百年の愚行 ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY [普及版]

  • Think the Earthプロジェクト (2002年4月22日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901818001

百年の愚行 ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY [普及版]の感想・レビュー・書評

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  • 深く深く考えることが出来る本。

  • 20世紀を象徴する人間の愚行の数々を、並べる写真集。
    21世紀に入って10年たった今だからこそ、手にとってみました。

    戦争、環境破壊、貧困の放置・・・結果のみ見れば、確かに「愚行」なんだけれど、愚行を直接deliverした人々は、多くの場合写真に写っている対象に対して、直接にその「愚行」を意図してはいなかったと思う。
    何か違うことを頭に描きながら(それは大義であったり、利益だったり、信念だったり責任だったり、単なる慣習だったりするんだろう)、それぞれの行為を意味づける理由を胸に、実行してきた。
    映された「結果」から時間軸をさかのぼって、結果を「招いた」人のそういった感情の欠落、無自覚さ、鈍感さを察して、グロテスクに感じるのだと思うんです。
    と同時に、そのパラレルの平面に、私自身がいることもまた察して、グロテスクだと思うんです。
    精神的にも肉体的にも時間的にも、「現場」は遠い。でも、仮に今数メートル先が「現場」になっていたとしても、今の私は気付くのか?加担してても無自覚だと思います、だって現に今この瞬間がそうだから。
    ふと、T.S.Elliotの以下の言葉を思い出しました。
    Half of the harm that is done in this world is due to people who want to feel important. They don't mean to do harm. But the harm does not interest them.


    写真を通して想像されるもの・・・自分自身の立ち位置から、現場までを繋ぐ糸があるのかどうかということを、立ち止まって考えること。
    その解釈作業のために、写真は今も意味を持つのだと思う。
    そういう意味では、こういった写真は、人の思考のために材料化された、演出の象徴でしかないんだろうけど。

    この本を読んだから、環境運動に従事しようとは思わない。明日からの生活、何か変わるかと言われれば、正直変わらないと思います。
    でも、自分の仕事や日々の暮らしという単位ではなく、もっと広く、長いスパンで立ち位置を捉えるきっかけにはなるかと。

    この本を本棚に置き、21世紀の半ばに差し掛かった頃、また開いてみたい。
    原発事故、北朝鮮やアフリカの飢餓、少しさかのぼれば9,11のテロ、メキシコ湾の原油流出・・・今世紀入ってからも、人が他者(人間以外の生物も含め)に対して犯す行いは多く、それらに関する映像は、前世紀より確実に私たちの目を慣れさせてる。
    あと40年。私はどれだけのことを、自覚的に捉えていけるんだろう。

  • 以前から読んでみたいと思っていたが、今日たまたま書店で目に入ったので読んでみた。
    読んでみて、まず「もっと早く読んでおくべきだった!」と思った。

    「愚か」ということは、一体どういうことなんだろうか。

    思慮のない行い?
    今さえ良ければ、自分さえ良ければという思考に基づいた行い?
    自己満足的な欲望に基づく行い?
    他人を傷つける行い?
    何かをひどく犠牲にする行い?
    傲慢な行い?

    ではどうして人間は「愚か」な行動をしてしまうのだろう。

    取りあえずいま楽をしたいから?
    ちゃんと考えようとしないから?
    足ることを知らないから?
    想像力が足りないから?
    知恵が足りないから?
    謙虚さが足りないから?
    自分さえ良ければいいと思うから?

    どうしてそういうことになるのか。

    忙しいから?
    欲望に突き動かされてるから?
    人間という種の欠陥?




    この100年がことさらに深刻だったのか、昔から人間は愚行を繰り返してきたのか。


    僕たちは常に深刻なことを考えて生きているわけではないけれども、
    実際の世界では、こういうことも起こっていることを、頭のどこかで認識していたい。
    その上で、笑ったり、泣いたり、何かを作ったりしていたい。


    しかし人類にも救いがあると僕は思う。
    それはこうやって自分たちを批判的に見る目を持っていることだ。

    もし自分たちをまったく疑うこともなく、万能だと思い、正義だと思い、突き進んでいたなら、
    人類は既に生存していなかったかもしれない。

    ギリギリでなんとか自制心がある。
    そして反省もする。(忘れもする)
    自分たちを批判的に見る目をもっている。

    そこが人類の救いだと思うし、だからこういう本も出版される。


    ただ僕は思うのだが、こういう本を作るのならその対極として
    『100年の善行』という本もあっていいのではないだろうか。

    人間だって、さすがに愚かなことばかりをしているのではないだろう。
    愚行に比べると善行は少ないかもしれないが、その両方を合わせて見ていかなければ、
    人類の本当の姿は見えてこない。

  • 20世紀世界史を写真と共に振り返る一冊。
    科学技術の進歩は確かですが、人類は緩やかに衰退しているのではないかと恐怖しました。
    かつて21世紀の未来科学に夢を見て期待した世代も、科学だけでは解決できない宿題が山積していることに気付き始めています。
    21世紀(2001-2014年)の写真集「続・百年の愚行」に続きます。

  • 友達のおすすめ。油まみれのペンギンからベトナム戦争まで、いろいろ載っていて衝撃的だった。

  • 文明の犠牲を綴った写真集。自然破壊、生命の軽視、戦争による愚行を 写真で見せられると 怖さ、後悔、反省、無力感、日本でよかった 、生きててよかった といった 感情が混じる

  • 人間は文明を発展させながら「自然破壊」という副産物を生み続けてきた。愚行の歴史とは、その「副産物」を当然のように発生させ、そのうちおかしいと感じ、向き合い、削減へ取り組む、という、まさに人間の変遷反映と言える。

  • --読書メモ 2015/10/19--
    ・ここ百年の社会問題を写真で表した本

  • 写真というものにはインパクトと説得力があるが、それ故に使い方に気を付けなければたやすくミスリード、捏造が可能となる。画像にはかなりショッキングなものも含まれており、閲覧注意。刊行後、十余年を経て、現状どうなっているのか、目まぐるしく変化する今日では、小まめな続報が待たれる。

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