夢を叶える パリのタイユール 鈴木健次郎

著者 :
制作 : 武田 正彦 
  • 万来舎
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本棚登録 : 42
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901221740

作品紹介・あらすじ

鈴木健次郎。彼は今、パリの数百年に渡るタイユール(テーラー)の歴史上、日本人として初の独立を果たし、念願のブティックをパリに構える夢を実現した。本書は、現在に生きるパリのタイユール鈴木健次郎の物語であり、今まで語られることのなかったパリのテーラリングの世界とその美学、さらにその根底にあるヨーロッパのメンズファッションの潮流と文化について語った物語である。

感想・レビュー・書評

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  • フランス語の「タイユール(tailleur)」が紳士服の仕立屋を表す英語の「テイラー(tailor)」に由来していることから本編が始まるこちら。非常に、非常に勉強になりました。

    テーマとしてはパリでタイユールとして独立した鈴木健次郎さんがどうやってここまで来たのか、というものですがヨーロッパの紳士服についての背景についても一緒に相当な量で書かれていたのがとても嬉しかったです。フランス、イギリス、イタリアの歴史的&文化的背景がどう服づくりに反映されているか、サヴィルロウとの違い(個人的には建物の使い方が解説されていたのが興味深かったです。昨年サヴィル・ロウに行った時、なんで作業場は地下なんだろう、と思っていたので。)、歴史的なタイユールの関係性などなど。

    私もこの辺の書籍に特別明るいわけではないのですが、「紳士服」の関連の書籍となると紳士服のデザインそのものの歴史であるとか(クラヴァットは〜、このラペルの形は〜、センターベントとサイドベントは〜、軍服が元になったこのコートは〜)、スーツの着こなし方の基本のき、といった内容が多く、テーラリングに関する歴史や人についたものはあまり見ない気がします。
    特に紳士服=イギリスのサヴィル・ロウの方が目立っているのでフランスのタイユールについてこれだけの読み物と出会えたことがとても嬉しいです。
    だってなかなかテーラリングのメソッドや、職人の分業の仕方とか、詳しく書いている本ないでしょう、と。

    遅ればせながらNHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」の映像も見ましたが、必ずセットで見ることをおすすめしたいです。日本のハサミについては、いやこりゃ嬉しいではないですか。テレビでは放送されていなかったネタ。鈴木健次郎さんすげーかっこいいです。

    作者の長谷川喜美さんですが、サヴィルロウのあのでっかい本書いた人だったのか。はい。持っております。お世話になっております。ありがとうございます。テーラリングについてこういう本また書いてくれないかなあ。もう事細かにどうやって服が作られているのか知りたいです。

    いやあ、一気に読んでしまう一冊でした。紳士服好きにはたまらん一冊だと思います。

    (クリスチャンディオールが2回出てきたのは間違い?)

  • 鈴木氏の夢はメゾンのチーフカッターになり、パリでブティックを構えること。夢を叶えるためのハードルは高く、パリのタイユール(テーラー)の世界は有色人種を採用しないという。パリ100年の歴史を乗り越える姿は日本人的職人気質とフランス人的自己主張が必要だった。メンズファッション、スーツの美を感じられる。

  • ヨーロッパのメンズテーラリング史の歴史考察の文脈で鈴木氏の成功を紐解く作りが、ページ数に対して少々窮屈に感じる。一歩踏み出すことと成功することの正の因果関係、そして若さを言い訳にしない情熱と行動力には非常に感化された。

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