森のおくから: むかし、カナダであった ほんとうのはなし

  • ゴブリン書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (38ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784902257342

作品紹介・あらすじ

きっと、ずっとわすれない。
人間と動物をへだてていたものがなくなった、あの日のこと──。

これは、いまから100年ほど前に、カナダでほんとうにあった話です。
アントニオは、深い森にかこまれた、みずうみのほとりにすんでいました。近くに子どもがいなかったので、アントニオの友だちは、はたらくおとなたち。動物をさがして、ひとりで森を歩くことも好きでした。ある夏、おそろしい山火事がおきました。にげる場所は、ただひとつ──みずうみです。人間も、動物も、必死に生きのびようとしたそのとき、アントニオの目の前で、思いもよらないことがおこったのです……。
人間と動物の思いがけない出あいを繊細に描いた、胸に迫る絵本です。

感想・レビュー・書評

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  • この話を女房にしたら結構感動していたよ。カナダのゴーガンダ湖のほとりのホテルの子どものアントニオがおじいさんになって、孫に話した1914年に起こった本当のお話。山火事になって、ホテルの人たちが湖の中に逃げたら、森の中のキツネ、ウサギ、ヤマネコ、アライグマ、オオカミ、シカ、ヘラジカ、ヤマアラシ、フクロネズミ、クマたちも森から出てきて湖の中に避難した!!山火事が収まったら、動物たちは帰っていったそうだ。なんて不思議なびっくりする話なんだろう。絵も素晴らしいよ。

  • 災害を前にしたら人間も動物も同等。
    余計な殺生は行わない。
    心の深いところの記憶に残るお話。

  • カナダであった実話。
    1914年、カナダの森の中にある小さな町。
    そこのゴーガンダ湖のほとりでホテルをやっていた母と住んでいたアントニオは、5歳になる夏に山火事をみる。
    そこに住むすべての人、さらには森から動物までもが次々とみずうみへと入る。
    人と動物たちとの間には、何の隔たりもなくいっしょにみずうみの中にいるのだ。

    不思議なんだけど不思議さがまったく感じられない。
    誰もが、自然に生きようとしている姿。
    そこには人だとか動物だとかは、関係ない。
    生きていくということ。
    みんな生きていこうとすることに不自然なことなどない。
    なんと力強い絵本なんだ。

  • 〝きっと、ずっと忘れない。あの山火事のこと、みんな腰まで水につかって火を逃れたときのことを...鮮やかに浮かんでくるのは、目の前にいた動物たち。人間と動物を隔てていたものがなくなった、あの日のことを 〟・・・突然の山火事から逃げられる所は、湖の中だけでした。人間も、森の動物も、生き延びることに必死でした・・・これは、この絵本の作者レベッカ・ボンドの祖父(アントニオ・ウィリ-・ジロ-)の5歳の夏の、カナダでの実体験をもとにした、人間と動物たちとの思いがけない触れ合いが語られた、胸打たれる絵本です。

  • 人間を含む動物が本能的に持っている生きようとする気持ちを感じる本。
    自然の中で暮らしていた時代の人々の強さも感じる。

  • 作者レベッカ・ボンドさんの、おじい様、アントニオが自分の子どもたちに語って聞かせた、本当におこったおはなしです。

    子どもの頃のわくわくと、恐ろしさ、忘れられない森のホテルでの日々が淡々と、生き生きと描かれている。はなしって、こんな風に語り継がれ、素晴らしいものはきっと今も残っているのでしょうね。

    素敵な絵本でした。

  • 1914年にオンタリオ州ゴーガンダで実際にあった話。

    オオカミがシカの隣に、ウサギがキツネのそばにいます。
    人間とヘラジカも、からだがふれるほど近くに立っています。

    人間と動物をへだてていたものが、あの間だけはなくなっていた。

  •  1914年、カナダで発生した山火事。人々が湖に逃げ、燃え盛る森を見ていると、森の奥から……。


     図書館本。
     表紙とタイトルからホラーっぽく見えたが、なんと作者の祖父の実体験だそうで。
     なかなかすごい経験ではあるのだが、残念ながらそれ以上でもそれ以下でもない。へえー、すごいな、で終わっちゃうんだよね。私の感性、かなりヤバいわ……。

  • きっと、ずっとわすれない。
    人間と動物をへだてていたものがなくなった、あの日のこと──。

    これは、いまから100年ほど前に、カナダでほんとうにあった話です。
    アントニオは、深い森にかこまれた、みずうみのほとりにすんでいました。近くに子どもがいなかったので、アントニオの友だちは、はたらくおとなたち。動物をさがして、ひとりで森を歩くことも好きでした。ある夏、おそろしい山火事がおきました。にげる場所は、ただひとつ──みずうみです。人間も、動物も、必死に生きのびようとしたそのとき、アントニオの目の前で、思いもよらないことがおこったのです……。
    人間と動物の思いがけない出あいを繊細に描いた、胸に迫る絵本です。」

  • むかし、カナダであったほんとうのはなし

    ほんとうにこういう事が起きるのですね。
    人間と動物をへだてていたものが、あのあいだだけは、なくなっていた。

    当事者達は、どんな気持ちだったんだろう
    動物達は、どんな気持ちだったんだろう

    そんなことを考えながら読み進めていた。

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著者プロフィール

レベッカ・ボンド アメリカ・バーモント州の北西部に生まれる。現在はマサチューセッツ州のボストンに家族と暮らす。この絵本では、子守歌みたいにうとうと眠くなるような詩を書いた。『森のおくから むかしカナダであったほんとうのはなし』(ゴブリン書房)、『牛をかぶったカメラマン キーアトン兄弟の物語』(光村教育図書)、『ゆきがふったら』(偕成社)など多くの作品を書いている。その中には、子どもに初めての絵本を手渡すアメリカの「フライング・スタート」活動のリストに選ばれた作品もある。

「2022年 『ここが わたしの ねるところ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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