ナイトランド 5号 (春2013)

制作 : 山野辺 若  YOUCHAN  髙木 桜子  佐竹 美保  藤原 ヨウコウ  松山 ゆう  上院 芭郎  槻城 ゆう子 
  • トライデント・ハウス
4.00
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本棚登録 : 14
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・雑誌 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784902075496

感想・レビュー・書評

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  • 創刊から無事に1年目を乗り切っての第5号。
    今号から増ページになって、海外の大物作家のインタビュー+発掘作品、それに日本のSF黎明期の作品を採り上げていくという、新企画2本立てはけっこううれしい。

    昨今のSF、サイバーパンクってやつと自分の嗜好とは、やはりどうも合わないらしい。ハマる人はハマるのだろうけども。

    詳細はこちらに。
    http://rene-tennis.blog.so-net.ne.jp/2013-05-17

  • 待望の5号は32頁増量!いやー喜ばしい。例によって読み切り中心で感想。
    「棺職人の娘」アンジェラ・スラッター 英国幻想文学大賞受賞作。現代的なコミックぽい視覚的イメージのある短篇。主人公と死んだけど付き纏う父親との掛け合いが楽しい。
    特集サイバーパンク/SFホラーの4作。
    「エレクトリック・アイ」ローレル・ハルバニイ ハッカーがネットワークからひいいきのアイドルをストーキングする話。いわゆるホラーっぽさは薄いものの軽妙な筆致の中に潜むイヤさ加減はなかなかのもの。ネタ的に現代日本とシンクロしているのも興味深い。
    「切断された男」ブライアン・M・サモンズ オカルト事件を追う探偵ハードボイルドものだが、断章形式を言葉の連鎖でつないでいくかなり技巧的な作品で、デキる人とお見受けした。
    「快楽空間」グリン・バーラス タイトル通りのエロティック・サイバー・ホラー。特集解説にもある様に、サイバーパンクは意識や身体変容を描いているからその分変化への恐怖心とも結びやすくホラーと親和性が高いんだな。本作にもそれが現れている。
    「ブージャム」エリザベス・ベア&サラ・モネット 宇宙海賊の話でクトゥルーものなのか。船のアイディアなどSF的にもなかなか面白いがちりばめられたキーワード元ネタがあまり分からないのがもどかしい。さらにクトゥルーと関係があると思われない、エンターテイナーの歴史を変えた稀代のパフォーマー<ジョゼフィン・ベイカー>の名前が鋼鉄船に使われているのはなぜ?それとも関係あるの?
    以下2つの連続企画。
    ‘ホラーの巨匠・作品とインタビュー 夜の声1’ロバート・ブロック
    「夢の窓」 ひきこもり始めた娘の心の中は・・・。ブロックってスパッと展開していくイメージがあったけど、この作品は割とじっくりしたホラー。ただオチの切れ味はこの人らしい。面白かった。
    「ラブクラフトからハリウッドまで」 1979年掲載されたインタビュー。明解な回答が多く理知的な人であることが分かる。道徳的な作風と自己認識していること(コンパクトなホラー論にもなっている)、SFを書くのは得意ではないこと(科学的知識は多くないとのこと)などの話が印象に残る。
    ‘センスオブ・ホラー、ブラッド・オブ・ワンダー’第一回小松左京
    「海の視線」 日本SF作家のホラー短篇を発掘していくコーナー。小松左京のホラー作品の質の高さは有名だが、これはまた<コズミック・ホラー>の風味があって良いね。いわゆるクトゥルーものではないのだけれど、読み応えのある井上雅彦さんの解説にあるようなクトゥルーと日本SFの関わりみたいなものは全く意識していなかったので非常に新鮮だった。クトゥルーものはもっと読まないとなあ。
    もう一篇。
    「Play of Color」石神茉莉  失踪した妻の謎が次第に明らかにされじわじわと高まる緊張感がいい。これも面白かった。

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著者プロフィール

1956年、札幌市に生まれる。出版編集者として幻想文学、魔術書の数々を企画、編集。1986年に『魔教の幻影』で小説家デビュー。以降、ホラーをはじめ、ユーモア格闘技小説、時代伝奇小説、妖怪時代コメディなど、幅広いジャンルで活躍。代表作に『Faceless City』『邪神帝国』『金閣寺の首』など。2006年「東山殿御庭」が日本推理作家協会賞候補となる。〈ナイトランド・クォータリー〉に創刊号より《一休どくろ譚》を連載中。近年はトークイベントにも出演、歯に衣着せぬコメントでファンを沸かせている。

「2017年 『アシッド・ヴォイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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