なぜ日本人は、こんなに働いているのにお金持ちになれないのか? _21世紀のつながり資本論

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  • いろは出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784902097795

感想・レビュー・書評

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  • 「お金とは何か」という答えを見つけるために、世界各国を旅した筆者。訪れたそれぞれの国ごとにお金にまつわるエピソードがあり、ためになる。肝心のタイトルに対する答えについては、「信頼」が一つのキーワードか。

    本の内容からは、サブタイトルにある「21世紀のつながり資本論」が主題であるような気がする。

  • お金に対する不安感はあまりない方だと思ってきたけれど、やっぱりどこかで私も「お金をほしい」と思うのはよくないことだと思っていたのかもしれない。もっとうまくお金と向き合って、活かしていきたい。まずは、よくわからないままに、とても苦手意識のあった「投資」にチャレンジしてみようかと思わせてくれた1冊。

  • 面白かった。
    信頼。つながりキャピタル。道具。
    でも、なんだかしっくりこないところもある。
    なんだろう。読みやすいし、ポジティブ。ただ、なんだか底が浅いようにも思えるのかな?

  • 内容が薄かったです。
    40か国回っても、滞在期間が短ければ、上辺しかみえないのでは、、、
    また、題名と内容が違うところもダメと思います。
    次作を期待しています。

  • お金=信頼
    自分と人を幸せにする為の道具
    ×他者を支配するために使う

  • 世界のお金の歴史も面白くて勉強になった。

  • きっとこの人は旅をして、今までのことを振り返って最後にたくさんの人に支えられていたんだ僕は!って感動に浸りながら今までの知識を活かしてこの本を書いたのだろうけど、
    結局実があるのはその感動だけで、のこりはなにも言ってないに等しいのではと思ってしまった。

    証券会社時代のことを売りにして本書を出しているけど、本書を読む限り証券会社は肌に合わない人だったのではないかと勘ぐってしまう。

    ただ参考文献に良書が多そうなので、それをあたってみようと思う。

  • 「お金を稼ぐことが目的になってしまってる」「お金の裏にある繋がりを大事にしよう」など、他の書籍でも見かけたような言葉が多く並んでいた。

  • 題名に対する答えは載っていないが、生きる上で金の話を切っても切り離せない。ただ、その中でお金への価値観と目的は直結することと、投資と投機の話は勉強になった。チューリップバブルの話は本質的で分かりやすい。あお金はあくまでも媒体物としての道具だ。

  • 証券会社に勤務していたこの本の著者が、リーマンショック後に会社を辞めてから、2年間かけて世界40カ国を旅をして、ついに理解した「お金の仕組み」について書かれた本です。

    お金の機能としてよく言われる3機能(交換支払、価値尺度、蓄積可能、p104)ですが、著者は、インターネットを信頼の媒介物とする「お金を介さない交換」が、その機能を持つことで、新しいお金の世界の到来を予測しています(p279)。

    この点が私がこの本で一番知りたいポイントでした。現在私たちが使っている「お金」が他の新しいものに置き換えられる時代が迫っているのかもしれませんね。新しい考え方を与えてくれた本でした。

    コロンビアで身ぐるみ剥がされた恐ろしい体験をしながらも、それをインターネットを利用して克服したこの著者のバイタリティーに敬服しました。ピンチに遭遇した時の対応で、その人の大きさが決まる、という好例を見させてもらいました。

    以下は気になったポイントです。

    ・繋がりキャピタリズムとも呼べる新しいお金の世界について理解することで、お金を稼ぐ手段である「働く」という行為や、お金でつながる人々との付き合い方さえも、豊かになるという事実を伝えたい(p7)

    ・お金は本来、人間がより便利に、より幸せになるために生み出した、偉大なる発明である(p30)

    ・インド人に優秀なビジネスマンが多い理由の一つに、値札のない買い物という暮らし方が影響している(p45)

    ・世界で初めて一般向けの定価販売を始めたのは、日本の三井高利が開いた越後屋(後の三越)であると言われている(p47)

    ・お金持ち=幸せ、という方程式は成り立たない、とおいう意外な事実に気づいた(p53)

    ・リーマンは、返済支払に必要な資金を調達できずに、64兆円という史上最大の負債を抱えて倒産した(p67)

    ・現代に続くお金の源流が生まれた国、エジプト、貨幣が生まれた、トルコ、紙幣が生まれた、中国・イランを巡って、「お金とは何か?」という答えを導き出した(p79)

    ・お金という概念がなった時代は、一日のうち何割かは、どうしても食糧などの生活に必要なモノをつくる時間にあてなければならなかったが、お金を発明することで、働くという行為を多様で豊かにした(p102)

    ・紙幣の発行権は、その信憑性(重さ正しいか、混合物一定か)を補うに足りる武力と富を持っていた権力者に集中していった(p108)

    ・Aという商人が両替商に100枚金貨を預けると、預かり証として小切手をもらう、商人Aが商人Bと商品交換するときに、AはBに金貨を渡すのではなく、小切手を渡す。Bはこれを両替商にもっていけば金貨を受け取れる(p109)

    ・議会の監督下に経営権をおく形で1668年に設立されたのが現在のスウェーデン国立銀行、これ以降、中央銀行がお金を発行管理する仕組みが世界に広がった。1688年にはイギリスにイングランド銀行が設立された(p117)

    ・お金を受け取る前提として3つの信頼が必要、1)お札を作った人への信頼、2)交換する価値があることの信頼、3)他社がお金に対して寄せる信頼(p134)

    ・お金が価値ある実物との交換を約束されない不換紙幣となった現代においては、お金を稼ぐことも、お金を使うことも、本質的には「信頼の取引」となった(p136)

    ・現代のお金において知っておくべきことは、1)40年前につく出された仕組み、2)不換紙幣であり、信頼の媒介物となっている、3)信頼がなければお金を使うことすらできない「新しいお金の世界」が到来し始めている(p139)

    ・お金がないことと、心が貧しいことは別だということを悟った(p158)

    ・お金持ちになる、ということの本質的な意味は、人間が持つ、平等で絶対の資産である「時間」を自らのものとして使えるということ(p160)

    ・最も大切なことは、人と人との信頼関係そのものを醸成していくこと。お金とは自らが生み出した付加価値の対価として受け取るもの。お金を支払うことは、その相手に自らの信頼を渡すこと。なので必ずしも安ければ良いものではない(p179)

    ・ポジティブお金観をもったお金持ちは、お金を自分と他者が幸せになるための道具として使う、それを通じて、誰かを喜ばせ、信頼関係を築くことで、さらにお金が増えていくことを知っている(p201)

    ・お金が欲しければ、まず、お金を稼ぐ(働く)ことは、お金を使うことを通じて、他者との信頼関係を築くこと。信頼関係のあるところにお金は集まってくる。お金が「信頼の媒介物」であるという意味(p203)

    ・ボリビアのポトシの銀が欧州へ大量に運ばれ、そこで初めて、世の中に「金余り」という状態が生まれた、そして、投資・投機する必要に迫られた(p221)

    ・ポジティブお金観を持つ人は主に「投資」、ネガティブお金観を持つ人は「投機」を行っている、お金を託す行為自体もそれに向けた姿勢と方法が異なるので(p224)

    ・お金を持っている側は、「いつまでも待てる」という、お金の不変性に基づいた絶対的な交渉力こそ、お金だけがもつパワーであり、お金を借りることに利子がつく根本的な理由である(p246)

    ・ポジティブお金観を持たずに、自給xxx円という仕事に何の疑問もなく時間を費やして、そこに学び、信頼関係を築くといった意識を持たずにいると、それは単に自らの生命(時間)をお金という便利な道具を手に入れるために交換していることと同じになる(p247)

    ・リーマンショック時に世界の金、株式、債券、実体市場の合計が、約1.3京だったのに対して、店頭デリバティブの想定元本合計は、4.93京円と言われている(p251)

    ・2014年現在で、世界におけるインターネット利用者は約29億人(Facebook 12.8億人)、インターネット普及率は先進国78%、途上国32%、人口比ではインターネットユーザーの3分の2は、途上国の人(p265)

    ・カウチサーフィンのサービスのポイントは、ホストもゲストも互いを評価し合い、その結果が公開されているという点、つまり「信頼の可視化」である。この仕組みを利用する上で大切になるのは、可視化された情報をもとにホストが信頼できる人物かを自分の目で見極められる必要がある(p273、274)

    ・カウチサーフィンには、バウチ、という機能が備わっている。特に信頼できる相手には、宣言とともに、誰をバウチしているか、どんな評価を受けているかを確認できる(p274)

    ・インターネットがお金に代わり「信頼の媒介物」となると、私達の「所有」という概念が大きく変化する。従来のお金を媒介として「交換」ではなく、共感をベースとした「共有」、さらには「消費」ではなく、「共創」へとなる(p280)

    ・お金にまつわる行動を新しくすべき時のポイントは、1)時間的・空間的な制限からの解放、2)つながりを自ら選ぶ時代、3)加速するシェアの文化(p285)

    ・だれと共感し、つながるか?は、「だれと、何を共有するのか?」を決定づける。私達がつながる相手が大切にしている価値観は、彼らがどんな技術やリソースを持っているかを決め、その技術はリソースが互いに共有できるものとなるから(p291)

    ・つながる相手として、何を大切にしたいと考えている人を選ぶのか、この選択が、つながりを自由に選べる時代において重要になっている(p292)

    ・お金を介した交換で他者から手に入れた商品やサービスを自分一人で消費することに、それほど大きな喜びを見出せなくなっている。消費という行為そのものは、私達自身を真に豊かにすること、信頼関係を築くことにつながらないと気づき始めたから(p295)

    ・他者との「つながり」が資本となり、新たな仕事や豊かさをもたらす世界、「共感し、共有し、共創する」ことで、つながりを多様で豊かなものにし、結果として「お金」が集まってくる世界=つながりキャピタリズムの時代が到来している。この変化は、私達の「働き方」へのパラダイムシフトを起こし始めている(p297)

    ・墓場で一番の金持ちになることは私には重要ではない。夜眠る時、我々は素晴らしいことをしたと言えること。それが重要だ、スティーブ・ジョブズ(p310)

    ・数値化できない「信頼を見極める力」は、肉体を用い、五感で「感じる」経験を通じてしか、磨くことはできない(p315)

    ・私達が手にしたお金は、私達が築いてきた「自らを信じてくれる人」と「自らが信じる人」との信頼関係そのもの(p337)

    2015年7月26日作成

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