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- Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
- / ISBN・EAN: 9784901919012
感想・レビュー・書評
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再読。ユーラシアを旅した作家の記憶の紀行文。文章も写真も日野啓三ならではのフィルター越しに現出する。ただ、いつもの冷え冷えとした無機質的なロマンもここではどこか甘ったるいセンチメンタリズムに侵されている。特に後半は死に際での執筆からなのか、切り取られた風景に無理矢理の無限性を美化して閉じ込めているように思えた。言葉の稚拙化を感じずにいられなかった。それは最後に振り絞った魂の迸りゆえなのかもしれない。それでいいと思った。きっと満たされた生涯であったろうと、私は甘ったるいセンチメンタリズムに浸るのだった。
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