14歳からの哲学 考えるための教科書

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  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901510141

感想・レビュー・書評

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  • 14歳という年齢に人生哲学を問いかける内容です。うーん、正直に言ってしまうと、私にはちょっとめんどくさかった。この本で14歳が哲学を好きになり、突き詰めてみたくなるかというと、わからない。

  • 30歳にして読んだこの本
    14歳で読んで欲しいけど、14歳の子はこれを最後まで読んでくれるのだろうか。

    外界を疑って、内界を見据える。
    今の世のほとんどの人は、外界から与えられる情報をただ受け取るばかりで、見えない内界を自力で考えることをしない。

    自ら考えて知ることだけが『知る』という事の本当の意味であり、情報を受け取ってもっているだけの状態を『知る』とは言わない。

  • 職場の先輩がこの方の本を読んで生きてきたというので読んでみた。もう27歳ですけどめちゃくちゃ難しかった....めちゃくちゃ哲学だった....
    とにかく自分の頭で、自分の価値観で、ものさしで、なんでもかんでも考えてみようって内容だった気がする....
    この世には「正しいと思われていること」「あなたが生きるこの社会においてはダメとされていること」はあるけど、本当に「正しい」「良い」「悪い」の尺度は自分の中にしかない。
    「なぜ人をころしてはいけないか?」という問いについての章はなんとなく哲学というものに対して腑に落ちた気がするので自分なりにまとめてみる。「家族が悲しむから」「かわいそうだから」という理由は「じゃあ家族がいない人はころしてよい」「くるしまずにしぬ方法でころせばよい」と反論できてしまうから答えにはならない。人はたくさんの選択の上に今が成り立っていて、「良い」と思ったことを選択し続けている。だから今自分が生きているということも自分が「良い」と思って選び続けていることだから人をころすことは「悪い」こと。これも筆者の考えでしかなくて、自分で考えていくことが大切。
    ある程度大人になっていろいろと考えがあることも多くなってでもいまだに分からないことだらけで、尊敬する人が言ってたらそれが自分の考えになってしまったり大好きな人が思うことを自分の考えだと思ってしまったりすることもあるけど、そうじゃなくて「なんで?」「なんで?」で考え尽くしていこうと思った。(できるかな)
    あと私の好きな考え方に時間は未来→現在→過去に流れているっていうのがあったけど、この本でも「時間は過去→現在→未来に流れていると人は勘違いしている」的なことが書いてあった。ただ「今」がここにあるだけ、らしい。意識してないと過去のことをよく考えてしまう私なので、「今」を生きて「今の幸せ」に目を向ける意識で生きていきたいな。

  • NHKでインタビュされていて興味を持った。
    難しかった。
    その後、著者は亡くなった。
    もう一度チャレンジしたい。

  • サンデルの本みたいなものと思ってはいけない。
    生きるとは何か、死とは何かについて、自分の考えを書いているようなもので、あまり共感できないところが多い。
    考えもまとまりがなく、頭の整理にも役立たなかった。残念

    でも、最後の著者の紹介のとこにこうかいてある。専門用語による『哲学』についての論ではなく、哲学するとはどういうことかを日常の言葉を用いて示し、多くの読者を得る。

    たしかに、哲学するとは、自分で考えることだ、というのだと思うが、それなら、哲学と言わないでほしかった。

    14歳にむけているから、ということかもしれないが、だったら尚更、もう少しまとまりよく、自分の親のことも適切に書いてほしい

    ただ、良いことも書いてある。
    戦争をしている国のどっちが正しいかなんてことを、そもそも判断することができるのだろうか。しょせん人間のすることだ。どちらにも言い分はある。君が知るべきことは、どちらが正しいかということではなく、その中で自分はいかに正しく生きるのかということではないだろうか。つまり、正しいとは、そもそもどういうことなのか。それ以外に人間が人生で知るべきことなどあるのだろうか。情報はしょせん情報だ。情報には、本当もウソもある。事実か、事実でないか、ということもある。本当のこと、真実というのは、外から与えられて知るものではなく、自分で考えて知るものだからだ。自ら考えて知るより、知りようがないものだからだ。自ら考えて知ることだけが、知る、ということの本当の意味だ。情報を受け取って持っているだけの状態を、知る、とは言わない。正しく生きるとはどういうことか、生きているとはどういうことか、という、人生にとって最も大事な事についての知識は、新聞にもネットにも書いていない。書いてあることもあるけど、それを受け取って持っているだけで、自ら考えているのでなければ、あくまでもただの情報だ。情報は知識ではない。ただの情報を知識とするためには、人は自分で考えなければならないのだ。

  • 14歳の頃に出会っていれば、とは思わなかった。
    むしろ、批判的な考えを持つことも出来て、経験を積んでなるほどと思える部分もある今読んでよかった本。
    面白い章とそうでない章が顕著に別れていた。
    「親は君が生まれるまで君の親ではなかった」など、なるほど!と思わされる部分もある反面、ただの新しいもの嫌いでは?と思わされる部分も多かった。
    科学の発展と、流行の文化に対しては頭ごなしに否定している印象。
    科学も哲学も、もっと知りたい•もっと良く生きたいという願望から生まれている点では同一なはずなのに、なぜ一方だけが正しいことになっているのかはちょっと理解不能。流行の文化にしても、今生きている人が今の社会を見て作ったものなんだから、古典と違ってフィルターをくぐっていないからという理由でそこまで批判される謂れはないような気がしてしまう。
    なんでも触れて考えてみようというタイプの自分としてはむしろ14歳には読ませたくない本に分類されるかもしれない。大人が考える材料として使うには分かりやすい本。

  • 若松英輔先生の『詩を書くってどういうこと?』からのつながりで読んでみた。けど、若松先生の著書で読んだ時ほど響くものはなかった。事実誤認に基づく内容もあったので、星2つ。

  • 考えることこそが生きるという事なのだろうか。
    哲学を学ぶ上での入り口として良いと思う。
    しかし、素人ながら「哲学」以外の面で疑念を抱く部分があった。
    それは、23善悪[1]の
    「最近は、少年少女、君と同じ年齢の人による殺人が確実に増えている。」
    の部分である。
    筆者の述べている『最近』がいつのことなのか分からないが、この本が出版された2000年前後と私は考えた。
    そして、当時の警察白書、犯罪白書をみたところ、『確実に増えている』という主張には疑問を抱くようなデータを目にした。
    少年少女に、善悪を考える上で、当事者意識を引き出すためにこうした書き方をしたのかもしれない。
    あるいは、筆者の主張を鵜呑みにせずに自分で情報収集を行い、考えて欲しいと思っていたのかもしれない。
    だが、こういう統計情報は『正しく』伝えるべきなのではないかと感じた。

  • どうもしっくり来ない本だった.
    全般的に「それって言葉の定義の問題では?」と思う所が多い.故に,言いがかりというか,屁理屈に聞こえる.前提条件と言葉の定義をしっかりしてから議論すべき.

    良いなと思ったのは2箇所.

    呼吸も消化も自分が意図的にやっている訳ではない.では誰がこの体を行きているのか?
    →人が何かに「生かされている」ということを,無意識の生存活動を根拠に証明してる.

    考えることで,自分の思い込みから自分を解き放てる.
    →私達は,自由を得るために考えるのだ.

    • Keitoさん
      別にあなたの感覚にケチをつけるつもりはありません。ただ池田某のことばを受け継ぐひとりの人間として、あなたの懷いた感想にわたしのことばで応じや...
      別にあなたの感覚にケチをつけるつもりはありません。ただ池田某のことばを受け継ぐひとりの人間として、あなたの懷いた感想にわたしのことばで応じやうと思ひます。

      ことばの問題・定義の問題でいいがかりに過ぎないといふのなら、なぜ池田某はあなたの言ふ屁理屈といふものを感じたのでしょう。
      あなたは池田某のことばを屁理屈だと決めつける前にそれを考へ、述べるべきです。

      誰かひとりでもいつでもどこでも明晰さが感じられないものとは絶対のものにはなりえない。池田某は、生きることの明晰さとは何なのか読者である子どもに問ふてゐるのです。
      生死・存在といふのは果たして本当に自明のことなのか。池田某の問ひは別に言いがかりでも屁理屈でも定義の問題でもなく、ただ一点そこにつきます。そして、その問ひは池田某ひとりのものではなく、脈々と続く考へる人間すべての問ひです。あなたの言ふ屁理屈とやら通るなら、それはあなたが理屈を知らないからだと思はざるを得ません。

      あなたの言ふ理系の科学とやらでもさうでせう。1はどこでもいつでも誰にとつても1であるという明晰さを持ち合はせています。それは数字や科学が明晰さを売りにつくられたものだからです。しかし、「生きる」こと「存在する」といふことは事情が異なります。それは人工的につくられたものではなく、どういうわけか先天的に生じてしまつた現象だからです。

      どうして今・ここに存在するのがわたしでなければならなかつたのか、誰ひとり説明なんぞできない。にもかかわらずわたしたちは今・ここで生きてしまつてゐる。あなたの求める明晰な定義などどうしてできやしませうか。ただできる定義は、少なくとも今わたしは死んでない、そのことだけです。(これは論理哲学者ヴィトゲンシュタインやヘーゲルも同じことを述べています。)
      逆に、あなたの求めるやうな明晰な定義ができやうものなら、それこそただのまやかしであり、命をもちことばを話すあなたといふ人間自身に対しての一面的な狹い理解にすぎません。哲学は、人間存在すべての理解であり、部分的な理解なぞ求めてゐない学問であると池田某は信じて生き、そして伝へたのです。
      2017/11/15
  • 惜しいな~

    タイトルに違わず、中高生に向けた哲学の授業です。

    正直、出だしは凄く面白かった。

    生きていることは素晴らしい!or つまらない!
    は自分が決めることだ。

    確かにどんな金持ちでも、その人はつまらない人生かもしれないし、また逆もしかり。

    つまり、人の目を気にせず自分の価値観で生きてこうと…うーん納得。

    なのに読み進めると屁理屈にしか聞こえない例えが多くて食傷気味。

    オヤジには、14才向けの語り口も厳しかった。
    何故かこうである!とか決めつけの主張が出てくるのも鬱陶しい。

    哲学って、始めは脳ミソの使ってない部分が刺激されてスッゴク面白いんだけど、結局何の役にも立たないし、答えなんか無いしで飽きるんだよな~。

    中二病か哲学好きにだけオススメします。

  • 論理が雑というか、強引…。
    「こういう考え方もできるよね」という反論がいくらでもできそう。
    教育的配慮なのか、自分がこの本を読むのに年を取りすぎたのか。

    とはいえ、感じることや悩むことと考えることが別物だということを子供に教えることは必要。
    「もし本当にそれがわからないことなのだったら、君は、悩むのではなくて、考えるべきなんじゃないだろうか。」(9頁)

    「最近は、少年少女、君と同じ年齢の人による殺人が確実に増えている。」(152頁)
    ちゃんと統計読んだの?数十年前と比べれば激減してるし、発刊前後だけ見てもほぼ横ばいだと思うけど。
    哲学者にはそんな細かい知識は不要なのかな。

    「人生が存在するということ自体が奇跡なんだから、そこで味わう苦しみだって、奇跡だ。」(183頁)
    その前の部分を含め、まったく論理的ではないけど、なんとなく好き。

  • 哲学というと難しいくきこえるが
    要は自分の力で考えて何故そうなのか常に疑問をもつことで新しい発見や気付きがあるのでしょう

    14歳には結構難しい内容だと思うが
    大人でも充分読みごたえがある

    今や何でのインターネットで調べられる世の中改めて考える大切さを感じる

  • 図書館で借りた

    容易な言葉で書いてあるのは評価できるが、やはりわたしは14歳ではなかったということで(苦笑)14歳のときにもし読んでいたら、かなりはまっただろうなと思うけど、もう41だからね。さすがにね。

    あと、その他の言葉にはやたら敏感なのに「精神」だけは説明もなく「あるもの」として使われてたことがちょっと引っかかった。

    ただ、根本的な「考え方」自体は学ぶところもあった。

  • 二章、三章は本当に「なるほど!」と唸らせられた。しかし、それは飛躍しすぎだろ・・・というのも多く散見されます。価値ある一冊。ただ成人してるのに、無理して通読すべきかと言われたら、ちょっとなあ。

  • 自分とは何なのか?
    なぜ意味は通じるのか?
    人を殺してはいけない理由は?

    などなど当たり前なことについて、考えるきっかけをくれる本でした。しかし、言葉は簡単ですが、なかなか言っていることが難しく理解しにくいところです…汗

    分かる=考え方や価値観が変わる、という見解はなかなか興味深かったです。確かにそうかも〜って思いました。

  • 哲学「用語」を使わずに哲学を教えてくれるという、中学生向けの本。第一部は「自分」を巡る不思議を考えさせておもしろい。第二部以降は、道徳の教科書を読ませられているようで(実際に道徳の教科書なんですが)、息が苦しくなってきた。

  • タイトルに惹かれて借りました。人間って。うむむむむ。と思いました。

  • 生きることを考えてみる、当たり前のことを思い出させる一冊。

  • 言葉は難しいなと思った。あまり意味がわからなかったので今度もう1度読んでみます。

  • A先生から高校生の時にもらったもの。読んでいてわかりやすかった。

著者プロフィール

1960年東京生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科卒業。文筆家。専門用語による「哲学」ではなく、考えるとはどういうことかを日常の言葉で語る「哲学エッセイ」を確立して多くの読者を得る。とくに若い人々に、本質を考えることの切実さと面白さ、存在の謎としての生死の大切さを語り続けた。著書多数。2007年2月23日没。

「2022年 『言葉を生きる 考えるってどういうこと?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

池田晶子の作品

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