- Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
- / ISBN・EAN: 9784900963184
感想・レビュー・書評
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江國香織さんが選び集めた数々の詩。
詩って、ものによっては長い小説よりも強いインパクトを持ちますね。私には難しい詩も入っていましたが、それぞれの持つ世界観に癒されたり圧倒されたりする本でした。 -
和洋さまざまな詩人たちの宝石のような作品を、江國さんが拾い集めたのだが、それらは日常に散りばめられた風景の一コマのような心地良さなのだ。中でも特に印象に残ったのは、恋する娘を見守る父の目線の「娘とアップルパイ」。おそらく訳ありの恋をしている娘。そしてそんな娘が、冬の朝にアップルパイを焼いている。その姿を見て父は、「いいではないか、娘が彼を愛するのなら」と自分に言い聞かせる。私は父の気持ちにも娘の気持ちにもなって、深い愛を感じるのだ。他には疲弊した恋を描いた「朝の食事」も強く印象に残った。
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「暗闇を恐れなくていい、と教えてくれたのは書物でした。」江國香織さんが選んだ、詩のアンソロジー。林芙美子の「女王様のおかえり」がお気に入り。
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江國香織さんの選んだ詩を,いろんなテーマに沿って何編かずつ集めたもの.ミルンの「窓辺で待っている」やロビンソンの「フラッドさんのパーティ」など江國さん自身が訳されたのが面白かった.
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お天気の日の海の沖では
子供が大勢遊んでゐるやうです
お天気の日の海をみてると
女が恋しくなつて来ます
女が恋しくなるともう浜辺に立つてはゐられません
女が恋しくなると人は日蔭に帰つて来ます
日蔭に帰つて来ると案外又つまらないものです
それで人はまた浜辺に出て行きます
それなのに人は大部分日蔭に暮します
何かしようと毎日々々
人は希望や企画に燃えます
さうして働いた幾年かの後に、
人は死んでゆくんですけれど、
死ぬ時思ひ出すことは、多分はお天気の日の海のことです
『お天気の日の海の沖では/中原中也』 -
レイモンド・カーヴァー、リチャード・ブローティガン、高橋睦郎など、江國香織さんが“無秩序”に選んだ詩集。季節感のある作品が多いように感じた。1人で静かに、どっぷり世界観に浸かりながら読みたい本。
表紙のデザインはまるで美術本。装丁もきれいです。 -
再読