死ぬ。

    195:作曲という好きなことをさせてもらって生きていく私(三枝)は、他人の金で生きている。だから贅沢はしてはいけないと肝に銘じている。

  • 科学者の松井孝典、作曲家の三枝成彰、JR東海会長の葛西敬之氏が、それぞれ自分のこれまでの人生や成し遂げたこと、またいくつかのテーマでディスカッションをしている本である。中身で書かれていることはかなり面白い。それぞれ違う世界で大きなことを成し遂げた人たちなので、その人たちがどういう思考をしているのかは、読んでいて参考になる。しかし本書の題名の「人生に座標軸を持て。自分の価値は自分で決める」というのは本書の総括とはとても思えない。もっと大きなテーマについて語っていて、座標軸の議論はその一部でしょうと言いたい。100歩譲ってこれが主題だとしても、3者3様で「座標軸」の定義が違っている。私は会社員として葛西さんの話していることが一番理解できたが、もしかしたら読者によって誰の人生観が一番理解できるかはかなり違うのかもしれない。題名は忘れて、純粋に読み物としたほうがいいんじゃないでしょうか。

  • メンデルスゾーン
    人心収攬術

    チャイコフスキー、ショパン
    半音と増音程

    一打
    ビゼー:カルメン
    レオンカヴァッロ:道化師
    マスカーニ:カヴァレリア・ルスティカーナ
    ウェーバー:魔法の射手
    連打
    ブラームス
    ドビュッシー

    ひもの長さ

  • 知人の紹介により、読んでみた。

    【要約・まとめ】
    生きていく中で、多くの判断・評価をしている。その際の評価軸を自分の中に持つべきである。そうすることによって、自己を調整・コントロールできるようになる。

    【抜粋】
    「会社に帰属心を強く預けると、人生は自分のものでなくなるから面白くない。会社へ入る場合はあらゆるものと間合いをとるということがすごく大事だと思う。・・・(中略)・・・会社の外に自分の視点、座標軸を置けば、会社はその座標軸の中の座標として評価できる。会社に座標軸を置くと、自分はその中で常に揺れ動く対象になって面白くない。・・・(後略)・・・」(p78)

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著者プロフィール

1946年静岡県生まれ。
1972年東京大学博士課程修了。
複雑理工学、地球惑星科学専攻。
現在、東京大学大学院教授。
著書 『宇宙人としての生き方』
『お父さんと行く地球大冒険』(以上岩波書店)
『惑星科学入門』(講談社)
『一万年目の「人間圏」』(ワック)
『地球・宇宙・そして人間』(徳間書店)
『宇宙誌』(徳間書店)など多数。
テレビ出演・雑誌等で活躍中。

「2005年 『「人間圏」の未来』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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