- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784900594722
作品紹介・あらすじ
森に生きる名人には、日本人が忘れかけた、ゆっくりと流れる時間とおだやかな笑顔がありました。人と人、人と自然、世代と世代。「つながり」をとり戻すためのヒントが、ここに!森の名人と高校生たちが紡ぐ、いのちの物語。
感想・レビュー・書評
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高校生の時にこんなことを感じ、考え、書いているというのは、
驚愕的であり、
自分の浅はかさ、愚かさをつくづく感じる。
森に生きた人は、すごい。
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近くをはかる者は
春植えて秋実る物をも尚遠しとして植えず
唯眼前の利に迷うてまかずして取り
植えずして刈り取る事のみ眼につく
(二宮尊徳)
古くから森は、日本人の生活に豊かな恵みを与えつづけてきました。穀物と野菜は田畑で創られますが、それ以外の衣食住にかかわるほとんどのもには、森が与えてくれました。
森の人々は、森の自然と人間を統べる偉大なる存在を「山の神様」と呼んで怖れ、あがめ、その恵みに感謝して暮らしてきました。森にはきびしい自然と向き合いながらも、山の神様に抱かれた、こころ安らかな幸福な暮らしがあります。
かつて日本には、ツトメとカセギという二つの労働のかたちがありました。
ツトメとは、集落の屋根の葺き替えや祭りなど、地域の共同体を永続的に維持するために必要な労働です。
人の話を正しく聞くためには、相手を敬い、おもいやり、謙虚に感謝をしていなければかなわないことです。相手のささやきや、かすかなしぐさ、表情の変化を、感じ取れる、【こころの受信機】の性能を磨くこともたいせつです
聞くことがじゅうぶんにできると、相手の本音に迫り、本心を語っていただく事ができます。聴くことによるおたがいの理解は、人と人とのあいだを丸くおだやかななものにします。聴くことは対話による物語の創造です。
聞くものにとっては、未知の人やものごとを知る機会です。相手が慈しんでいる暮らしや愛している仕事について聞き、理解することをとおして、新しい自分に出合い、みずからを養っていくことができます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本は読んでません。『森聞き』という映画をみました。
なんにでも言えることだけれど、「ここ」に生きてきた先輩方の暮らし、生き方、知恵、技術。そんなのたったの何十年でかき消せる。そんなものがなくてもまるで平気で生きていけるかのように。
平成21年の農業就業人口の約70%が60歳以上。あと数年後にはその7割ががくっといなくなるわけだから、いやほんとどうすんの。漁業もそんな状況、林業はもっともっと高齢化率は高い、ってゆーか林業はすでに崩壊してるといえるかもしれない。失われていく技術。これらって競争とか効率とかの土台にのせてく「産業」ってか「生活そのもの」だと思うんだけど。
とゆーことで、じぶん(たち)おとなは未来に何を繋ぎ、じぶん(たち)こどもは過去に何を学ぶべきなのか。もう遅いかもしれないけど明日よりは遅くはない。