空から兵隊がふってきた

  • アーティストハウスパブリッシャーズ
3.22
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本棚登録 : 71
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (95ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901142953

作品紹介・あらすじ

あたし、ライダー・ジャーヴィス。ショートカットの女の子。いつも男の子とまちがえられる。母さんとアイリーン姉さんと3人暮らし。父さんは母さんとけんかして家を出ていっちゃった。ある日、家の上の大きな空にピンクのパラシュートが現われた。びっくりしていたら、15人の兵隊がつぎつぎとうちの庭に降りてきて…。きらきらした子供の視点から描かれる、ある日突然の出来事。母娘3人は兵隊たちとの短い日々を通じて、人生でほんとうに大切なものに気づく。サマセット・モーム賞を受賞したベン・ライスが贈る、人間の本質を鋭くとらえたシュールなファンタジイ。

感想・レビュー・書評

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  • シニカルでファンタジックな寓話。
    フェミニズムも感じる。

    書き出しが秀逸なので抜粋。

    “父さんが出ていって225めの朝、家の上の広い大きな青空に、突然いくつもの小さな点が現れた。指を針で刺したように、最初はぽつんと赤かった。それがだんだん大きくなり、ぶるぶる震えはじめ、ピンク色になって、ついに爆竹みたいにはじけた。ばらばらに飛びちって、ふと止まったかと思うと、こんどはどうも逆もどりしている。まるで、大切なことを思いなおしたように。
     あたしたちは、ぽかんとつったっていた。母さんとアイリーンとあたし。太陽の光をさえぎりながら、空を見あげる。
     「パラシュートだ」あたしは声をあげた。”p3

    まるでファンタジー映画のようなシチュエーションからはじまるこの物語は、不穏さを孕みながら、次々と形を変え、最後にはカラリと乾いた奇妙な晴れやかさを私にもたらしてくれた。

    酒井駒子さんの表紙のイメージもあり、江國香織さんが外国に生まれていたら、こんなおはなしを創ったのかもね、と感じた。

    R15大人向け短編アニメーションにしたら良さそう。
    もちろんキャラクターデザインは酒井さんで!

  • 書き出しが印象的。親子の家に来た15人の兵隊は最初明るく親しみ易い雰囲気で,その後の不穏な空気と人里離れた田舎の一軒家の流血の惨事に唖然とした。

  • ファンタジー…なのか?
    帯によると、”人生で本当に大切なもの”を見つける物語らしいですが、自分には理解できなかった。
    不思議な設定で、非日常を味わう魅力があるのは確か。

  • ■書名

    書名:空から兵隊がふってきた
    著者:ベン ライス

    ■概要

    あたし、ライダー・ジャーヴィス。ショートカットの女の子。いつ
    も男の子とまちがえられる。母さんとアイリーン姉さんと3人暮らし。
    父さんは母さんとけんかして家を出ていっちゃった。ある日、家の
    上の大きな空にピンクのパラシュートが現われた。びっくりしてい
    たら、15人の兵隊がつぎつぎとうちの庭に降りてきて…。きらきら
    した子供の視点から描かれる、ある日突然の出来事。母娘3人は兵隊
    たちとの短い日々を通じて、人生でほんとうに大切なものに気づく。
    サマセット・モーム賞を受賞したベン・ライスが贈る、人間の本質
    を鋭くとらえたシュールなファンタジイ。
    (From amazon)

    ■感想

    まず、概要が過大広告です。
    これは、別に人生で本当に大切なものに気付いていません。
    (少なくとも、そんな記載は皆無です。)

    これで、人生に大切なものに気付くと、よく吹けたものです。
    このキャッチコピーをつけた人のセンスは、悪い意味で凄いと思い
    ます。才能のかけらも無い気がします。

    本作は、現実なんだけど、現実ではないファンタジーです。
    穏やかに暮らしている家族3人の前に、15人の登場人物がいきなり
    空から現れます。しかも、それらの人間の目的、素性は物語の中で
    一切語られず、全て読者の想像にゆだねられています。
    ここまで、何も語らないと、逆に清々しいです。

    このお話は変な話ですが、最後に妙な爽快感があります。
    これは恐らく、母親の性格(変わり身の早さ)のせいだと思います。
    最後の事件前後で、母親が態度を変え、かつ、平常心を保ちながら
    事後には、すぐに次の景色を見ているという、あまりにもサバサバ
    していながら、憎めないキャラクターのせいでしょう。

    ただし、これが「人生に大切な物」かは甚だ疑問ですが・・・

    人によっては面白いのかもしれませんが、私はあまり面白くあり
    ませんでした。

  • なんともいえない終わり方です

    でも何回も読み返してしまう一冊です

  • 不思議な話。もう一回読む。

  • ベン・ライスの文+酒井駒子さんの表紙=おもしろい
    の方程式が私の頭の中で仮定から普遍な方程式へと変わった作品。
    ポビーとディンガン同様、いろんなものを密かに含むストーリー。けれども、お話全体は何故かとてもかわいらしい雰囲気を持っているので優しく受け止めることができるというか。
    何回でも繰り返し読み込みたい作品。

  • 表紙にダマされてかわいい物語だと思って読むとイタイ目にあいます。怖い!すっごく怖い!

  • 父親が蒸発した親子が、強くたくましく生きていく話なのでしょうか。<br>
    何か怖かったです、いろいろと。

  •  素敵。

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