ロジカル・プレゼンテーション――自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」

著者 :
  • 英治出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901234436

作品紹介・あらすじ

「提案の技術」というと、いかにも地味で専門的な印象を持たれるかもしれない。ところがどうして、現在のビジネスの現場で、これほど必要とされる能力はないといっても過言ではない。「提案の技術」がないゆえに、どれほど多くの「優れたプラン」が具現化されることなく消えていったことか。本書は、そうしたビジネス上の詰めの甘さを自覚し、提案を成功に導くための「技術」を明らかにしたものである。

感想・レビュー・書評

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  • ▪️第一章
    ・紙にまとめるという作業は、自分の頭の中を整理し、矛盾を解決し、的確に物事を考えているということである。
    ▪️第二章
    ・論理的かどうかは、相手が決めること。
    ・人間は自分の頭の中に必ず隠れた前提を持っている。それを洗い出すためには、全く価値観の異なる人の話を聞くこと。
    ・論理的に話すためには、この話はもっと細かく分けて議論する必要はないかと問いかけること。
    ・自分の話している因果関係が偶然か必然かを考えるには、時間の流れに沿ってその経過がどうなるかを、極力否定的に考えてみよう。
    ・視点を揃える上で大事なことは、それは誰の言葉か?を考えること。
    ・切り口を揃える上で大事なことは、それはどういう場面の言葉か?を考えること。
    ・MECEは六次元(見える三次元+見えない三次元)
    …時の流れ、人の気持ち習慣、情報の流れ
    ▪️第三章
    ・仮説検証とは、論点を洗い出し、仮の答えを推測したうえで、答えるための客観的な証拠を準備することである。
    ・仮説検証のステップは、
    ①相手の目的への理解
    …どういうスタンスでこちらの話を聞いているのか?
    ②論点の把握
    …話をする上でのポイント、相手が知りたいポイント
    ③仮説の構築
    …答えのヤマカンを持つ、ぶつけて答えを探る
    ④検証の実施
    …正しく客観的な動かぬ証拠を揃える
    ⑤示唆の抽出
    …動かぬ証拠をもとに相手の疑問に答える
    ・コミュニケーションのポイントは、
    「議論のスタンスのとり方」と「相手の要望の理解」
    ・コミュニケーションのスタンスは2種類ある
    ①何かの意思判断をしてもらいたい
    ②単に話を聞いてもらいたい
    ・意思判断を求めるには、具体的な話で締め括る
    ・まず「相手の話をしっかり聞いて理解をする」
    ・相手がどういう考え方で意思判断をするのかを知ることが大切である。
    ・仮説とは手近な情報を可能な限り集めて答えを推測すること。
    ・仮説構築のために行う作業は3つ。
    ①論点をしっかり頭に入れる
    ②つねに答えは何かを意識する
    ③とにかく多くの情報を眺める
    ・検証とは「8割の当たり前を証明すること」、そしてその作業を通じて「2割の気づきを生み出すこと」
    ・示唆とは、論点を絞り込むために役立つ情報を提供する。
    ・インパクトのある示唆を出すには、どこを相手が最も知りたがっているかを考え論点を絞り込むこと。
    ▪️第四章
    ・会議の設計がうまくいかないのは、以下の理由
    ①会議をしているという認識がない。
    ②議題は準備されているが、論点が準備されてない。
    ③提案全体と、今回の提案の区別ができていない。
    ④相手の論理で語られていない。
    ・会議設計では、「今日はどこまで話を持っていくか」という着地点と、「どんな形の会議にするか」という着地スタイルの設計が重要である。

  • 20200415
    ロジカルシンキングに加えて、提案することのスキルを重要視した著作。そのため本書の構成としては、論理思考力と仮設検証力に加えて、会議設計力と資料作成力を解説している。
    詳細は以下メモをしているが、いずれのパートでも相手に伝わるにはどのように表現したら良いかを徹底して考えることが重要である。相手の疑問があり、それに答える形で論理を構成する。そしてそれを確認していくツールや会議は効果的に設計されているか?それを自問しながらコンサルティングライフを進んでいきたい。

    //MEMO//
    シンキングはいくら程か参考書は読んだが、プレゼンテーションの為の本はあまり読んだ事がない。従って、ロジカルに構成した内容をどのように伝えると効果的か学びたい。

    提案を通すること=考えることと伝えることの両輪
    ①論理思考力
    ・縦の論理=因果関係。「本当にそうなの?」に答える
    ・縦の論理がつながらない原因
    (1)前提条件の違い
    (2)異質なものの同質化
    (3)偶然の必然化

    ・横の論理=MECE。「それだけなの?」に答える
    言葉のレベル感を揃えて同次元でMECEする
    (1)同じ視点
    (2)同じ切り口

    ②仮説検証力
    (1)目的
    →議論のスタンスの取り方、相手の要望の理解

    (2)論点
    →論点を外してしまう4つのパターン
    議論のスタンスが違う場合、相手の要望が理解できていない場合、具体的な判断項目が出せていない場合、相手が既に答えを持っているところに意見してしまう場合

    (3)仮説
    →仮説構築の3つのステップ
    論点をしっかり頭に入れる、常に答えは何かを意識する、とにかく多くの情報を眺める

    (4)検証
    →強いファクト
    定量情報、1次情報、第三者情報

    (5)示唆
    =論点を絞り込むために役に立つ情報
    →3点に留意
    目的と論点をきちんと理解しておく、論点の絞り込みに集中する、検証不能な作業設計をしない

    ③会議設計力
    (1)会議の着地点を定める
    ・会議の位置づけ
    仮説検証の視点、コミニケーションの視点、問題解決の視点
    ・イン/アウト
    インプットに新しい感があるか?、インプットに進んでいる感はあるか?、アウトプットは先を急ぎすぎていないか?

    (2)着地スタイル
    ・読む人か、聞く人か
    ・全体観派か、芋蔓派か
    ・トップダウン派か、ボトムアップ派か

    ④資料作成力
    ・メッセージ
    =説明、ファクト、示唆

    ・チャート
    =オブジェクト(イラスト、グラフ、テキスト)
    +レイアウト(連関図、フロー図、樹形図、テーブル図)

    ・スライド
    =上段部に必ずメッセージを入れる。メッセージとチャートを、きちんと対応させる。

    ・パッケージ
    =必ず示唆を含める

    ・マテリアル
    =サマリー、前提、全体像、内容、論点ペーパー、フォーマット、スケジュール、参考データ

  • 2018.08.06 読了

    かなりよかった。
    めちゃくちゃ学ぶことはあったけど
    特に重要やと思ったのは以下3点

    ・人によって視点が違うので、各人の当たり前が通じないこと

    ・論理的であっても伝え方が悪ければ伝わらない(論理的思考はあくまで手段で、相手に伝わることがゴール)

    ・状況に合わせたフレームワーク(マーケティング5Pなど)を用いることで抜け漏れのない論理を構築しやすい(本書でいう横の論理)


    ★以下メモ

    ・提案が通らないのは、相手にきちんと伝わっていないから

    ・紙にまとめられない=正しく理解できていない

    ・突っ込まれたときに具体的に論理を説明できるようにしておいて、話すのは必要最低限が理想

    ・営業視点、エンジニア視点、経営視点、など一つの視点ではなく複数の視点で、具体的なメリデメを把握しておけば漏れがなくなる

    ・話していることの暗黙の前提が、相手にはわからないので、話が繋がっていないように聞こえる

    ・外資系は上昇志向が高いから好き。→外資系の中でもたくさん種類があるのに一括りにすると、疑念が生まれる

    ・因果関係は偶然なのか必然なのか考えるべき

    ・新しく参入するのに、提携先は大企業ってなると、「タイミング、場面」が違うってなる。
    →こういうタイミングでは新規参入なので、参入先の資本のでかさよりも成長性、先進性を優先すべき

    ・ミーシーにするためにはマーケティング5Pとかのフレームワークを参考にしてみる。状況にあったものを使うこと

    ・話してる相手は視点も捉え方も自分と異なることが予想以上に多い

    ・ミーシーを目指すために時間、情報の流れ、人の気持ちを考慮すべき

    ・相手を納得させることが目的であり、論理的に話すことはその手段であることを認識する
    →論理的に話したからって納得するとは限らない

    ・相手が何を疑問に思っているか、要望は何かを理解する
    →打ち合わせするときも相手が何の話をしたくて、何を疑問に感じてるか、何を解決したいかを探り、考える

    ・話の締めくくりは具体的なものにする。スケジュールはこれでいきます。いいですね?的な
    →つぎの動きがわからなくなるから

    ・考える労力は自分側で持つ
    →どうすればいいですか?:×
    →こう考えているが、これでどうか?:◯

    ・縦横の論理(本当にそうか。他にはないか。を意識して仮説を立てると精度が高まる)

    ・論点のない仮説、仮説のない検証は意味がない

    ・「定量×一次×第三者」の情報が根拠として一番つよい
    →一時情報とは自分の足や、目で実際に得た情報で例えば業界団体の市場予測など。二次とは誰かがまとめなおした情報のことで、なにかの情報を又聞きしたみたいなこと

    ・論点とは議論によって意思決定が変わる可能性のあるもの

    ・答えはなかなか出ないので、こうした方がいいんじゃないか?という示唆を出すに留める。
    →出ない答えに時間かけすぎると話が進まない

    ・検証のために情報を集める際、なにを検証したくて情報を集めているのか意識する。情報を集めるのは検証するための手段であって目的でない。

    ・指示を出す際もきちんと論点と何を検証したくて調べてもらうのかを意識して伝える。〜〜を調べといて。という風に情報を集める指示だけすると、そいつには論点が見えてないので示唆を得るような調査ができない

    ・論点を絞ることが大切→相手が興味なさそうな、納得しなそうな情報は言わず、相手にとって、マジか!それならそうしなあかんな!と思わせるようなインパクトのある情報、根拠をぶつける

    ・そもそも調べようとしてる情報は検証可能なものなのか意識すること。不可能なことを調べる時間はもったいない

    ・会議では何について話すのかの議題と、何を決めるのかの論点を意識する

    ・★経営者に提案する場合は経営視点で提案するなど相手に視点を合わせるのは重要
    また、技術視点では当たり前でも他の視点では何故その論理になるのか分からないとなりかねない。やはり相手視点を意識することが重要

    ・★会議によって、最終的に出したいアウトプットは変わるので、どんな終わり方にしたいか意識する
    →今回は問題点を洗い出す。とか、今回は何かに関して意思決定する。とか

    ・聞くタイプと読むタイプがいるので、それぞれのタイプに合わせて説明方法を調整する必要がある

    ・縦の論理を意識する人と横の論理を意識する人が違うので合わせる

    ・★資料(サービスでいうと説明ページやLP)は人間の感覚に逆らわないように注意する。向上って書いてるのに下矢印とか同じ図形で区切られてるのにひとつだけ全くレイヤーが違う説明とか

    ・★不要な下線とか装飾とか色とかは情報量を無駄にアップしてしまうので、意味がないなら極力使わない

    ・共通項の括りだしで簡潔に。
    駅からの距離や会社からの距離→駅や会社からの距離

    ・★図やイラスト、チャートを使った方がわかりやすいところは極力文字を使わない。文字じゃないと分かりにくいところに文字を使う

    ・★ひとつのスライド、まとまりに対して、トピックセンテンスをつけること。それができないということはそのまとまりにはあまり意味がないということ

    ・説明を横書きでかくときは左上から右下へ向かってかくこと

    ・高さや横位置は揃えないとバラバラしてるように見えて複雑に感じられる

    ・多分この人やとこういう根拠とか言い方とかをすれば納得するやろなあってのを考える

  • 戦略コンサルティングの講義に向けて、
    予習教材として自分でセレクトした本。

    といっても前々から色々な方面でお勧めされており、
    気になっていたのですが、なかなか読む機会に恵まれず、
    よい機会だと思ってチャレンジしてみました。

    論理的に考え、説明する(プレゼンする)技術について、
    全体感を意識して、分かりやすくかかれたとても良い本だと思います。
    一部、ストーリ仕立てにもなっているので、
    読む側があまり肩肘張らなくてもよいように配慮もされています。

    就職活動しているとき、著者のセミナーを受講したことがあるのですが、
    著者の人柄の表れた素晴らしい本だと思います。

  • お堅い感じの装丁とは異なり、非常に読みやすかった。
    その理由としては2つ考えられる。

    1つ目は、ストーリーとそれに沿った解説で構成されている点である。具体的なシチュエーションが想像でき、解説が頭に入ってきやすい。

    2つ目は、場合分けと図解を用いて解説している点である。ストーリー中で発生した問題の原因について、場合わけと図解で解説されているため、抽象度の高い話でも理解しやすかった。

    ロジカルシンキング系の本で挫折した方にも読了できる一冊といえる。

  • ★提案の技術とは何か
    「正しく考える」能力と「正しく伝える」能力は、ビジネスマンにとって不可欠。→バランスよく身につける必要がある。

    【論理的であるとは】
    ・人が納得しない場合の反応は
    「本当にそうなの?」…横の論理が弱い。因果関係説明不足。
    「それだけなの?」…縦の論理が弱い。漏れやダブりがある。
    ・論理的か否かは相手が決めること。

    1.論理的思考力
    《縦の論理が繋がらない3つの原因》
    (1)前提条件の違い…AならばB→本当にそうなの?
    (2)異質なものの同質化…違う話を混同してないか?
    (3)偶然の必然化…論理の飛躍 
    《横の論理》
    ◯MECEにするには
    (1)フレームワークを用いる
     ●環境分析の3C「市場」「競合」「自社」
    (2)漏れをなくす
     ●六次元で自分の頭で発想する
    (3)ダブりをなくす
    →自分が想像している以上に、相手は自分と異なる立場で、異なる捉え方で物事を見ていることを忘れない。

  • 読んで実践することで、なんとなくやっていたことが
    かなり型化され、時間短縮、成果物の質の安定した。
    特に分析のしかた(HOWでなく、まずWHERE)が、今まで読んだどの本よりも分かり易かった。
    仕事次第で、一部を使ったり全体を使ったりするが、
    都度読みかえして基本に戻るようにしたい。

  • 著者は、1973年生まれ。東大中退、京大卒。

    内容は、大満足。良い!
    プレゼンを作成するときに、また読み返して
    確認するのがよさそう。
    「どうまとめたらよいか」が簡素に
    順序だてて、ポイントについて解説されている。

    ビジネスマンのプレゼン作成者にお勧め。


    〜以下、◇○本より抜粋、●・コメント〜

    ◇仮説検証力とは
    ○まず、相手の疑問を知る
    ○次に、その疑問に対して答える


    ◇提案する
    ○相手の話を聞くこと
    ○しっかりと相手の話を聞いて理解する
    ●あれ?
    話して伝えることぢぁないんだ!
    よく聞いて理解するネ


    ◇論点を把握する
    ○相手が意志判断を行う際に検討する項目のなかで、
    まだ確固たる答えを持っていないがために、
    検討を行えば意志判断の結果にちがいが生じる
    可能性のある項目
    ●目的に対してポイントをおさえること


    ◇漏れをなくすこと
    ○答えは、6次元で考えることである。
    モノが売れていく状態を考えた場合

    ○目に見える3次元(タテ・ヨコ・高さ)
    Product モノがある
    Package きれいに梱包されている
    Place お客さんがいて売り場がある

    ○時間の流れと目に見えないもの(情報の流れ・人の気持ち・時間の流れ)
    Promotion 宣伝活動
    Price お客様は値段を気にする


    ◇会議や提案の場で「気の利いた発言」ができる人は、
    この「どこが原因で議論が停滞しているのか」を
    瞬時にしてじつに的確にとらえている。
    例えば、フレームワーク的な視点が欠けている会議で
    は議論の視点について助け舟を出す
    ●会議の構造を自分の中で、フレームワークにしておくこと


    ◇仮説とは、論点に対する自分なりのヤマカンの答え
    ◇仮説を出すためには、なんらかの情報が必要。
    仮説は、無からは生まれない
    ◇作業のなかで仮説を出しているのか
    出た仮説を検証しているのか、常に意識する

    ◇相手に考えさせない
    ×「いろいろありますがどうしましょう」
    ◎「ここでの選択肢はAかBかCだと思いますが
    私はこういう理由からAがよいと思います」
    ●お客様に代わって自分が考えてあげること


    ◇仮説構築の3つのステップ
    1. 論点をしっかり頭に入れる
    2. つねに「答えは何か」を意識する
    3. とにかく多くの情報を眺める

    ◇着地のスタイルを決める
    ○提案を通りやすくするための「味付け」は、
    相手のテイストにあわせること
    ●難しいけど、そのために、「仮説」がいるのかな。


    ◇スライド絵に入れる説明は3つ
    「説明」 この図は1996年から2002年までの
    弊社の売上高を示したものである
    「ファクト」1998年をピークに、ここ数年は
    売上高は減少の一途をたどっている
    「示唆」 将来に向けて、売上高を増大させるよう
    な施策が求められているのではないか


    ◇メッセージは端的に
    1. メッセージとは、スライド上部に3行程度で書かれる
    「最も言いたいこと」
    2. メッセージには「説明」か「ファクト」か「示唆」
    の3つがある
    3. 簡素に・言葉を統一して・印象に配慮する

  • 本書は提案を通すための本である。
    そもそもの心構えとして、「提案は通らないもの」という前提に立つ必要がある。そうしないと、提案を通すために自分が何を努力すれば良いのか、という視点が育たないからだ。

    提案力は「適切に物事を考えること(内容)」と「それを相手に適切に伝えること(伝え方)」の二つの力から構成されます。
    本書では、適切に考えるスキルを「論理思考力」及びその上に存在する「仮説検証力」の2段階に分け、適切に伝えるスキルを「会議設計能力」及びその上に存在する「資料作成力」の2段階に分けて説明をしています。

    第2章:論理思考力
    ・なぜ、論理的である必要があるのか:どんな相手をも理解させ、説得するため
    ・論理的とはどういうことか:話がちゃんとつながっていること

    相手が説明に納得しないときの反応は
    「本当にそうなの?(縦の論理)」/「それだけなの?(横の論理)」の2種類しか存在しない
    縦の論理:求められれば細かくできる
     ①前提条件の違い(自分が話している話題の前提条件を疑う)、②異質なものの同質化(違う話を混ぜて同じと主張する)、③偶然の必然化(自分のおいた前提から結論に至るまでに、それを妨げるどのような要因があるか考える)に気をつける
    横の論理:できるだけ広く細かい状態が作り出せるようにする(MECEな状態を作り出す)
    「次元の違う話」を、言葉のレベル感を揃えて同じ平面上に移すこと、同じ平面に移ったあとに、平面として「漏れ」や「ダブリ」がないか検討すること
     言葉のレベル感を揃えるためには→視点(立場)/場面(切り口)を揃える「誰の言葉か?」「それはどんな場面か?」
     その視点、その場面に適したフレームワークを使用する+自分の頭で発想し自ら新しいフレームワークを編み出して全体をおさえる(縦、横、長さ、時間、気持ち、情報)
     ダブリをなくすためのMECEマトリクスを使用する(2つについて、それぞれyes/noでわけてボックスを作る)

    第3章 仮説検証力
    今まで説明したのは論理的思考という、手段
    これからは提案に際し相手の疑問に答えることを想定する。「論理的に正しい」からと言って「相手が納得する」わけではない
    相手の疑問を知る(論点を出す)→その疑問に対して答える(仮説を検証する)

    仮説検証の5ステップ
    目的(お互いの会話の目的をはっきりさせた上で、最終的に相手が何を求めるのかを知る)
    →論点(話をする上でのポイントや押さえどころ)
    →仮説(答えのヤマカンを持つ)
    →検証(仮説が正しいかどうか証明する客観的な証拠を揃える)
    →示唆(完璧に答えられなくても、相手の役に立つことを何か話す必要がある)

    ◯目的
    コミュニケーションの目的を理解する→1,議論のスタンスをどう取るか 2,相手の要望の理解 それぞれで4種に分けることができる
    議論のスタンスは2種類→何か意思判断をしてもらいたい/単に聞いてもらいたいだけ
    意思判断をしてもらう際には、話や提案を具体的な話で集結させる必要がある(目的は了承を得ることなのか、協力をえることなのか。最後にその念押しをする)
    ◯論点
    論点…検討することによってより良い意思決定ができる項目
    それを判断するためには、「相手がどういう考え方で意思判断するのか」という項目の全体像を知るとともに、「相手が確固たる答えを持っていない項目」を探し出すこと。
    ・論点を外す4つのパターン
    議論のスタンスが違う(愚痴なのか議論なのか)/相手の要望を汲み違う/具体的な判断項目が出せない(相手の意思判断項目が洗い出せているか)/相手がすでに答えを持っていることをくりかえす
    ◯仮説
    仮説は参加者に合意の得られた論点に基づいて展開されなければならない/あてずっぽうであってはならない/仮説は答えではない
    仮説が必要な理由:検討の効率を高めるため(ローラー戦略でやればすべての検討事項をやらなければならない、時間がかかる)、相手に考える労力を持たせない(相手に考えさせると、自分の思ったように提案が進まない)
    仮説は何らかの情報を元に生み出される
    ・仮説構築のための3ステップ
    論点をシッカリ頭に入れる(情報に対してアンテナを張りあつめやすくする)→常に「答えは何か」を意識する→とにかく多くの情報を眺める
    ・仮説の精度を高めるために
    横の論理(本当にそれだけでいいのか、別の選択肢はないか)と縦の論理(本当にそうなのか)を使用する
    ◯検証
    検証…「正しい論理」と「動かぬ証拠」で自分の仮説が正しいと証明すること
    目的、論点、仮説をシッカリと意識して情報の収集に当たることで、無駄な情報を眺める時間を短縮できる
    ・ファクトの属性
    定量情報or定性情報/一次情報or二次情報/第三者情報or当事者情報
    ◯示唆
    それで全体を通して何がいいたいのかをまとめる作業、論点を絞り込むために役に立つ情報のこと
    →それを通じて相手の答えの幅を限定する
    実際に答えを出すことは現実的にむずかしい(全体を言うための論理構成はかなり複雑なので、1つのファクトからすべてを言うことはムリ/そもそもファクトがきちんと取れること自体がまれ)
    →論点を更に細かく分解して考え、その幾つかの部分に答えようとする
    ・示唆を出すための3つのポイント
    (1)目的と論点をきちんと理解する:検証そのものができなかったとしても、論点を絞り込むための別の論理を組み立てることができたりする
    (2)論点の絞込に集中する:論点を更に分解し、どこに対してファクトを示せば最も相手の心に響くかを考える
    (3)検証不能な作業設計をしない;事前にデータの有無を把握し、検証不能な作業を設計しない(細かすぎる情報、広すぎる情報、内部情報、未来の情報)

    第4章 会議設計力
    会議が盛り上がるように設計できない理由
    (1)会議をしているという意識が無い
    (2)議題と論点の区別がついていない:アジェンダと具体的な会議の論点(何について話し合い、意思判断をすればよいのか)の違い
    (3)提案全体と今回の提案の区別がついていない:全体として何を提案したいのかという落とし所を見据えた上で、「今日はどこまで提案するか」を考える
    (4)「相手が把握できていない」ため、相手の論理で語られていない
    →どうすればよいか?
    ①会議の着地点に留意する[(1)〜(3)に対応]:会議の「位置づけ」をはっきりさせ、「イン/アウト管理」を行うことが大切
    ・位置づけ…全体の提案の流れの中で、その会議はどこまで話をするか
    (仮説検証の5ステップ/コミュニケーションの3ステップ(顔合わせ、相手の意見聞く、自分の意見のべる、議論、合意)/問題解決の3ステップ(現状把握、あるべき姿の措定、両者のギャップを埋める))
    具体化:キックオフミーティング(信頼を築き現状と目的について話す)→ワークショップ(論点や仮説について議論)→中間報告(解決策の仮説を議論、意思決定してもらう)→最終報告(解決策についての示唆を議論し、意思決定する)
    ・イン/アウトを管理:インプット(その会議は、必要な事前情報が準備されているか)、アウトプット(その会議は何を議論するべきか)
    インプット:新しい感、進捗感 アウトプット:先を急がない
    ②着地スタイルに留意する
    相手が読む人/聞く人か、全体感派/芋づる派か、トップダウン派/ボトムアップ派

    第5章 資料作成力
    鉄則「ひと目で理解出来、誰にも誤解されない」
    ・人間の感覚に逆らわない
    ・3つを捨てる
    ・メッセージは端的に
    ・チャートを利用する
    ・スライドに配置する

    第五章のみ詳しく
    ◯紙に落とすための5ステップ
    1,メッセージ:提案の中で最も相手に伝えたい内容を凝縮した文章
    2,チャート:メッセージを図示したもの(グラフや図表、イラスト、写真など)
    3,スライド:一枚の紙の上に複数個のチャートを組み合わせて配置し、言いたいことをまとめたもの
    4,パッケージ:複数のスライドを組み合わせて、一つのストーリーを構成したブロック、章とも。
    5,マテリアル:完成版の資料とでも言うべき、発表に必要な資料群の集大成

    ◯人間の感覚に逆らわない
    1,左上から右下に配置する
    2,内容にふさわしい表示を
    3,重要メッセージは強調する
    4,違うものを同列に並べない

    ◯3つを捨てる
    1,不要な情報を捨てる:いらない内容物やコンテンツそのもの
    2,不要な文字を捨てる
    3,不要な属性情報を捨てる:色、形、線の太さ、字体、影など文字や図形につけられた装飾

    1,メッセージ
    ◯伝えたいことを3行で言い切る
    :メッセージはスライド上部に書かれた「最も伝えたいこと」である。本文をすべて読まなくても、各ページに書かれている「メッセージ」さえ順に読めば、提案書全体で何をいいたいか伝わる

    ◯メッセージの種類は説明とファクトと示唆の3つからなる
    -説明:そのスライドに何が書かれているか(情報の紹介、概要)を示すメッセージ
    -ファクト:そのスライドに書かれている内容(情報の内容)を示すメッセージ
    -示唆:そのスライドに書かれている意味合い、情報に対するこちらの解釈
    配置の仕方は説明の方法によってそれぞれ異なるが、情報の説明のしやすさから、説明>ファクト>示唆の順番で説明する

    ◯メッセージはどうやって書くか
    -合目的性:議論の目的に合っていて、相手の論点に答えている
    -斬新性:相手にとって驚きや発見がある
    -明確性:具体的内容が明快に表現されている
    -方向性:具体的に何をしたらよいかが提示されている

    ◯メッセージを書くときの3つのポイント
    1,簡潔に書く:読み手にすぐポイントが伝わる
    2,言葉を統一する:言葉とその定義を統一して使い、誤解や混乱を避ける
    3,印象に配慮する:本論と関係の無い無駄な議論を招くのを避ける

    ◯簡潔に書くためには
    1,アンサーファースト化
    2,不要語句の削除
    3,共通項のくくりだし
    4,熟語化

    2,チャート
    ◯チャートの中身はイラスト・グラフ・テキストの3種

    ◯その中身の配置方法は4種
    1,連関図:物事の因果関係を説明する
    2,フロー図:物事の流れを説明する
    3,樹形図:論理構成を表すのに用いられる
    4,テーブル図(表):縦横それぞれの方向に意味を持たせる

    ◯チャートの味付け
    1,極力、図形にする
    2,タイトルをきっちりと付ける:そのチャートが何を言い表しているのかひと目で分かるように
    3,強調するべき場所を明示する:グラフの中でどこを一番注目してほしいかを明示

    3,スライド
    ◯スライド作成時の2つのポイント
    1,スライドには、上段部に必ずメッセージ(トピックセンテンス)を入れる:中身を読まなくても、紙面全体で何を言おうとしているのかひと目で理解できる
    2,メッセージとチャートを、きちんと対応させる

    4,パッケージ
    ◯パッケージ作成の二つのポイント
    1,示唆を必ず含める:パッケージの中に示唆スライドを必ず入れる
    2,相手の論理に合わせる

  • 我が家には新人コンサルタントのためのビジネス書が10冊ぐらいある。
    全部もらいものであるが、チマチマと読んでいる。

    ビジネス書を読んで仕事できる気になったら負けかなと思ってたが
    ハッと気付かされるような記述もしばしば。
    ちょっとできる気にさせるところが売れてる原因なのでしょうか。

    この本の記述は分かりやすい。逆に言えばすぐ読める。
    ・論理思考力
    ・仮説検証力
    ・会議設計力
    ・資料作成力
    の4つの能力について書かれているが、プレゼンテーションをテーマにするだけあって、面白かったのは会議設計力。
    (論理思考力とか仮説検証力とかはどっかで聞いたような話)

    「ボールを自分で持つな。すぐ誰かに渡せ」とよく上司に言われる僕であります。
    会議設計力の章では、いつ誰にどうやってボールを渡すのかという点について参考になった。
    プロジェクトのどの段階でどんなテーマの誰が出席する会議をセットすればよいか。
    さらに、出席する相手に合わせて、どう話を進めていけばよいかが分かりやすく書かれている。

    ま、自分主体の会議設定したことがない人間がいうのも何ですけども!
    夏ぐらいにまたサラッと読み返そうかな。

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著者プロフィール

株式会社プレセナ・ストラテジック・パートナーズ
代表取締役社長・グローバルCEO

東大理I中退、京大法卒業。シンガポール国立大学(NUS)E MBAコース卒業。

アーサー・D・リトル、マブチモーター株式会社、BCGを経て起業。
現在は多数のリーディングカンパニーの人材育成、アジア各国におけるリーダー育成にも従事。

個人活動でウェブサイト「外資コンサル.com」を運営、15年以上にわたり就活支援を手掛け、
多数の転職支援セミナーを担当。
東大・京大・早大など多くの大学で入社後のキャリア形成など、
長期的な視点からアドバイスを行っている。

著書の『ロジカル・プレゼンテーション(英治出版、2004年)』は
10年超のロングセラーであり、多くの就活生・若手社会人にバイブルとして活用されている。

「2020年 『ロジカル・プレゼンテーション就活 面接・グループディスカッション対策 2022年度版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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