パーミッション・マーケティング

  • 海と月社
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903212296

作品紹介・あらすじ

見知らぬ人を友だちに、友だちを顧客に。パーミッション(同意)こそが顧客とのつながりを強め、多大な利益を生み出す。10年以上読み継がれるマーケティングのバイブル。

感想・レビュー・書評

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  • 買おうか悩んでいた時に図書館の新刊コーナーで発見、さらっと読んでみました。
    文化背景はアメリカ、若干なじみはないものの本質は興味深く、読み込んでみたくて購入。

    初版が出たのは1999年ですから、10年以上前の本となります、
    そこまで来ると、ビジネス系の本では古典に分類されるのではないでしょうか?

    それでも、今の時代に読んでも古さより新しさを感じるのは、
    時代が追いついたからか、もしくは、立ち返っているからか、ふむふむ。

    - 時代はもう、インタラクティブな世界に突入している。
    - ネガティブオプションはパーミッションマーケテイング戦略の核心

    ここ数年の情報爆発といわれ、玉石混合な状態で"情報"が煩雑に溢れている現在、
    インターネットを起点とした情報サービス産業に携わるのであれば、目を通しておいて損はないと思います。

    - 時間という貴重な資源を節約してくれる
    - データ自体に価値があるわけではない。重要なのはあくまでパーミッションだ。

    こういった課題を加速度的に解決してくれる手法の一つとして、
    本書ではインターネット、"Web"が取り上げられていますが、
    10年後の今であれば、"Web×リアル"にまで踏み込む必要がありそうです。

    - 今、供給不足なのは工場ではなく、「消費者の関心」だ。

    プロダクトアウトからマーケットインへ、、今の日本企業が苦戦している理由の一つが見出せます。
    既に10年以上前にこの警鐘がなされていたと考えると、うーん。。

    - 瞬間の関心を積み重ねることで、マーケターは長期的にブランドを認知してもらおうとがんばっている

    中長期的にみれば、マーケティングには即効性のある特効薬などなく、
    地道に、真摯に積み重ねていくのは、一番の近道な気がします。

    そういった意味では、"マス"に頼った現在の広告の在り様も、パラダイムシフトが求められそうで。
    ん、自身の立ち位置のブラッシュアップを図っている現在、非常に考えさせられた一冊でした。

  • まえがきより

    「パーミッションマーケティングとは、これまでのように不特定多数の消費者に働きかけるのではなく、何らかのパーミッション(同意)を得た人たちをターゲットとし、そこから長期にわたって多大な利益を獲得するマーケティングである。  なぜパーミッションが必要なのか、戦略はいかに立てるべきなのか―     パーミッションマーケティングの生みの親、セス・ゴーディンが、・・・」



    久しぶりにガッポリと読み応えのある本に出会いました。 著者のセス・ゴーディン氏はあの検索エンジンyahooの役員でもあったそうです。 その彼が提唱するパーミッションマーケティングとは既存のマーケティング、つまりインタラプションマーケティングとの対比の中で重要性や将来性が描かれております。

    これからのモノが溢れてくる時代にあっては既存のやり方でなくこのパーミッションマーケティングが必要となってきて、これは近い将来主流になってくるだろうと自負さえしていらっしゃるほどの自信ぶりです。

    なるほど読んでいるとグサグサと刺さってくるものがあり、のめりこめます。 まぁ確かに主張されていることはよく考えてみれば当たり前のようなことなのですが、人間とはその当たり前のことを見失ってしまう生き物なので、そういう意味では誰が読んでも納得できる一冊かもしれません。



    ではこのパーミッションマーケティングとは何なのか? という所ですが、まずこのパーミッションというのは「同意」とかはたまたコンピュータ用語ではアクセス権とかそういう類の意味合いになってくるようです。 つまり顧客に「売込んでもよい」という同意をこぎつけたうえで売込活動を展開していくという手法のものです。  

    そしてこれに対峙する考え方としてあるのがインタラプションマーケティングというものです。 
    このインタラプションマーケティングというのは既存のマーケ手法で、簡単にいうとCMやダイレクトメールなどですね。 無作為に撃って数撃ちゃ当る方式、イケイケドンドン方式ですね。 インタラプション、つまり邪魔をするという行為ですが、これはつまり、
    この社会が発展しモノが溢れかえり、消費者が商品やサービスのなかで満足しているなかで「コレいいですよ!新商品ですよ!」 などという企業サイドからの一方通行のアクション(CMなど)を起こすことで、狙いとする消費者にメッセージが届かない、つまり伝わらずに徒労に終わるというものです。

    インタラプション
    期待されているか ・・・いいえ      
     パーソナルか・・・・・ 普通は違う     
     適切か・・・・・・・・ ときどき     

    パーミッション
     期待されているか ・・・ はい
     パーソナルか・・・・・ はい
     適切か・・・・・・・・ はい

    つまりパーミッションマーケティングとは、個別に顧客とやりとりを実施し、ずっとひいきにしてもらおうとする戦略なわけですね。 要は誰にも彼にも愛想をふりまくのではなくてピンポイントでパーソナルに狙っていくということでしょう。 

    例えが粗いかもしれませんが、デキる占い師みたいなものでしょうか。 彼(女)たちは、汎用性がありながらもそのメッセージをパーソナルなものに砕いて顧客に伝えていますよね。 そうしていくうちに顧客はだんだん占い師を信用して、何をいわれても信じてしまうし、それに対してお金を支払うわけです。 


    このようにすべての販売活動には信用こそが基盤となってくるわけですが、これはインタラプションマーケティングでは育成できないというところでしょう。  いやなにもCMがよい悪いではなくて、ただ一発一発でぶつ切りで終わらせるのではなく、入口の集客としてインタラプションマーケティングを使ったとしてもそこからパーミッションに変えていくことが必要だとのことです。

    CMを流して、サイトにアクセスするよう促す、そこから会員になってもらってもいいか同意(パーミッション)をとり、パーソナルな情報でもって虜にするというところでしょう。


    インターネットの世界の見本としていくつか本書で取り上げられていますが、その中でも最たる例としてアマゾンがピックアップされています。
    アマゾンはまず一点目を買うまでは何もアクションを起こしてきません。 
    しかし一度購入するとそこから “そのユーザーへのメール配信の同意をとりつけ、そしてそのユーザーが好みそうなものをピックアップして紹介する” というスタンスをとっています。

    そのためユーザーからすると興味深いアイテムの紹介だからそのメールを楽しみにすらする人も出て来るわけですね。 
     この期待こそがパーミッションの源泉でしょう。

    だからセールス活動にしても、飛び込み訪問なんていうのはインタラプションにほかならない訳ですが、そこから関係を築きよりパーソナルな関係にもっていくために、その顧客が興味あるものをインセンティブとして与えていく。 信頼関係が築ければもうセールスしにいっても煙たがられるのではなくて 「わざわざありがとう」になってくるということですね。


    このパーミッションを育てることこそが何よりも強力なマーケティングということになってくるのですが、 それを知るには本書にて、、 というところですね。 

    読んで損はない一冊だと思います。

  • セス・ゴーディンのパーミッションマーケティング。
    タイトル的にも最新の状況や自分の好奇心にも刺さったので購入したのだが、10年くらい前にもあったみたい。

    まあ、本書の目次と推薦文を紹介すれば、そのすばらしさは伝わるだろうか

    目次
    序文
    はじめに
    1章 もう、従来のやり方では通用しない
    2章 「期待されていて」「パーソナルで」「適切な」アプローチを
    3章 なぜ、マスマーケティングがもてはやされるのか?
    4章 「市場社シェア」より「顧客シェア」を目指せ!
    5章 「リーチ」より「フリクエンシー」を意識せよ
    6章 パーミッションには五つのレベルがある
    7章 パーミッションに関する四つの基礎知識
    8章 インターネットはテレビじゃない!
    9章 ネットで実践する際の五つのステップ
    10章 実例に学ぶ成否の分かれ道
    11章 その戦略をきめ細かく評価せよ
    12章 「よくある質問」に答える

    紹介文
    セス・ゴーディンはこの優れた著作で、
    インターネット・マーケティングの第一人者となった。
    まさに「必読の書」というほかない見事な本。
    ―トム・ピーターズ

    消費者の関心をひきつける競争が
    激しさを増すなかで、セスの発想は誠にすばらしい。
    ―レスター・ワンダーマン

    パーミッション・マーケティングは、
    今日のすべてのメディア関係者にとって
    非常に有用だ。
    ―ロバート・ターセック(元ソニー・ピクチャーズエンタテインメント上級副社長)

    このクラッター(雑音)だらけの世界に
    ようやく極めて重要なマーケティング手法が現われた。
    ―エリック・ヒッポー(元フジ・デイビス会長)

    リアル・ウェブ双方ともに本書の内容は理解しておく必要がある。
    マーケターなら読もう!

  • 昨今のパーミッションマーケティングについてまとめられた一冊。
    ・顧客からパーミッションを得る意味
    ・パーミッションマーケティング実装の手順
    確認できる

  • ダイレクトの文脈で読めたことで、とても参考になった。
    獲得してからのアプローチを意識することが一気通貫な事業の幹になる。
    今まで、入り口のパーミッションを得る方法をどうするかという視点がメインになっていたので、それを改めさせられる内容だった。

  • 面白いけど概念的
    ・ パーミッションマーケティングとは、期待されていて、パーソナルであり、適切な物(潜在顧客が関心を持っている物を提案できる)である
    ・ 顧客とお付き合いをする5つのステップ(時間・タイミング・インセンティブ)
    ①潜在顧客が自らその気を起こすようなインセンティブを提供する
    ②潜在顧客が向けてくれた関心を利用し、時間をかけてあなたの製品やサービスのことを消費者に説明していく
    ③インセンティブを強化し、潜在顧客がパーミッションを与え続けるようにする
    ④追加のインセンティブを提供し、消費者からさらにパーミッションを得る
    ⑤時間をかけてパーミッションを活用し、消費者の行動を変化させて利益を生み出す
    ・ インタラプション・マーケティングを利用する出版社は、書店に児童書を持っていき、誰かがたまたまその本を見つけて買ってくれることを期待する。パーミッション・マーケティングなら、全国の学校にブッククラブを作ろうとするだろう
    ・ 消費者と接する際には、自分たちの集めたデータをどうするか、消費者にデータを提供してもらうことがなぜ役に立つのかをきちんと説明しなければならない
    ・ なぜ信用するのか?フリクエンシーのおかげだ。あなたは長年にわたってこうした商品の広告を見てきた。あるいはレストランで眺めたり、友達の家で食べたりして、その品質の確かさについても頻繁に接してきた。
    ・ 消費者が高いレベルの信用を与える理由— ①時間の節約 ②お金の約束 ③自ら選択するのを避けるため。みんながやっている物をいちいち比較しない ④在庫切れを避けるため
    ・ 顧客は価格以上の物をほしがる。価格とサービス、安全と快適さをひとまとめにして求める
    ・ このレベルのパーミッションは本のひとときだけの物で、速やかにうまく扱わなければ消えてしまう。つまり、ポテトを売った後にやるべきなのは、このパーミッションをさらに上のレベルまで高める方法を見つけ出すことである。
    ・ パーミッションマーケティングは、潜在顧客に関心を向けさせるだけの理由をこちらで見つけなくてはならない。はっきりとした報酬(情報や教育、エンターテインメント、時には現金もありだ)を提供することで、消費者にそのメッセージを選び取らせるのだ。マーケターはどの段階でも、「それは私にどんな得があるの?」という問いに答えていかなければならない。
    ・ パーミッションマーケティングはプロセスだ。最初こそ「邪魔」から始まるものの、速やかに対話へと変わっていく。この対話は、前にもいったように「お付き合い」に非常に似ている。うまくいけば大きな花を咲かせる。だが失敗すれば対話は途切れ、最初の「邪魔」に投資したお金は失われる。
    ・ パーミッションマーケティングのステップ
    ① 潜在顧客に対して、みずからてをあげさせるようなインセンティブを提供する(手を上げてもらうことが大事!)
    ② 消費者が向けてくる関心を利用しながら、長期的なカリキュラムを持って、製品やサービスについて消費者に教えていく
    ③ 潜在顧客がパーミッションを与え続けるようなインセンティブを提供する。
    ④ インセンティブを追加することで、消費者からさらに多くのパーミッションを得る
    ⑤ じっくり時間をかけて、パーミッションを活用しながら、消費者の行動を変え、利益を引き出す
    ・ あなたが簡単だが役に立つツールを開発し、それを使った多くの人に「自分は賢い」と感じさせることができれば、潜在顧客はどっと押し寄せ、当分はなれずにいるだろう。
    ・ ヤフーの「カスタマイズ」戦略 情報を得ることで顧客にカスタマイズする余地を与える
    ・ パーミッションマーケティングの評価
    ① エサは何か
    ② パーミッションを増やすためのコストはいくらか
    ③ 与えられたパーミッションの度合いはどの程度か
    ④ フリクエンシーを高めるためのコストはいくらか
    ⑤ 積極的なレスポンス率はどの程度か
    ⑥ 顧客離れを防ぐ対策はあるか
    ⑦ 会社全体でパーミッションを資産として扱っている
    ⑧ 獲得したパーミッションはどのように活用されているか
    ⑨ パーミッションのレベルはどのように高められているか
    ⑩ パーミッションひとつの寿命はどのくらいか

    ・ パーミッションマーケティングは、ビジネスライクで味気ないダイレクトマーケティングの手法を、フリクエンシーを高め、期待され、パーソナルで、適切な潜在顧客との相互交流に買えるためのものだ
    ・ データを化していい場合はひとつだけ、消費者があなたからの報酬と引き換えに、自らそれを選択した時だ(たとえば、関心のあることを事前に教えてもらい、そこには渡すとか)
    ・ 獲得したパーミッションを守ることを専門とする担当者をおく。その人物には、ここの消費者から得たパーミッションのレベルを上げることに専念させる。目先の儲けに走ることなく消費者との長期的関係を築く努力をしたら報酬を与える。

  • one to oneマーケティングとは異なる、パーミッションマーケティングという概念について厚く学ぶことが出来た。

    それは、「期待されていて パーソナルで適切なもの」であり、実例をふまえてパーミッションをえる手法を解説している。

  • こっちの版は「パーミション」じゃなくて「パーミッション」になっている。最早古典領域なのかもしれないし、免罪符的にもなってしまったけれど、ユーザに対する礼儀としてきちんと押さえておきたい概念だと思う。

  • <実践メモ>
    1年に12通のグリーティングカード(本人/家族の誕生日、記念日等)
    2つのwebサイトを活用する(目的・潜在顧客等に応じた使い分け)P263
     →Eメールアドレスを入手、双方向性メッセージ

    <備忘録メモ>
    期待されている/パーソナルである/適切である
    結婚のたとえ:顧客との「お付き合い」(10回程度のデートから)
    会社全体としてパーミッションを資産として扱っているか?

  • パーミッションという考え方は、マーケティングにおいて今なお大事な考え方なのではないかと思って読みました。
    理論だけではなく、実践的な部分も書かれていて、応用させやすいと思った。

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