限界集落ーMarginal Village

著者 :
  • フォイル
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レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784902943290

感想・レビュー・書評

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  • 2008年刊行。

     個別地域事情インタビュー+フォトレポートの書である。しかし、ただそれだけだ。
     田舎へのノスタルジーと情緒だけでは処方箋たりえないし、問題提起としても迫力不足。
     限界集落を維持するコストとメリット、維持しないことにより生じるコストとメリット、発生するコストを誰が負担するか、これらが考えられなければならない要素なはず。しかし……。

  • 300322674  318.6-カジ

  • 「限界」という言葉からイメージされる恐ろしさよりも、写真の集落は、評者には近しさのような感覚を起こさせた。山の上からのぞむ田畑や緑の色、少し壊れた小屋などは、自分が子供の頃に見たそれに近い。都市から出ることのない人には寂れた眺めだろうが、たっぷりとした静けさ、草や水のにおいは、本来、財産になるべきものではないかと思う。

     だが、そこで人間の営みが成立しない、そこにいることすらできない危機が迫っていると、この本は告げている。いまや、なつかしい日本は疲労している。人が疲れているのが、何より痛い。

     人間は、山の中に入り込みすぎてから、疲れてしまった。境界線を引く力を失った、疲れた人間の世界に、獣が爪や牙を持って降りてくる。人が疲れていれば、心地よい共存の仕方も模索できない…

    <なつかしい日本は疲れている>
    http://khipu.jp/php5/show.php/50261

  • 写真家であり僧侶でもある著者が、限界集落を訪ね歩いたフォト・ルポです。

    読み進んでいくと「ホントにこれからどうなっちゃうんだろう」という「限界」が見えてきますし、もっと行政含めたマクロな視点が必要だよねとか考えてしまうわけですが、逆に、日本全体のことを考えるなんておこがましい(注:官僚国家を論ずる・批判することの空虚)し、結局自分の手の届く範囲で改革・改善していくしかないでしょと、またミクロな視点に戻ったり、その間を行ったり来たり。

    最近継続的に宮本常一を読んでいるせいか、行政ももちろん、さらに突き抜けた民俗学的な視点があったらさらに良かったなーなどと勝手に思ってましたが、『忘れられた日本人』(宮本常一著)ならぬ、現在の記録的な価値はある本だと思います。

  • [貸本喫茶ちょうちょぼっこ]にてレンタル。貸し出し延長までして、熟読中・・・

  • 著者は新潟県のお坊さん。今は佐渡にいるらしい。写真家でもあって、波を撮った写真集で受賞。その「NAMI」が日経サイエンスに紹介されてて、この限界集落もちょっと読みたいなと思っていた。今回、図書館に入っていたので借りてみた(前に検索したときは入っていなかった)。

  • 集落特有の美しい緑と閉鎖的な雰囲気の写真欲しさに購入
    写真は結構よかったけど文章はそれほど機能してなかった

  •  限界集落とは「過疎化などにより、65歳以上の高齢者が集落人口の50%を超え、独居老人世帯が増加し、社会的共同生活の維持が困難な状態にある集落を指す」のだそうです。
     2006年4月現在で全国に787。そして10年以内に423の集落が消滅する恐れがあると言われています。誰にも気づかれることなく、消えてしまうかもしれないこれら過疎の村を訪ね、住む人々の姿を優しい目線で切り取ったフォト+ルポルタージュです。
    「限界」。体力の限界、能力の限界。限界という言葉の持つイメージは、つらく、切ない。
     著者がすくいとった集落の佇まい、人々の暮らし、ものがたりには、「限界」を超えてしまったあとの深い静けさがあります。 
     大きな自然の中にポツンと残された一粒。厳しい環境の中でも、ただただあるがままに受け入れ、溶け込んで暮らす人々。その穏やかな顔、とつとつと語る言葉の重さ。
     住民29人のうち20人が老人という熊本県の球磨村もはじめから過疎の村だったわけではありません。休校中だという分校に70人の子どもが通っていたこともあったのです。何故こうなってしまったのか。怒りも恨みつらみもあるでしょうに。(H)

  • 作者は写真家さんですが
    写真より本文に興味がわきました
    戦後の日本の政策が実に近視眼的だったかがよくわかります
    農業や牧畜を衰退させる政策を取ったが為に生活できなくなって
    別の地に移らなければならなくなった人たちの恨みは
    農林省次官に向けられてもおかしくないと納得できます。

    平成においても行政の都合で行った
    「平成の大合併」も過疎地の衰退を加速したと実感できます


  • 分類=社会・政治・地方行政・過疎化・集落。08年2月。

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