ダーウィン『種の起源』を漫画で読む

制作 : マイケル・ケラー 
  • いそっぷ社
3.88
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本棚登録 : 164
感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784900963894

作品紹介・あらすじ

誰もが知る名著『種の起源』。本書はオールカラーでそのマンガ化に挑んだ作品である。特筆すべきは、ダーウィンの原文を忠実に引用しながら、原典に登場するハトやキリン、鳥、ミツバチなどの生物にまるで「図鑑」を見るような繊細なタッチのイラストをつけていること。それによって難解で読みにくいと言われる『種の起源』がエッセイを読むような味わいに成功している。



それに加え、原典の出版の前後に何が起きたのかを、ダーウィンと当時の科学者たちとの書簡を引用しながら解説。さらに『種の起源』の刊行をきっかけにして、その後、進化生物学がどのように発展してきたかを年表とマンガ形式で簡単にわかるような工夫も凝らしている。今に続く進化生物学の起点に『種の起源』が立っているからこそ、この本は現在にいたるまで世界に大きな影響を与え続けているのだとわかる仕組みだ。



監修に当たった佐倉統さんの解説文はこのように締められている。



 本編第2部の終わりに、『種の起源』の最後の一節を書き終えたダーウィンが、大きく伸びをして屋外に出て自然を満喫する場面がある。この一節は、人類がものした文章のうちでも最も美しいもののひとつだとぼくは思うのだが、このコマにはその雰囲気がとても良く、しかし控えめに描かれている。すばらしい絵だと思う。

「この生命観は壮大なものである。(中略)重力の普遍の法則に従ってこの惑星が回転している間に単純なものから始まり、極めて美しく素晴らしい生物が際限なく生まれ、進化してきたが、今もなおそれは続いているのである」

 そう、それは、ダーウィンが『種の起源』を出版してから161年経った今でも、そしてこれからも続いていく。そしてみなさんひとりひとりも、このプロセスの中の一員なのである。

感想・レビュー・書評

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  • チャールズ・ダーウィン著「種の起源」って歴史や生物の授業で聞いた事はあるけど読んだ事が無いという人が殆どだと思うのですが、この本は「種の起源」のエッセンスを漫画で読めますので、凄くお勧めです。絵についてはニコル・レージャー・フラーという方が描いているのですが、動植物の特徴を凄く上手に描写されています。

  • イラストがそれほどは綺麗でない。文字が小さいので、やはり日本人がイラストで描く方が分かりやすいような気がする。

  • 皆がイメージする「漫画で読む」ではないです。コマ割りなどのせいで、かえって読みにくいような気もする。

  • 「種の起源」が読みたくて、まずは理解しやすい漫画から…と思って読み始めた。
    いやー漫画なのにやっぱり専門的で難しい。
    途中で断念。

  • ふむ

  • 『種の起源』の要約も力業(ちからわざ)だけれど、『種の起源』刊行までの説明(30ページ)と、刊行後の進化生物学や遺伝学など、生命についての学問の発展の説明(20ページ)がすさまじくわかりやすい。驚異の書。
     ただこのイラストについて解説では映画のバットマン(どの?)を連想させると書いているけれども、これはどう見ても『フロム・ヘル』のエディ・キャンベルへのオマージュであって、つまりはヴィクトリア朝において研究、議論した人間としてのダーウィンを強調したかったのだろうと思う。

  • 「地動説」「無意識の発見」とともに「人類の革命的理論」とも言われている「ダーウィンの進化論」を、マンガで分かりやすく解説した本である。
    進化論は今や常識となっており、そのエッセンスは高校生物の教科書にも記載されているが、内容をきちんと読んだことのある人は少ないと思う。それもそのはず、「種の起源」の原典は挿絵の全くない論理本であり、自身の主張を膨大なデータを使って証明するために執筆された本であった。数学の証明問題のように難解で、生物学の基礎知識の無い人にはかなり読みづらかったと聞く。(おまけに間違った記述も多かった)
    そのため、その難読書をイラストの付いた本で解説することは、この偉大な理論への敷居を下げるためにもとてもいい試みだと思う。巻末には、原典には付随していなかったダーウィン後から21世紀までの科学の発展についての年表が記載されており、進化論の影響を受けた科学の進歩を俯瞰的に把握するための嬉しい気遣いがなされている。

    注意点の1つとして、タイトルは「『種の起源』を漫画で読む」とされているが、「マンガで学ぶ世界の偉人シリーズ」に使われているような、いわゆる日本的漫画表現は少ない。ストーリーの起伏は少なく、あくまでも進化論の理論に沿って挿絵をつけた解説書という立ち位置である。とは言っても文字のみよりも格段に読みやすくなっているので、理解に関してそこまでの心配はいらないと思う。

  • 種の起源を読もうとしたが、断念したときに見つけた本。
    当時の学会、ダーウィンの悩み、思考、実験、演繹、そして現在に至るまでの生物学の変遷が、図や絵と共にわかりやすく描かれている。
    中高生におすすめ。

  • 進化論を拒否する教育が未だにある、という話を聞きます。反知性主義は反科学主義でもあり、それが多様性のもとに容認されていることに戸惑いと怖れを感じたりします。しかし、そういう自分だってちゃんと進化論を読んだとこないな、教科書で教えられただけだったよな、と立ち位置の不安定さに気づいたりもします。本書の解説は「ダーウィンの『種の起源』の原著には、図が一枚しかない」と書き出されていて、この本でダーウィンが行ったことは、膨大な証拠論理的な推論によってひとつの仮説を提出する作業だったと言っています。いわく『種の起源』は論理の本であると。つまり難解である。そのことこそが、進化論を知ろうとしない人を作っているのだとしたら、この漫画化は、とても価値のあることだと思います。漫画になっても難しいところ、あるけど…証拠のビジュアル化とダーウィンの論理過程の物語化は『種の起源』を近しい本にしてくれました。大学の時に相対性理論、教科書では、なんとなくわからなくて漫画で描かれたアインシュタインの本読んだら、わかったこと、思い出しました。

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著者プロフィール

イングランド西部のシュルーズベリー生まれ。エディンバラ大学で医学を学んだのち、ケンブリッジ大学に転学。卒業後、英国海軍の帆船ビーグル号に乗り込み、4年半にわたって世界各地をめぐり、ガラパゴス諸島での調査などに従事。帰国後は在野の自然史学者として研究を重ね、1859年に『種の起源』を出版。他の著書に『ビーグル号航海記』『人間の由来』『ミミズと土』など。

「2020年 『ダーウィン『種の起源』を漫画で読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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