今この世界を生きているあなたのためのサイエンス 2

  • 楽工社
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感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903063461

感想・レビュー・書評

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  • 上巻は丁度大震災直後に読んだのだが、これは人工衛星等の宇宙技術、地球温暖化について書かれている。

    宇宙技術で人工衛星はなぜ落ちないのか?と言う事で万有引力の話になるが、子供のために買ったニュートンの伝記漫画を読んでも何となくしか理解できなかったが、宇宙船が地球に再突入する方法の説明を聞いていて、初めてすっきりと納得する事が出来た。

    また地球温暖化についての話がこの本のメインイベントだが、自分たちは価格的に言えば憶測の域を出ていない仮説に振り回されていると言う事が良くわかった。

    ハリケーンの被害金額を表すホッケーのスティック型のグラフをつかいここ最近の気球温暖化がこれほどまでに被害を増大させている証拠としてよく使われているが、これは物価上昇を全く無視しているグラフであり、物価上昇を考慮すれば被害額は増加していないなど、誤った理解を科学者として冷静に訂正ている。

    本の内容から、読んでいる時はわかった気になって読み進められるが、読み終わると理解している事が少ないと感じてしまう。もう一度読みたいと思う本

  • 科学本だけど、これは結構読みやすくてありがたし。温暖化の話とか。

  • タイトル通りいまのサイエンスがわかる!

  • "宇宙空間の利用と地球温暖化について科学者がわかりやすく何が課題なのかを解説してくれる本。
    地球温暖化では、科学的事実を見つめることの大切さが書かれている。とても印象的である。科学者の検証方法をそのまま政治の世界で行うと、その政治家は無能に見える。なぜなら、あらゆる可能性、反証をも提示したうえでも、明確にいいきれるものが少ないから。地球温暖化については、プロパガンダなのか?科学的検証を適切に伝えているものか?を見極めることがとても重要。
    とても興味深かった。"

  • 2017/01/11

    もうLEDだもんなあー

  • ★南極の氷が溶けたのは地球温暖化の証拠にならないって知らなかった

  • 下巻で扱われるのは宇宙空間と地球温暖化で、特に後者は全体の総まとめとして本書の中心的内容を果たしている。温暖化についての問題は人々が無知だということではなく、むしろ知っていると思っていることの多くが「事実とは異なってる」ということだと指摘しており、実際に自分も南極の氷が溶けていることは温暖化の証拠にはならないというのことを知らなかったので驚かされた。そして何より、最後の「楽観主義は許されないが、本当に危険なのは悲観主義になりすぎることなのです」という言葉は、今を生きていく上で本当に大事なことだと思う。

  •  第四講の「宇宙空間の利用」は退屈だったが、第五講の「地球温暖化」は興味のあるテーマだけに面白かった。
     地球温暖化について誇張されすぎている話や、一般に信じられている話をひとつひとつ科学的に検証して、真実を解き明かしてくれている。
    ・二酸化炭素量の増大は、温暖化の結果であって原因ではない。二酸化炭素が増えると温暖化が進むように刷り込まれてしまっているため、誤解が生じている。温暖化は、地球の軌道と自転軸の変化によって生じている。
    ・二酸化炭素の増大によって心配すべきなのは温暖化よりも、海水の酸性度が上昇して海洋生物に影響を与えること。
    ・南極の氷の融解は温暖化のせいとは言えない。なぜなら温暖化によって海水の蒸発量が増え降雪することにより、南極の氷は逆に増えるはずだからだ。これはたんに、温暖化モデルが不十分であることを示しているだけ。
    ・ハリケーンの被害額のグラフには物価上昇を考慮していないため、近年になって大型のハリケーンが発生し被害が増大しているように見える。これも温暖化との因果関係は証明されていないし、科学的には逆の仮設が成り立つ。
    ・ホッケースティック曲線のデータは、間違った方法で正規化されていた。さらに、世界的な気候の記録という触れ込みだったが、実は北米西部の記録であることが後でわかった。
    ・水素はそもそもエネルギー源ではないので、水素を作るためのエネルギーが必要で、割に合わない。
    ・プリウスは燃費は良いが、いずれ寿命が来るバッテリーの交換費用が高価なため、結果的にライフサイクルコストはそれほど安くならない。ただし、排ガス抑制にはなる。
    ・二酸化炭素の排出を減らすために、我々がすぐにでもできる対策は省エネ家電を買うこと。などなど。
     本書を読むと、あの『不都合な真実』が一種のプロパガンダであり、ノーベル賞をもらったアル・ゴアが科学者ではなく天才的なスポークスマンであったことがよくわかる。

     ただ、「温暖化の原因が人間の活動である可能性は九十パーセント」とささやかに主張する筆者が本当に心配しているのは、そのような誇張や嘘が明るみに出ることによって、本当に科学的な真実まで国民が信じなくなることである。温暖化の原因についての証拠がほとんど嘘だからといって、温暖化自体が嘘な訳ではない。
     真実を追及するのが科学者の使命であるが、それを本書のようにわかりやすく一般市民に伝える役目も期待したい。少なくとも福島原発事故の際に、国民が納得できる説明をしてくれる科学者が日本に一人もいなかったのが残念。

     1巻目を読んだ時にも感じたが、本書刊行(2010年9月)時点で原子力テクノロジーの安全性に対して楽観的だった筆者が、東日本大震災を経て、今どのようなスタンスをとっているのか知りたい。

  • ホッケースティック曲線、シロクマ の死、ハリケーンの増加など、地球 温暖化の象徴として使われた資料の ほとんどが、科学的に根拠がなかっ たり、間違った使い方をされていた りすることが明らかにされていま す。『不都合な真実』に至っては、 プロパガンダであり、科学ではない と切って捨てられます。著者は、だ から温暖化など心配いらないと言う のではなく、それでも二酸化炭素の 排出を抑制すべきだと主張します。 著者の依拠する間違いのない事実は 以下の二つです。 ・化石燃料の消費により大気中の二 酸化炭素濃度が上昇していること ・二酸化炭素濃度が上昇すると、物 理学の原理(温室効果)により温暖 化すること 一方で、観測されている温暖化にど こまで二酸化炭素が寄与しているの かを定量的に説明できる理論がまだ・二酸化炭素濃度が上昇すると、物 理学の原理(温室効果)により温暖 化すること 一方で、観測されている温暖化にど こまで二酸化炭素が寄与しているの かを定量的に説明できる理論がまだ 確立されていないというのが著者の 立場です。 二酸化炭素の排出抑制のために、著 者は年率2%の省エネの実現を提唱し ます。具体的には、冷蔵庫・エアコ ン・自動車の省エネ、赤外線反射ペ ンキによるヒートアイランドの防 止、ペブルベッド原子炉の推進など です。摩擦がなければ水平方向の移 動にエネルギーを要しないという物 理学の法則からすれば、自動車とい うのは壮大なエネルギーの浪費と言 えるものですが、軽量化も含めて、 まだまだ改良の余地がありそうで す。年率2%の省エネで55年後にはエ ネルギー効率が3倍にできるのですか

  • 科学に関する本を、定期的に読むように意識しています。
    とはいえ、なかなか手に取る機会が少なく、気がつくと間があいてしまっています。
    そして科学に関する本については、日本のものよりも、海外著作の翻訳を読むことが多い傾向があります。
    この本も翻訳書です。
    著者は、アメリカ政府の筆頭顧問を長年務めた、物理学の教授。
    近年の科学的話題を、文系学生向けにわかりやすく説明した講義を、書籍化したもののようです。
    大きく5部構成になっています。
    第一講 テロリズム
    第二講 エネルギー問題
    第三講 原子力
    第四講 宇宙空間の利用
    第五講 地球温暖化
    アメリカ人向けなので、取り上げられている話題が、日本人の感覚と少し、違いますね。
    とはいえ読んでみると、近年話題になって、身近に感じる内容が多いなと感じました。
    僕が特に気になったのはまず、原子力に関する話題です。
    第三講がメインですが、第一講、第二講の内容にも含まれていて、アメリカでも重要な課題なのだと認識しました。
    この本が書かれたのは、東日本大震災の前なのですが、まるで原子力発電所の事故が起こることを想定しているように、説明されていることに驚きました。
    そしてもう一つ気になったのは、エネルギー問題です。
    石炭火力、原子力による発電の代わりになるものはあるのか、興味を持って第二講、第五講を読みました。
    原子力の安全も、新たなエネルギー源の獲得も、すぐに運用可能な状態ではないのだなと、理解しました。
    しかし、科学の基礎的な研究を積み重ねれば、課題を克服できる可能性が人類にはあると、希望も感じました。
    僕の科学に関する知識は、学生時代に学んだ状態で止まってしまっている分野が多いので、このような書籍を、幅広く読んでいきたいと思います。

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