90分でわかるキルケゴール

  • ネオテリック
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (117ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784900845671

作品紹介・あらすじ

どう生きるべきか。生き方をどう選ぶべきか。哲学が誕生して以来、人はこの問いの答えを求めてきた。抽象的な概念に逃げることなく人生の意味を考え抜き生涯自分と闘いつづけた哲人の不安、苦悩、絶望。

感想・レビュー・書評

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  • 福岡に旅行したときにふらっと寄った古本屋で購入した一冊。本か漫画で「不安は自由の眩暈だ」という言葉を聞いて、キルケゴールの名前を知り、何となくそこから気になっていたところ。個人的にはキルケゴールのベースとなる考え方とその背景・人生を知れた気になったので満足した。哲学の導入としてもいい読書したと思う。
    最近、仕事とかする中でも「自分で決める」ことにこだわっているので、何となく実存主義に同意できそうな気がしている。キルケゴールのキーワードとしての"不安"と"絶望"をもっと知りたい。「不安の概念」「死に至る病」から読んでみようかな。

    メモ、キーワード
    ・実存主義:existentialism、ニーチェ、ハイデカー、サルトル(実存は本質に先立つ)、
    ・本質主義:カテゴリーに性質を与える=日本人は勤勉である。フッサール、現象学
    ・デカルト:我考える。ゆえに、我あり(Cogito ergo sum:コギト・エルゴ・スム)
    ・キルケゴール=教会の庭
    ・ヘーゲルの弁証法:
     命題(テーゼ)+反対命題(アンチテーゼ)→総合命題(ジン・テーゼ)
     ・アウフヘーベン、止揚、対立し合う二物の関係を1つ上の次元へと引き揚げる
    ・不安:外的な対象または内的な経験から生まれる、「不安の概念」
    ・絶望:本当の自分になろうという意思が書けていること、「死に至る病」
    ・フロイトの精神分析
    ・ドイツ哲学(なぜ多い??)
    ・論理哲学論考、ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン、「問題はその本質において最終的に解決された」

  • 2018/8/4読了。

    「殺戮にいたる病」という我孫子武丸の小説の元ネタとしてキルケゴールの「死にいたる病」が使われており、そこから興味を持った。

    しかしながら哲学関連の本を読むのはこれが最初であり、なるべく簡単そうなものからと思い本書を選んだ。

    読んでいくうちに泥沼にハマってしまうのが哲学書のイメージだったが、客観的にキルケゴールの考えを書いており思っていたより分かりやすかった。

    導入書としてはちょうど良いレベルなのでは。

  • タイトル通り90分でおおよそのキルケゴールを理解できた。これは、一人の哲学者のライフヒストリーを追いながら、それを踏まえながら、キルケゴールの哲学的思想の変遷をきれいにまとめているためであると思う。

    「人間はどういきるべきか」
    「生きるということの意味とはなにか」

    誰でも青年期に覚えたこの考えを徹底的に終生考えつくした人である。
    キルケゴールは最終的に「信仰」という選択を選んだ。
    私には信仰という行動様式がないため、キルケゴールの思想をこのまま追うことはできないかもしれない。実存主義者として自らを標榜した無神論者のサルトルの思想に今後触れていくことがよいのかもしれない。

  • レジーナ、父親、単純に考えると幼い頃の虐待のような躾により人間関係を築けない大人になったキルケゴールが遺産を受け取ったので引きこもって妄想を書いていただけなのではないか、とも感じる。原書を読もう。

  • 実存主義の先駆者とよばれるキルケゴールの人生と思想の概要をかいつまんだもので、一度高校生時代に読んだものを読み返してみました。
    内的、主観的、実存的な真理を求めるキルケゴールの考えにとても共感を覚えました。

    やはり『90分』シリーズでいちばん為になるのは、巻末の哲学者自身の言葉でしょう。

    私も神とただひとり向き合う単独者でありたいと願うものです。

  • 思想ではなく、人物がわかる本。が、思想の背景に人物像が関係しているのは当然なので、まずはここから抑えておく必要がアリなのかと。

  • わかりやすいけど哲学は難解・・・でもすき。

  • 市内図書館にある、90分で分かる哲学者シリーズ最後の本だった。実存主義の概要、また、キルケゴールの生き様。その両方が描きこまれていた、90分シリーズの中でも密度の濃いものだったと思う。

  • 実存主義の祖、セーレン・オービュエー・キルケゴールの生涯と作品を綴った1冊。読みやすいし哲学への理解も深まります。キルケゴールは愛するが故にレギーネとの婚約を破棄し、後にレギーネは別の男性と結ばれてしまいます。しかしキルケゴールは諦めませんでした。彼は不可能な幻想にしがみつき、いつかレギーネと結ばれる。なんらかの形でレギーネと結ばれる日がやってくると夢見ていたのです。キルケお前もか!!!!わかるよ!すごくよくわかるよ!!!でもキルケゴールはその後レギーネと結ばれることはなかったのです…。現実は残酷ですね。その他名言集もあり、哲学の入門書としては言うことなし。


  • 90分で理解できるか?って言われたら自信無いけど、90分で読めることは間違いない。名前しか聞いたことないような人物について、初心者の私でも結構分かるぐらいに書かれてた。

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著者プロフィール

ロンドンに生まれる。ダブリンのトリニティ・カレッジで物理学・化学を学んだあと哲学に転向。作家としてのキャリアも長く、小説、歴史書、旅行記など数々の著作があり、サマーセット・モーム賞なども受賞している。数学、哲学、イタリア現代詩と様々な分野にわたって、大学で教鞭をとったこともある。「90分でわかる哲学者」シリーズはイギリスでベストセラーになり、多くの国で翻訳されている。哲学者シリーズの他に科学者や医学者を扱ったシリーズも刊行されている。

「2015年 『90分でわかるハイデガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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