- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784902943566
作品紹介・あらすじ
100年をみつめてきた詩人からの贈り物。「NHKスペシャル」放映で深い感動をよんだ詩「れんしゅう」を単行本に初所収。
感想・レビュー・書評
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まどみちおさんの詩集➕写真集ですね。
まどみちおさんの詩、二十四篇のアンソロジーです。
まどみちおさんの詩に、四人の写真家が写真を添えられています。
けしゴム
自分が 書きちがえたのでもないが
いそいそと けす
自分が書いた ウソでもないが
いそいそと けす
自分がよごした よごれでもないが
いそいそと けす
そして けすたびに
けっきょく 自分がちびていって
きえて なくなってしまう
いそいそと いそいそと
正しいと 思ったことだけを
ほんとうと 思ったことだけを
美しくと 思ったことだけを
自分のかわりのように のこしておいて
れんしゅう
今日も死を見送っている
生まれては立ち去っていく今日の死を
自転公転をつづけるこの地球上の
すべての生き物が 生まれたばかりの
今日の死を毎日見送りつづけている
なぜだろう
「今日」の「死」という
とりかえしのつかない大事がまるで
なんでもない「当たり前事」のように毎日
毎日くりかえされるのは つまりそれは
ボクらがボクらじしんの死をむかえる日に
あわてふためかないようにとあの
やさしい天がそのれんしゅうをつづけて
くださっているのだと気づかぬバカは
まあこのよにはいないだろうということか
ぼくは ここに
ぼくは ここに いるとき
ほかの どんなものも
ぼくに かさなって
ここに いることは できない
もしも ゾウが ここに いるならば
そのゾウだけ
マメが いるならば
その一つぶの マメだけ
しか ここに いることは できない
ああ このちきゅうの うえでは
こんなに だいじに
まもられているのだ
どんなものが どんなところに
いるときにも
その「いること」こそが
なににも まして
すばらしいこと として
生きることの、生きていることのへの賛歌ですね。
何気なく目に写るものも、何気なく生きているように見えるものも、まどみちおさんの詩に託されて、生きること、生きている事への喜びに歌えあげられています。まどみちおさんの感性は、宇宙をみつめ、生命との連携を手繰り寄せています。命の素晴らしさは、何者にも変えられない、最大限に大切なものであることを、歌い上げています。
写真は、必ずしも詩の内容とは一致しませんが、生命の息吹を感じるものとなっています。
やさしくも、鋭く語りかけてくる詩集ですね。
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ひだまりトマトさんのレビューから図書館予約
104歳で亡くなられたまどみちおさん
たくさんの愛すべき童謡を残してくださいました
〈 世界を丁寧に見つめて紡がれる詩と、優しい色合いの写真とを眺めていると、心がしんとするような、穏やかで静かな心持ちになります。〉
平易な言葉に込められた詩に
強いものを感じてシャキッとなります
ささっと読み捨てるにはもったいない大切なものを
いただきました
まどみちおさん ありがとうございます
≪ いちばんぼし ぼくをみている うちゅうのめ ≫ -
まどみちお詩集。視点は蟻(小)から宇宙(大)まで。生物だけでなく物(消しゴム)まで存在価値を感じる。優しくユーモアがある詩の世界に浸る。写真(奈良美智等)も綺麗。「ぼくがここに」「消しゴム」
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誕生日プレゼントに友人からいただきました。有名な「ぞうさん」の詩や、大人っぽいものもあったけど、ラストの「するめ」が個人的に一番好き。ページごとに飾りたくなるような優しい詩集です。
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まどみちおの詩と4人のアーティストのコラボ!とっても良さそうですね。図書館に予約しようっと。。。まどみちおの詩と4人のアーティストのコラボ!とっても良さそうですね。図書館に予約しようっと。。。2012/09/14
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詳細は、あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノートをご覧ください
→ https://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-2119.html
読むきっかけ
以下の本で、「まど・みちお」が 素晴らしい詩人と紹介されていた。
愛犬王 平岩米吉 「日本を代表する犬奇人」と呼ばれた男:ヤマケイ文庫:片野 ゆか (著)
こちらも、詳細は、あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノートをご覧ください
→ https://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-2086.html
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≪県立図書館≫
「けしゴム」「どうしてだろうと」が心に響いた。
他のどの詩も、じんわりとあたたかさが伝わってくる。
写真も美しい。
奈良さんの写真も収録されている。 -
表紙写真に一目惚れして、絵本ちゃんでゲットしたもの。
まど・みちおさんの、こんな詩集があるんだ……知らなかった。
「ねむり」が、好きだなぁ。 -
まどみちおの詩を、有名な歌になっているもの以外で初めて読んだ。かなり良い。写真もどれも素敵。
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ぼくに「詩」というものを
教えてくれた一冊。
その素晴しさについて
輝きについて。
まどさんの詩には
すこしも背伸びしたところがなくて
すごく簡単で、短くて、奧が深い。
きっとそれは、
ほんとうのことが
ほんとうのことばで
つづられているから。
そういうふうに思って、
ぼくも詩が書きたくなって。
はじめてこの本を読んでから
ずいぶん詩というものを
かいてきました。
言葉ってすごいなあ。
って感心してしまう一冊です。
あ、あと詩に添えられている
奈良さんや川内さんの写真も
すごくマッチしていて素敵な
装丁です。
いいシゴトしてますね。FOIL
読むのにかかった時間:30分
こんな方にオススメ:静かな時間がすきなひと
著者プロフィール
まどみちおの作品





