今この世界を生きているあなたのためのサイエンス 1

制作 : Richard A. Muller  二階堂 行彦 
  • 楽工社
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レビュー : 76
  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903063454

感想・レビュー・書評

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  • 石炭、石油、原子力等、現代世界のエネルギー事情について、詳しく解説している良書。こんな講義を受けられる大学生が羨ましいなあ。この本を読むまで石炭から石油が抽出できるって知らなかった。広島、長崎の原子力爆弾や原子力発電についても取り上げられている。チェルノブイリで多くの住民が避難したが、それは正しかったのかどうか。この著者は否定寄りの考え方なのかな。この本が書かれたのは2011年3月以前なので、次は福島のことも取り上げられるのだろうか。日本ばかりが事例に上がるのは悲しい。

  • 終盤までは、ある程度以上の権力を行使する人間には必読といって良い内容。
    原子力関連について、今となってはリスク関連の想定に甘さが見られるのは惜しい。アメリカ人には日本の巨大地震、津波、リスク管理意識の低さといった要素は流石に予想できなかったのだろう。

  • 今もこの世界も変わってしまったけれど、読んでみた。
    UCBの物理学教授による、文系学生向け講義録、日本語訳本。
    高校で物理とってなかった人は読んでみたら?と思う。
    とってた人は物足りないかもしれないし、ちょっとはしょりすぎじゃないの?というとこもあるけど。(原著から割愛してるとこもあるみたい)

    アメリカの大学では、政治や経済、経営に関わろうという人は、
    この程度の科学知識は20歳前後で身に付けてて当然ってことですかね。
    (下記P3の引用文参照)

    Ⅰ巻は、テロリストが持ち得る科学技術の可能性とエネルギー問題、原子力について。放射性物質のことも、核兵器のことも、核分裂炉、核融合炉のことも、事故のことも、核廃棄物のことも。

    Ⅱ巻は、衛星と宇宙、二酸化炭素と温暖化、新テクノロジーの可能性について。なぜかNASAとスペースシャトルに手厳しい。

    どちらにも通底している価値観は「エネルギー」と「効率」。

    ガソリンと食べ物のエネルギー比較なんて見てしまうと、
    人類は地球に生まれた時からずっと、
    狩猟にしても農耕にしても、漁業や開拓、干拓にしても、
    もっともっとと、高いエネルギーを求めてきただけなんじゃないかと思ったりする。

    で、もっともっとの先に、今(出版は2010年)何があるのかというと、

    なんと

    省エネ。

    エネルギー効率のいい機器や電球を使うとか赤外線を反射するペンキを建物とか車とか街路に塗るとか。

    ハイブリッド車の性能アップと軽量化、電池の改良。


    新テクノロジー。

    バイオエタノール⇒トウモロコシ以外。サトウキビ有望。

    太陽光電池⇒
    ボーイング社の最近の製品だと入射太陽光の45%を電力に変換できるらしい。ただ、30×30cmで1万ドル(84万円)、発電量は41W。扇風機も動かない?http://www.eco-taisaku.net/denki/denkidai_list.html
    の代わりに、レンズなどで太陽光を集める「太陽集光技術」だとコストダウンできるとか。
    あと、安く作れる太陽電池の発電効率を上げる。

    でもこういうの作るのに工場必要だし電気も必要。

    ペブルヘッド原子炉⇒
    ウランを熱にとても強い素材(熱分解黒鉛。もちろんチェルノブイリのやつとは違う。)で包んで、さらに炭化ケイ素セラミックスで包む。原子炉の最高温度に耐えられるらしい。原子炉の温度が上がりすぎても、中性子とウラン238の性質から連鎖反応が低下。炉心が過熱する可能性がないので制御棒を抜いたり、冷却材が出ちゃっても危険ないらしい。
    でもウランも有限。

    石炭⇒出てきた二酸化炭素は埋める。ガスにして有害物質と分離して発電。フィッシャー・トロプシュ法で石油にする。

    あと地熱とか風力とか。これも得られるエネルギーに対するコストの話。

    基本的に、3.11以前の話なので、石油をいかに使わず、二酸化炭素出さずに高エネルギーを得るか、というのが軸。

    アメリカの話なので、石油使いたくないというのは、
    二酸化炭素とか温暖化以前に、中東からの獲得リスクがあるからじゃないか、とか思ったり。

    二酸化炭素とか温暖化に楽観は許されないけど、悲観的になりすぎるのもよくない、という結びだったのだけど、さて、日本はどうするか。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      すーーーごく興味深いです!(春からNHKで放映されるそうだし)
      http://cgi2.nhk.or.jp/navi/detail/inde...
      すーーーごく興味深いです!(春からNHKで放映されるそうだし)
      http://cgi2.nhk.or.jp/navi/detail/index.cgi?id=13h3920130405
      良い本をご紹介ありがとうございます!
      2013/03/26
  • 最新の科学について理解できる本

    本書はカリフォルニア大学バークレー校で人気のある講義を紙面化したものです。

    将来、大統領(総理大臣)になるべき人が最低限理解しておくべき科学・技術を解説するというコンセプトは非常にユニークで面白い。(自分が学生でも、思わずのぞきに行きたくなりますね笑)

    たとえその分野の専門家ではなくても概要をおさえる必要はあります。恐ろしいのは何も知らないのにイメージだけで議論をしてしまうこと。分かった気になっていることではないだろうか。

    数式や数字を使わずに、本質を解説してあるので非常に勉強になります。いわゆる文系学部向けという位置づけでしょうが、自分にはとっても有用でした。

    特に原子力の章は非常に勉強になった。
    核兵器の原理(ウラン型とプルトニウム型の原理、技術的な違い)、核兵器と原子力発電の違いなどが明確に理解できた。
    核については日本人として最低限理解しておく必要があるのではないだろうか?

    上巻 テロリズム、エネルギー問題、原子力

    最近、アメリカの大学の講義を紙面化した本が売れています。日本人は決して勉強嫌いではなく、学びたい意思があるのだと思います。問題は訳の分からん講義をする先生なのか、忍耐力がない学生なのか…

  • 【目次】
    第一講 テロリズム
    1 九・一一事件──何が起きたのか?
    2 テロリストと核兵器
    3 バイオ・テロ
    第二講 エネルギー問題
    4 エネルギー問題の知られざる真実①
    5 エネルギー問題の知られざる真実②
    6 太陽エネルギー
    7 石油の終焉?
    第三講 原子力
    8 放射線の基礎知識
    9 放射性物質の基礎知識
    10 核兵器を知る①
    11 核兵器を知る②
    12 原子力①
    13 原子力②
    14 核廃棄物
    15 核融合制御

  • 原本が悪いのか、翻訳が悪いのか読みづらかった。(歯切れの悪い文章)

    内容自体はメディアにより歪曲されて伝えられる情報を事実により正すというものがよかった。

    特に、テロリズムの章にある、911テロのツインタワー崩壊は衝突が直接原因ではなく、ジェット燃料による火災による柱の溶解と・・・のあたりは放送されない裏側の部分。

    原子力についても核兵器に対する誤解、原子力発電への過剰反応。基礎物理により、あり得ないと断言したあたりは気持ちいい。

  • 911のテロの現場、ビルの崩壊がなぜ起こったのかを科学的に考証している。核兵器についての科学的知識、エネルギー問題、原子力、などは、今の日本でまさに考えなければならないテーマ。放射能についての考証も参考になる。放射能をはかる単位がいろいろあることに驚かされる。今この時に読むべき本となってしまった現状が悲しい。

  • 菊池誠教授(大阪大学サイバーメディアセンター大規模計算科学部門)がブログで紹介していた本。原題は、”Physics for future presidents: the science behind the headlines”(未来の大統領たちのための物理学)。市の図書館の蔵書にあることが分かったので、2011年2月5日に貸し出しの予約をした。長い長い順番待ちの末、ようやくⅠ巻を借りられたのは、1年1か月以上経った2012年3月18日。その日のうちに読んでしまった。Ⅱ巻は、まだ貸し出しの順番が回ってこない。予約してから借りるまでの間に東日本大震災が起こり、東京電力福島第一原子力発電所が津波に襲われた。著者は、この本の「はじめに」に、「もしあなたが世界の指導者だったら、こうした問題を理解できなくてはなりません。テロリストがマンハッタンのミッドタウンのどこかに放射能汚染爆弾を仕掛けた、という報告を聞いてから、あわてて科学顧問に電話をかけ、事態の重大さを知るために質問するようでは、あまりにも遅すぎます。」と書いている。「こうした問題」とは、物理学やハイテクが関係する問題、例えば地球温暖化、スパイ衛星、原子力などのこと。日本の指導者がもう少しそうした問題を理解できていれば、原子力発電所の事故の対応も違っていたのではないかと思う。当時の菅直人首相が大学の理工系学部を出ていたことを思うと、いっそう情けない。「第一講 テロリズム」の「放射能汚染爆弾については、過剰反応が危険」という節の最後の段落、「放射性物質兵器が引き起こすもっとも大きな危険は、人々の思い込みから生じるパニックと過剰反応なのです。汚染爆弾は、実際には大量破壊兵器ではありませんが、使い方しだいで大量妨害兵器にはなるのです。」を読んで、被災地のがれき処理が進まないのも同じことだと思った。Ⅰ巻を読んだ限りでは、科学(特に物理学)の知識に基づいて、困難な問題について冷静な判断をしようという姿勢が感じられる。Ⅱ巻を読むのが楽しみ。ところで、「第三講 原子力」で、強いレベルの放射線が昆虫に突然変異を引き起こすことを示す実験の後、放射能による突然変異を題材にした恐怖映画が次々に作られたという記述があり、著者の記憶に特に鮮明に残っているものの一つとして、「ゴジラ」(1954年)が挙げられていた。「ゴジラ」って有名なんだ。

  • Ⅰ,Ⅱとも科学の入り口に。

  • 数値でエネルギー問題を論ずるのは役に立った。

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