知られざる真実―勾留地にて―

著者 :
  • 明月堂書店
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903145280

感想・レビュー・書評

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  • 2007年09月読了

  • 小泉政権の経済政策を批判していた著者は国家に都合の悪い存在とされ社会的に抹殺されようとした。氏の主張が前半に、事件の詳細はエピローグとして示されている。現在活動を続けている氏の発言の場はブログ。マスメディアが国家権力に通じている環境下、個人がメディアを容易に持てると言う事の意義は重たい。

  • 手鏡事件等で逮捕された筆者の壮絶な陰謀論。

    小泉政権時に反対派であった筆者を国家権力機能を使って、逮捕していったとしている。人生の半生の振り返り、逮捕時の様子などを含めて、真摯な人であるとすれば、これらを行ったとされる小泉政権は非常に問題があったとされる。

    まさしく冤罪である。

  • キーワードは、「冤罪」。
    2009年春、足利事件で被告となった菅谷さんのDNAを再鑑定した結果、犯人は菅谷さんではないことが分かった。
    警察、検察による冤罪事件として大きく報道され、社会問題となった。
    しかし、実は冤罪事件はほんの一部で、もっと組織的大掛かりに冤罪が仕組まれている事実が、この本を読むと分かる。
    東大を主席で卒業し、稀代の経済学者としてマスコミで活躍していた著者は、国民のために命を懸けて時の権力に向かっていった。
    その結果、ある日突然、痴漢冤罪により社会的生命を奪われる。しかも、不当な国策裁判により、十分な審議もされずに収監される。
    言葉では言い表されない屈辱を味わいながらも、、獄中で綴った真実の書。
    読者は、この本を読むと国家権力の非道さを痛感するだろう。
    そして、それにもめげず不死鳥のように再び国民のために命をかけて言論活動を行う著者に心を打たれるだろう。
    著者の人格と才覚と勇気に感服するのみ。

  • 丸の内に勤務していた頃、
    赤い羽根を胸に颯爽と歩いているのを見かけたことがあったこともありなんとなく気になる男だった。
    声を荒げて自分を主張するひとが多い中、
    自分と違う意見を持つものにたいしても淡々とした口調で語るその姿は信頼感抜群だった。
    しかし予想もしない犯罪に巻き込まれてその華麗な経歴は深く傷ついた。
    仕組まれた罠だったのか真実は謎のままだが
    何か途方もない力が働いていたと思わされるには充分な内容だった。
    りそな銀行のくだりは本当に衝撃である。
    また、犯罪とは無縁にごくごく普通に暮らしている人間にとって
    事件に巻き込まれることの恐ろしさをいやというほど感じさせられる。
    知人に弁護士がいる彼でさえその無力感に絶望しかけている。
    ましてそんな人脈など持たぬわれわれなど権力の言われるがままであろうことは容易に想像がつく。
    獄中で執筆されたようだがその心の乱れがそこかしこに感じられ
    混乱しているさまが伝わってくる。
    よくぞここまで書き上げたものだ。

    真実は闇の中なのかもしれないがなんともいえない奇妙な読後感が残った。

    政権が変わったいま、あの頃おこった様々な出来事を思いながら読んでみるのもいいかもしれません。

    2009年10月彼は刑期を終えて戻ってきたようです。

  • 言わずと知れた痴漢事件で拘留された植草さんが書いた本。冤罪という話もあるが何が真実なのかはわたしにはわからない。ただ司法取引をせざるをえない状況に追い込まれることがあるということ。メディアを鵜呑みにしないでおこうと改めて思った。

  • ★不可解な点は確かに多いが★植草本をもうひとつ。前半は小泉政治の問題点の指摘、後半は自身の事件についての反論。
    小泉改革については、サブプライムローンが破たんしたいまとなっては、改革が成功したから景気が回復したわけではなく、単に米国が過剰消費に陥り日本からの輸出が改善したためと認識されることが多い。その意味では小泉氏の「改革なくして成長なし」に対して、著者が唱えた「成長なくして改革なし」もひとつの真理だったのだろう。竹中氏との対立はよくわかるが、木村剛氏の評価がよくわからない。旧長銀のリップルウッドへの売却では、瑕疵担保責任の問題点をいち早くしてきしたと述べる一方で、竹中氏に追従して主張を変えることは批難しているようにみえる。りそな救済後に株価が底入れしたことについても、それまでは青木建設のようにつぶす方向だったのが、急に救う方向に転換した(さらに言えば、つぶす必要がないのに経営者が気に入らないとして、繰り延べ税金資産のルールを事実上決算後に変えていったん無理につぶし、その後に救った、と主張する)と、一貫性のなさを批判する。
    しかしよく分からないのは、いくら小泉政権に対しつしたといっても、つぶされなければならない程の論客なのかということ。謀略説にはどうも与しがたい。高橋洋一氏の万引きもそうだが、やはり性癖なんだろうと思えてしまう。それが怖いところでもあるのだが・・・。

  • 事件があって、捕まった中でいろんな事を考えたんだろう。

    ほんとにいい人なんです。
    そして、間違った選択はしたが、やってない。

    ロジックとしては、日本の政治はグレーで陰謀がひしめいている。
    誰かが誰かを陥れようとしていて、メディアは勝手なイメージを作り上げる。
    結果、自分もその被害にあい、大きな意味で嵌められた。

    気になるのは詳細を言いよどんでいる部分。
    携帯に写真があるだろうと警察にいわれ、確かに紛らわしい写真も含まれていると。
    どんな写真なのか、記述はない。

    真実はどうなんでしょうかね。
    警察の悪意に満ちた追及は、何のためなんでしょうか。
    その辺はちょっと気持ち悪いけど、事実はひとつのはず。

    男は弱い生き物だ。
    現実から逃げて、自分をプライドを正当化してくれる存在の下に隠れようとする。
    プライドや小さな面子を守ろうと必死になるばかりで、
    大切な、絶対に失ってはいけないものを見失う。
    失って初めて、泣き言を言うように言い訳と、
    未練たらたら話しをし続けてしまう。
    どうどうと、本気で生きられる人にならなきゃ、
    ずるくて、卑怯で、人を傷つけたらだめだ。

  • 070803

  • 国家権力の濫用
    リヴァイアサン

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、政策連合(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社)、『日本経済の黒い霧』『出る杭の世直し白書』(ビジネス社)など著書多数。

「2023年 『千載一遇の金融大波乱』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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