SaaSはASPを超えた

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  • Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903241623

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  • 少し時間が経っているが、今更ながらsaasとaspの違いがはっきりせず。結果的にはカスタマイズ性というところが、ユーザーにとっての差別化、ベンダーにとってのマルチテナントによる規模の経済の獲得になるという理解だが、カスタマイズ性の解決策はそれぞれの会社の独自な技術的手法による。そのあたりをもう少し知りたいと思うのだが。

  • SaaSとASPの基本的な違いについて言及した本。独自のカスタマイズが効くか、それともテンプレートを無理矢理改変するか。マルチテナントで規模の経済を追求できるか、シングルテナントで囲い込んだサービスにするか、といった点がSaaSとASPを分けるポイントになりそう。

    またパッケージソフトやハードウェアを購入し、自社で運用するという「所有型」のシステム構築は、業務や経営における本業をまっとうすることを妨げてしまうという主張が分かりやすかった。「所有」していたシステムを、事業者が提供するサービスとして「利用」することで、システムの導入や運用、管理といった業務をすべてベンダーに委託できる。これにより、空いた時間と資産を本業にあてられるという点は、企業の競争力の創出に役立つだろう。

    あまり聞いたことがなかった視点は、SaaSとBPO(業務プロセスアウトソーシング)を組み合わせたサービスが求められるということだ。SaaSは平たく言えば、ソフトウェアをサービスとして使う形態。企業側にとって、ソフトウェアが与えられるだけなのだ。これに業務プロセスまでをサービス提供側の企業にゆだねるBPOを取り入れることで、サービスを利用する企業は、IT関連の運用管理を外部に委託できる。これまで多くの時間を割いていた業務を、信頼のある外部機関に任せる。こうした企業はグローバル展開をする企業が選ぶべき1つの選択肢になるだろう。

    中小企業こそSaaSを取り入れた方がいいという論調が見受けられる。発刊時の2007年は期待を語ることが許されたが、今はどうだろう。依然として予算が足りず、専任のシステム担当者が確保できない、といった状態が中小企業のIT化の現状ではないだろうか。J-SaaSといった国主導の取り組みも、今はニュースが聞こえてこない。SaaSという言葉は徐々にクラウドという言葉に置き換えられている気もする。ASPとSaaS、そしてクラウドは定義が明確に異なっており、一緒くたにしてはいけない。SaaSはSaaSとして動向を追いかけていくべきだろう。

    とはいえ、SaaS導入は企業の競争力を担う重要な選択肢の1つであることに変わりはない。2007年時と比べて派手さはないものの、その市場は少しづつではあるが、大きくなっている。クラウド時代において、ないがしろにすることができないテーマの1つである。

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