ライトハウス すくっと明治の灯台64基 (World architecture)

制作 : 藤岡 洋保  野口 毅 
  • バナナブックス
3.50
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本棚登録 : 20
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784902930320

作品紹介・あらすじ

断崖絶壁の険しい立地や、資材などによる制約をさまざまな工夫で乗り越えて建てられた灯台。歴史をたどれば、日本と世界の関係や発展を目ざす日本各地の人びとの想いが照らされる。
美しく、一級の歴史的資料ともなる写真と解説で、明治期から活躍する64の灯台を紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • これ、いいですねえ。副題の通り、明治期に建てられた64基の灯台がカラー写真で紹介されている。灯台って郷愁を誘うなあ。岬の突端に独り立つ姿に心ひかれる。

    大小さまざまな灯台がある。白いのが多いが、赤黒とか黄黒のツートンカラーのもある。小さな小屋がついていたり、丸い塀で囲われていたり、それぞれに特徴があって、見ていて飽きない。

    が、一番いいのは、断然わが故郷出雲日御碕灯台だ。これはもうダントツ。なんせ「世界の灯台百選」だからね(いや、この本で知ったのだけど)。すっきりそびえ立つ真っ白なその姿の優美なこと。周囲の景観もすばらしい。おまけに上までのぼれる。遷宮以来たくさんの人が訪れている出雲大社からは、海岸線をドライブして20分ほど。もっと知られていいスポットだと思う。


    ・日御碕灯台は、子どもの頃から、学校の遠足や子供会の行事や家族ドライブの定番で、周辺の海水浴場にも毎年行ったものだ。一畑電鉄(映画「レイルウェイズ」でおなじみ)系列の「一畑パーク」と並ぶ、二大観光地であった。二つ以外はなかったのだが。

    ・灯台の中をのぼれるのって他にあんまりないのでは? かなり急ならせん状の階段を上って、最後ははしごを直登する(のでスカートはやめましょう)。扉を開けて外へ出ると、眼下に日本海の深い緑色が広がる。ぐるっとデッキを一周できて、天気が良ければ遠く隠岐の島や伯耆富士大山も見える。ただ常に風が強い(のでスカートは以下同文)。キャーキャー言いながら下の人に手を振るのも楽しい。

    ・周囲の遊歩道は整備されていて、余計な看板や音楽なんかもなく、散策に絶好。見事な柱状節理の岩壁を間近に見ながら絶景を楽しめる。数十年前この遊歩道を整備するときに、海岸付近のかなりの土地について出店等を禁じたそうで、そのおかげだ。担当者が賢明だったのだと、県職員だった父が我が事のように自慢していたのを思い出す。ちなみに少し離れたところには売店や食堂が並んでいて、わたしの一番のオススメはイカの一夜干しです。 

    • たまもひさん
      いいですよねえ、灯台。
      ちょっと思いついたのですが、灯台文学アンソロジーってできないかしらん。冒頭はもちろんブラッドベリの「霧笛」でお願い...
      いいですよねえ、灯台。
      ちょっと思いついたのですが、灯台文学アンソロジーってできないかしらん。冒頭はもちろんブラッドベリの「霧笛」でお願いしたい。

      本書には、洲崎灯台や野島崎灯台は残念ながら登場しませんが(建設年代が違うのかな)、経ヶ岬灯台は出てました。小さな付属舎が可愛らしくて、どこかメルヘンチックなところがいいですね。
      豊後水道の岩礁にポツンと立つ水ノ子島灯台の写真が表紙に使われていて、その凜々しい姿に一目惚れして購入しました。
      ちょっと高いけど良い本だなあと思います。
      2016/02/28
    • yuu1960さん
      洲崎と野島崎は載っていないのですか。残念。

      灯台文学アンソロジー。
      僕も「霧笛」が頭に浮かびました。萩尾望都さんの漫画で読んだの...
      洲崎と野島崎は載っていないのですか。残念。

      灯台文学アンソロジー。
      僕も「霧笛」が頭に浮かびました。萩尾望都さんの漫画で読んだのが、ブラッドベリを知るきっかけでした。

      アンソロジーの一つに是非。40年ぐらい前に小室等さんの歌で知った詩です。灯台とは一言もありませんが。

      黒田三郎「苦業」

      ら旋階段をのぼる
      石壁にかこまれた
      くらい
      けわしい
      石の階段をのぼる
      小さなランプをぶらさげながら

      階段が尽きさえすれば
      水平線が見えるのである
      あ 階段が尽きさえすれば

      ら旋階段をのぼる
      石壁にかこまれた
      くらい
      けわしい
      石の階段をのぼる
      小さなランプをぶらさげながら

      とおいむかし
      白々しいウソをついたことがある
      愛するひとに
      とおいむかし
      2016/03/01
    • たまもひさん
      おお、これはまぎれもなく灯台。最終連がきいてますね。いいですねえ。しょうがないなあ、巻頭作はこれに譲りましょう。

      わたしにとって「霧笛...
      おお、これはまぎれもなく灯台。最終連がきいてますね。いいですねえ。しょうがないなあ、巻頭作はこれに譲りましょう。

      わたしにとって「霧笛」は、ブラッドベリと萩尾望都両方が分かちがたく結びついていて、そのことでより味わいを増している気がします。どちらも高校生の頃からずっと変わらず好きです。

      黒田三郎は「荒地」の同人でしたよね。最近ドラマ化もされた「荒地の恋」(ねじめ正一)を読んで、詩人とはなんとすさまじいものかと圧倒されたことを思い出しました。
      2016/03/02
  • たまもひさんの本棚で知った本。フェイスブックで古い友人が海の近くの風景を知らせてくれたりするので、灯台の風景が見たくなった。

    岩礁にへばりつくような白黒ツートンの灯台や海面から顔を出している灯台など。なかなか見られない風景を楽しむ。

    掲載されている中で見たことあるのは、小学校の遠足で行った銚子の犬吠埼灯台、
    30年ぐらい前に出雲の御崎神社近くから出る遊覧船からみた出雲日御碕灯台。
    最近では何となく半島へ行ってみたくなり、単身住まいの大阪から天橋立駅に行き、バスで訪ねた経ヶ岬灯台。夕方に最後のバスで帰ってきたのは、我ながら物好き。

    灯台が好きというより、半島が好きなので突端の見晴らしの良い景色を訪ねるとそこに灯台があると云いたいのだけれど、この本の写真のように孤高の姿は凛々しいと思う。

    (以下、本書に関係ないことを書き連ねます。)
    故郷の洲崎灯台や白浜の野島崎灯台は掲載されていないことはたまもひさんに教えて貰っていたけれど、野島崎は明治の建設。設計技師が違うからかな。中学1年の時だったけれど、母に連れられ野島崎の中を登ったら、前から新しい階段が次々現れ、無限の螺旋にいるような錯覚で目が回ったことがある。

    最近見た小林清親の浮世絵に九段の灯台の灯があった。明りが柔らかな絵だったけれど、何故九段に?

    最後に灯台に関する詩を2篇。
    大学時代に男声合唱団で草野心平の詩を歌ったことがある。その一篇が「エリモ岬」。

    炒卵黄(いりたまご)をまきちらしたやうな。
    エゾヒメタンポポの黄をふみながら。
    親子連れの野放し馬が草を喰み。
    向う遥かに木のないセピアのゆるい丘丘がつらなる。

    (あんなあとにこんな風景が展開するとは)

    ウルトラメールの深い海が。
    荒くはじけ。しぶきをあげ。
    泡だつ大波にゆらゆらゆれる昆布の黒帯。
    巌に並ぶ鵜の鎌首。
    ハクセキレイの稲妻の流れ。

    (こんな茫漠が現はれようとは思へなかつた)

    セピアの丘丘は重なり重なり海にのび。
    そのはじつぽのエリモ燈台。
    道南端の。
    白チヨーク。


    そして高校時代に買った小室等さんのライブレコードにあった黒田三郎の詩「苦業」

    ら旋階段をのぼる
    石壁にかこまれた
    くらい
    けわしい
    石の階段をのぼる
    小さなランプをぶらさげながら

    階段が尽きさえすれば
    水平線が見えるのである
    あ 階段が尽きさえすれば!

    ら旋階段をのぼる
    石壁にかこまれた
    くらい
    けわしい
    石の階段をのぼる
    小さなランプをぶらさげながら

    とおいむかし
    白々しいウソをついたことがある
    愛するひとに
    とおいむかし

  • 日本国内に現存する明治に造られた灯台。現役のものあり、記念館としてモニュメントとして残るものあり。どれもノスタルジックで、そしてたくましい。

  • 灯台は個性がたっぷり。

  • 建造物マニアの中でも灯台は一大ジャンルであろうが、本書はその入門書。
    明治期に建造された灯台64基を写真と180字程度の解説で紹介している。英文も併記。
    灯台の全体像や遠景だけでなく、内部の光源部や螺旋階段などの写真も載っているのが特徴的。

    行ったことがあるのは犬吠埼灯台と出雲日御碕灯台だけだが、フレネルレンズを見に室戸岬灯台へも行ってみたいなと思わされた。

    日本の灯台の父と言われているというリチャード・ヘンリー・ブラントンを初めて知った。

    日本の灯台の歴史や灯台の信号の出し方などの解説もあります。

  • 友人からのクリスマスプレゼント。日本に現存する、明治の灯台すべてを掲載した本。
    灯台のある景色を求めて、また旅したくなった。いつか訪れたいところがたくさん増えた。

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