ふつう (d BOOKS)

著者 :
  • D&DEPARTMENT PROJECT
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本棚登録 : 168
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903097626

感想・レビュー・書評

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  • まずは本の見た目とタイトルに惹かれて手に取った本、

    本の厚さ、手触り、形、タイトルの飾り気のなさ、色合い、全てが好みだったので思わず開いて読んでみると、
    無印を作った人の世界観や思考がある意味記録のように、日々を送る様に綴られていました

    無印というあまりないシンプルな美しさを追求したブランドを、どうゆう考えの持ち主が、何を思って、何を感じて過ごしてきて、どうゆう価値観感性のもとに、そのモノを作り上げてきたのかを手にとるように感じました。

    あくまでこれはひとつの、ひとりの人が導き出した正解なんだけど、自分が選んだものをここまで追求出来る人は素直に尊敬しますし、何より自分の「いい」と思ったものに繊細に反応する著者のような感覚を今後デザインを学んでいく上で磨いていきたいと思いました。

    ノイズの多い世の中で、余分のない、飾り気のない、「ふつう」なものを生み出す人、その概念を発信できる人はとても貴重な存在で、月並みですがとてもお勉強になりました。

  • 「ふつう」について考えてみることは、自分がどのように生きていきたいのかを考えることに通じると思った。これは作り手・使い手に依らず、「ふつう」というレンズを通じて、自分を見つめることになると思う。そのような温かさを感じられるエッセイでした。本の装丁も心地よい肌触りでした。

  • 若干禅問答。
    哲学的な難しさ。

    装丁含めてよい。

  • 【配架場所】 図・3F開架
    【請求記号】 757.04||FU
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/452298

  • ふとした時にぽつんぽつんと読める短めの文章から、一体何が自分にとっての「ふつう」なのかを考えさせられる本です。

  • 美しいことは飾ることとは違う。飾らない美しさというものがある。「ふつうの美しさ」だ。(p.10)

    ふつうのよさについて考えさせられる良著。サイズ感もちょうどよく、布の装丁はつい触って開きたくなるような心地よさです。

  • 右肩上がりの成長がふつうではなくなった今、確かに僕たちは「「何がふつうなのか考える」時代」(p.448)に生きている。

    卑近なところでいえば、自分が最低限満足して生活するのにどのくらいの所得が必要か。あるいはマクロな視点でみれば、地球というひとつの系が持続可能であるために、私たち一人ひとりはどのくらいの生活水準を享受することが可能か?というような。

    思えば、人類という種そのものこそ、ずっと自分たちが幸せに生きることのできる「ふつう」を設定しようとして、欲をかいては失敗し(大きな文明の勃興と衰退、産業革命やイデオロギーの時代を通して)、考え続けてきたようにも思える。

    深澤氏は日本という国の「美しく保つ」という民族的習慣に可能性を見出している。毎朝軒先を掃き清め、定期的に埃を落とし、ひとつのものをきちんとメンテナンスして長く使い続ける。スクラップ&ビルドではない、保守的な生活態度。感覚的にはこれは東アジアにおいて強く現れる文化的特徴
    のようにも見える。

    そうした生活を保つふるまいと、それを支える長く使える、あきのこない「ふつう」なプロダクト。用の美をまとったそれは、やっぱり最終的に民藝という思想に還る。氏が日本民藝館の館長を務めたのも、そうしたものづくりの哲学につながりがあったからこそ。

    自分たちの生活の「ふつう」を設定すること。

    その中には、生活を組み立てるふるまいすら極度に分業化/アウトソースされた“合理的な都市文明”から、自分たちの手を動かして、自分たちの生活を立ち上げ直す、という事が含まれると思う。

    自分にとっての、暮らしの「ふつう」を設定すること。成長(≒市場スケールの無限増殖による物質的飽和)の時代の幻が解けた今、それを「人生」と呼ぶのだろうか。

    ただひとついえるのは、「これでいい」と思える、里の暮らしの普通を作るものづくりを、真面目に続けていくことを、僕自身が望んでいるということだ。

    余談だが、クリスマスの夜に富士そばでかき揚げそばを食べる話があって、「ああ、深澤さんも富士そばいくのか」と、とてもほっこりしました。

    聖なる夜には富士そばの演歌が沁みるそうです……わかる。

    -----(以下、抜書き)-----

    p.448
    2000年頃、深澤さんはこう言っていました。「“ふつう”が“ふつう”でなかったから、“ふつう”という言葉は注目された」と。そして20年を経た今、まさに地球環境やテクノロジーの激変の世の中にあって、誰もが確かな価値軸を求め始めている今、また「ふつう」とはどういうことだといいのか、何を持って「ふつう」じゃなくなったのか、などと「ふつう」について、考え、そこから生活の価値を整理し、新しいものを作り出す指針を探らないといけない時代が来る

  • 装丁のイチオシポイントである布張りの表紙が図書館で借りた為ラミネートされており、体感出来ませんでした。皆さんは是非布の心地を堪能して下さい。

  • 日常的に口にする「ふつう」や目にする「ふつう」を紐解くためのインサイトが盛り沢山で良い。

  • 人間は何となく良いものを感じ取ることができるが、なぜ良いのか?その理由迄は考えることがない。
    デザイナーはその理由までを考える。常に考える。

    ふつうとは、人々が日々の生活に心地良いとして受け入れて、時間を経て習慣化されたもののことかもしれない。習慣化されたものは意識されない。但し時間を要する。時間の壁を越えて人々の中で当たり前になったものがふつうのもの。

    著者は、そんなふつうでも、ちょっと良いふつうを、常にふつうを考えることで作り続けようとしている。禅問答の様だがものづくりとは本来そんなものなのかもしれないと考えさせられる。

    吉村順三の山荘の家はふつうだが、椅子や机、空間など類まれな才能から生み出された「ちょっと良い」ものの集合体としてふつうになっていると、著者評しているのは興味深い。

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著者プロフィール

1956年 山梨県生まれ
1980年 多摩美術大学プロダクトデザイン科卒
1989年 渡米、IDEO入社
1996年 帰国、IDEO東京支社長
2003年 NAOTO FUKASAWA DESIGN設立

卓越した造形美とシンプルに徹したデザインで、イタリア、フランス、ドイツ、スイス、北欧、アジアなど世界を代表するブランドのデザインや、日本国内の企業のデザインやコンサルティングを多数手がける。電子情報機器から家具・インテリアに至るまで手がけるデザインの領域は幅広く多岐に渡る。

「行為に相即するデザイン」「意識の中心」「ふつう」「輪郭」「典型」など、自らのデザイン哲学をこれらの言葉で表すとともにデザインの具体を通してその実践を続ける。デザインのみならず、デザインを通して対象の本質にせまる力、その思想や表現などには国や領域を超えて高い評価を得ている。

人間の意識していないときの行動の中にデザインのきっかけがあることを見い出し、それを「Without Thought(思わず)」と名付けた。1999年からはその名を使ったデザインワークショップを毎年開催し、書籍とともに発表を続けている。

米国IDEA金賞、ドイツiF design award金賞、日本グッドデザイン賞金賞、英国D&AD金賞、ドイツred dot deign award、毎日デザイン賞、織部賞など受賞多数。「MUJI」壁掛け式CDプレーヤー、「±0」加湿器、「au/KDDI」INFOBAR、neonはN.Y.MOMA所蔵品となる。2007年ロイヤルデザイナー・フォー・インダストリー(英国王室芸術協会)の称号を授与される。フランス国立セーブル製陶所招待作家。

21_21Design Sightディレクター。良品計画デザインアドバイザリーボード。マルニ木工アートディレクター。2010年〜2014年グッドデザイン審査委員長。
2012年Braun Prize審査委員。日経優秀製品・サービス賞審査委員。毎日デザイン賞選考委員。
多摩美術大学統合デザイン学科教授。2006年Jasper Morrisonと共に「Super Normal」設立。2012年7月より日本民藝館五代目館長。

著書には「デザインの輪郭」(TOTO出版)、共著書「デザインの生態学-新しいデザインの教科書」(東京書籍)、共著書「デザインの原型」(六耀社)、作品集「NAOTO FUKASAWA」(Phaidon)がある。2008年には「THE OUTLINE 見えていない輪郭」写真家、藤井保氏との展覧会を開催、同タイトル書籍を出版(アシェット婦人画報社)。

「2017年 『AMBIENT』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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