- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784901679787
感想・レビュー・書評
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<超能力者の生き方>
これを読む前、ちょうど、テレビで「ナナセ」をやっていて、これは「ナナセ」のその後の話のような気がした。他人の情報を読み取る能力を持つ人間を集めて仕事をする会社が、ここでは生きている。
能力者、雨宮ジンの仕事(転写)をした客が次々に突然死をしていく。会社は彼を見張るために最強の力を持つ戸田フミを送り込むのだが、やはり、突然死が起きてしまう。
そして、実はその能力者自身の肉体にも変化が起きてきていた。戸田フミはその謎を追うのだが…。
超能力の代償というテーマの中で、システムと戦おうとする彼ら、彼女らの姿は、実は、個々人の幸せとはなにかというテーマにつながっていく。
しかしTVの「ナナセ」のあの終わり方はなかったなあ、といまだに思ってしまう。
2009-02-04 / 小川三郎詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
表紙が気に入って、というか怖そうで。。。手にとってしまいました。
何かが起こりそう。。。。そんな予感でわくわく。。。
人の頭の中を読む(?)のが仕事という、なんとも怪しくて不思議な話で、
ある組織では、その能力を持った人だけが集められ、訓練される。
しかし、その能力を使いすぎたりすると次第に自分も壊れていくという。。。
何がどうなっているのか、よく理解できないまま、読みすすめていくと、
この不可解さにどんどんはまっていくのです。
この先にはいったい何があるのか?!
期待通りに、いい感じに展開していくのだけれど、
何が目的か。。。ちょっとあやふやなところがあって、
えー?ここで終わっちゃうの〜?。。。。と、少々、消化不良気味。
スリルはたっぷり味わえましたけどね。
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現代の日本とは少しだけ異なった世界を舞台にしています。
軍事化が進み、貧富の差が格差社会となり、そこから脱出するために大学に行こうとするもお金がない。そこを軍が何年か奉仕したら費用等々まかなってくれるというおいしい話をぶら下げ下級層の若者たちが戦争に借り出されているという。アメリカでベトナム戦争あたりのような舞台設定です。
主人公たちは「転写」という超能力のような力で人の情報・記憶を読み取ってしまいます。その力で特殊法人に雇われますが、その力を使い続けると体に変調がきたしていきます。つまり「コワレモノ」となっていくのです。
超能力を題材にした小説というよりも使い捨ての駒のように扱われるのは下級層だという現実が胸に残る小説でした。
ここまできたらもっとなにかしら突き詰めてほしかった。提示して終わりという感じがしました。
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0218129666