神山健治の映画は撮ったことがない~映画を撮る方法・試論 (STUDIO VOICE BOOKS)

著者 :
  • INFASパブリケーションズ
4.00
  • (9)
  • (16)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 113
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784900785823

作品紹介・あらすじ

『功殻機動隊S.A.C.』シリーズの監督・神山健治が企画開発から仕上げにいたる映画作りの全工程を具体的に解き明かす。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この本の希少性は2点。

    1点めは、ここまで当事者が具体的に制作について語った映画論は少ないこと。
    現場の人間が語る映画論には、説教や回顧録が多くて、後進にとって役に立つ情報は少ない。それに対してこの本は、制作現場で監督(およびスタッフ)がどんな仕事をするのか(するべきか)、どう考えるのかが具体的に提示されている。参考資料として、過去の映画作品を参照しているのも、映画好きには楽しめる。

    2点めは、「企画」「制作」についての普遍的な話になっていること。
    ここで書かれている内容は、「映画制作に関して」「神山監督の場合」と二重の意味で限定された話なのだけれど、企画に関する考え方やそれを実現していくプロセスは、「企画を立てる」「ものを作る」ことに関わっている人すべてにとって何らかの形で参考になると思った(実際私は参考になった)。

    難点を上げるなら、誤字脱字の多さ。編集者にしっかりしてほしい、と思う。

  • 私にとってはカリスマ。
    どえらく頭のいい人です。
    押井監督の秘蔵っ子ですがもう少し分かりやすいかな。。

  • TVシリーズ版のアニメ、攻殻機動隊の監督でお馴染みの神山健治氏が本を書いていることを、ファンでありながら最近まで知らず、慌てて買った一冊。 高校時代から自身を振り返っており、巨匠・押井守監督との馴れ初めも知れる。前半は映画やアニメが好きならとても興味深いお話が続くが、後半になるとだんだん専門的な話になってきて、正直ついていけなくなってしまったので、その時点で読むのをやめてしまった。だがそこまで読んだだけでも神山氏のアニメに対する考え方はよく理解できる。
     特に印象深かったのは「良い企画書とは」というところ。駆け出しの頃、台本や構想を書きまくってはプロダクションに出しまくり、NGを受けまくっていた神山氏。やがて若き神山氏は、良い脚本はただ自分の熱意をぎゅうぎゅうに詰め込んだものではなく、「他人も乗りたくなるような乗り物」のようなものであると気づく。TVアニメはもちろん一人じゃ作れない。他人の協力がいる。そのためには企画書を読んで「お、この乗り物に乗ると楽しそうだな、よし、乗ってみよう」と思わせる必要がある、というわけだ。これにはなるほどとため息が出てしまった。

  • 言わずと知れた日本アニメーション界の新世代旗手・神山健治監督による映画論。

    本書では、実写映画にも共通する企画や脚本・演出・ポスプロなどの議論が中心に据えられている。そのため、アニメ特有の作画や絵コンテに関する議論はほとんど見受けられず、アニメーターの名前も出てこない。

    その代わりにヒッチコックやコッポラ、黒澤明などを引き合いにした演出の心得や妙義についての議論が展開され、執筆当時に神山監督が初めて経験した実写映画の制作とアニメーション制作の違いが述べられている。同じ内容を盛り込む場合でも、アニメよりも実写の方が時間尺が必要となるという発見は新鮮だった。

    もちろん映画論も楽しめたが、個人的には神山監督個人のバックグラウンドに触れられたことが一番の収穫だった。確かに日本でSFを撮ろうとしたらアニメが最良の選択になるのだろう。

  • 実写映画とアニメーション映画のいろいろな違いがよくわかる。映画とはなんぞやということへの神山監督の考え方がわかって面白い。

  • とても勉強になった。リアリティはあくまで『現実っぽい』であって『現実』ではないのに今更気付かされた。

  • TV版「攻殻機動隊」「精霊の守人」「東のエデン」なんかで有名なアニメ監督が自らの監督術を指南する本。
    映画を撮りたいのになかなか撮れないジレンマなども楽しく読めました。
    アニメ監督と言ってもかなり映画を観た方らしく、映画好きの私も、読んでいるとおおっおおおっとかなかなか触発されるものがありました。
    映画撮らないけどなんだか勉強になった。
    小説家とか脚本家志望の人にも勉強になるよーな気がします。
    そしてアニメの裏話なんかも読めてなかなか楽しい。
    しかし、ハタで面白くないとかあそこがイマイチだよなとか、言うのは簡単だけど、作ってる側は大変だねこりゃ。

  • 構造をつくる。三層にも四層にもして。
    TV1話21分。俯瞰可能。

  • アニメの世界ではかなりの著名人クリエイターで、その人が映画を作る上でどうするのがいいのかという部分を事細かに自分のアニメ監督としての経歴をひっさげて教えてくれる本。
    師匠・押井守さんとの対談や直伝の手法エピソードなどもあり、読みごたえはバツグン。

  • 港さんの映画批評とは異なり、映画制作者としての自身の創作論を展開した著書。
    建築は映像を積分したものではなく、全感覚的に知覚、認識するものであるが、氏が述べる「構造」というメタレベルの概念は現在の意匠設計に通じるものがあると感じた。
    また、彼の映画にかんする思いがにじみ出てくる文章は、何かをクリエイトする立場である人ならばそのストイックさに共感を覚えるのでは。

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1966年、埼玉県生まれ。アニメーション監督、脚本家。株式会社クラフター代表取締役 共同CEO。背景美術スタッフとしてキャリアを開始。2002年、『ミニパト』で監督デビュー。代表作に『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』シリーズ、『精霊の守り人』『東のエデン』などがある。2017年3月、初の劇場オリジナル作品『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』が公開。

「2017年 『映画は撮ったことがない ディレクターズ・カット版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

神山健治の作品

神山健治の映画は撮ったことがない~映画を撮る方法・試論 (STUDIO VOICE BOOKS)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×