はじめの穴終わりの口

著者 :
  • 幻戯書房
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本棚登録 : 42
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901998604

作品紹介・あらすじ

井坂洋子の詩の世界へつながる自叙伝的エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 詩と同様、エッセイからも生きる力をもらえる。光、とか強さ、とかの類ではない力。

  • ★3.5。深いなぁと思わされるところが多かったし,全体的に好感が持てた。お父さんと蜘蛛とか,巧いなぁと思うところも多し。最初は慣れなかった詩も,段々読めるようになった気がする。

  • 一篇の詩から連想をつなぐ井坂洋子さんのエッセイは、ちくまの広報誌で出会ってから大好きになりました。目に見える世界の外をのぞかせてくれるような詩の力が、日常の現象にかかわるエッセイからさらによく見えてきたりする。
    高橋千尋さんの挿画がまた素晴らしい。造本もていねいで、しみじみいい本だなあと嬉しくなります。

  • 言葉を生業にする人だけあって、この人の感度はとてもいい…と、素直に思える。
    『噛めば噛むほど』で紹介されていた「夜 松井啓子」の詩と解釈が、ダイアローグの本のイメージの一部。食べる、という行為のつながる愛の交歓。

    加害者は忘れ、被害者は忘れないということについて考えていたときに、こういうものにまためぐりあうので、本を読む順番の神さま、ありがとう!

     責任を、人間は本当には背負いきれないのではないかと思った。…略…
     人間は多分、そんなに理に適った生きものとしてできてはいない。…略…
     …略…人はあまりの重圧には耐えられない。身も心も感覚も、誠実に引き受けたならノイローゼになるか自滅するかだ。
     罪をおかしてしまった自分の、その責任の所在とはいつも空白の席なのである。


    p138
    身体のために少食になっていた時期に、甘いものを食べてしまったときのこの感覚がいい。

    私は私に甘い。しかしその失望の味を、あの日のみつ豆は上回ってあまりあったのだから、仕方ないのである。

  • じっくりと味わうように読みました。

  • 幾編かの詩を取り上げ、1編ごとにその詩や詩人の世界の紹介を交えつつ、著者の日常や感性が綴られていく。とても自然な文章なのに、的確で繊細で深くて、その上質さに胸が躍りっぱなし。こういう文章を読むと心底幸せで嬉しくなる。独特の雰囲気と上品さを兼ね備えた装丁も素晴らしく、眺めているだけで心が弾む。愛すべき1冊、大切に読み続けたい著者の存在がまた一つ増えた。

  • 井坂さんの新刊。

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