苦しみをなくすこと―役立つ初期仏教法話〈3〉 (サンガ新書) (サンガ新書 10 役立つ初期仏教法話 3)
- サンガ (2007年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
- / ISBN・EAN: 9784901679367
感想・レビュー・書評
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スマサーラを初めて読んだのは2012年のこと。私が受けた衝撃は大きい。日本仏教の欺瞞が暴かれたような心地がしたものだ。クリシュナムルティを知ったのが2009年で仏教に対する熱はかなり冷めていた。しかしながら仏教とブッダの教えは違った。南伝仏教(上座部、テーラワーダ)は生き生きとしたブッダの言葉を伝える。
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欲や怒り、嫉妬、恨み、落ち込みなどの感情で性格が変わった場合、世の中すべてをそういう目で見ることになる。
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「苦しみをなくすこと」と銘打たれているが、「苦しみを見つめること」と読んだ方が、我々一般人には良さそうだ。本当は仏陀もスマナサーラ氏も、「苦しみに満ちた生を逃れ、解脱すること」という仏陀の根本教理を説きたいのだと思う。よってこの本は輪廻転生論をバックボーンとする、仏教の宗教論に入り込む訳で、宗教色の薄い現代日本人には読みにくい部分があるのではないか。
最初に最も読みにくい話、宗教批判から始まる。仏陀の時代にはキリスト教もイスラム教もなかったが、バラモン批判やジャイナ教の苦行徒批判は原典にも出てくる話。ただ信じれば天国に行けるとか、苦行すれば業がなくなるとか、そういう安易な信仰は仏陀の立場ではない。あくまで理性的に、目の前にある苦を見つめなければ、決して苦から救われることはない。
後半にも若干わかりにくい話が混じるのだが、四聖諦の一番目、苦諦(この世は苦であること)が腹に落ちれば、啓蒙書としては充分かもしれない。日曜日に服を買っても、或いは遊園地に行っても、決して快楽は長続きせず、むしろ新たな苦を抱え込むだけである。だからむしろ、捨てることに目覚めるべきだ・・・という教えは正直、目からウロコだった。
仏陀の弟子たちのように、全てを捨てて真理に生きることは現実には難しい。ただ、何故そこに見えない快楽があるのか、に思いを致すことは有意義かもしれない。 -
私にとってなんの参考にもならず、途中で読むのをやめた記憶。
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他宗教のおかしな点を論理的に解説。あるかどうかもわからない死後の楽園を語るより、今持っている苦しみをなくすための方法を探る仏教の利点を唱える。
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この手の本は、小説を読みつかれたとき、また、病院の待ち時間などにもってこいの新書ですので、チラチラと読んでいました。
とにかく、このタイトルを見て書店で手に取りましたので、そのときは、なにか僕は、悩んでいたのだと思います(笑)。・・というのは、半分?冗談で、芥川賞作家で禅宗僧侶の玄侑宗久さんとの対談本で、この著者を知り、読んでみました。
この著者は、スリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)の長老で、数多くの著作のある人です。
本の内容は、仏教的に世の中を見ると、生きると言う事は、「苦」でしかありえないのだということを延々とわかりやすく説いていらっしゃいます。
生きるとは苦だからこそ、変に幻想を抱かず、あらゆる執着心を捨てることで、楽に生きることができる・・・という仏教の基本。これをズバッとストレートに言えるのも、日本人ではない著者だからできることなのかもしれません。
仏教の教えは、宗教と言うよりも哲学・道徳として僕はとらえることが多いのですが、この荒んだ世の中、今こそ、心の平安が求められるのかもしれません!!