- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784903295268
感想・レビュー・書評
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2020/11/16購入
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公開対談をまとめた本。タイトルは著者が毎月一枚のアルバムを12か月連続で発表することに由来し、本書の中でその12枚のアルバムを紹介しているわけではなく、対談相手と著者がそれぞれ持ち寄ったレコード、あるいはCDを聴きながら雑談していく内容となっている。
対談相手も、紹介されている音楽も世間的にはほとんど知られていない人、ものばかり。唯一の例外は巻末掲載の浅野忠信くらいか。
本書の企画者によるまえがきでは、本書は脚注なしではそのほとんどが理解できないような固有名が数多く登場するが、あえて脚注を入れず、わけのわからない音楽の海で溺れて欲しい、見知らぬ場所に整理も理解もできぬまま降り立つことの恐怖と悦びと胸の高鳴りを味わってもらいたい、とのことなので、本書で紹介されている音で、比較的入手可能なものについてはぜひ体験してみよう、と思った。
あ、あと、故大里俊晴の対談が読めるのも今となっては本書の重要な売りになっていると思う。 -
中原昌也の最新対談集『12枚のアルバム』が発売された(boid刊)。
サイトの紹介文で書かれているように、“知識や教養の彼方の廃墟からやってきた、その波の記録としての書物” であり、『作業日誌』よりもあきらかに上級的。昨年に12ヶ月連続でリリースされたCDシリーズ『Monthly Hair Stylistics』の発売イベントとして東京・池袋のジュンク堂書店で行われてきたトークショーの採録本なのだが、私のような者にはそこに現れる固有名詞の少なくとも3/4はまったく分からないため、まさに彼方の廃墟を歩き回っている感触がある。
『12枚のアルバム』という無造作なタイトルもじつに気味悪く、『200 Motels』とか『12 Monkeys』とかそういうものをもじったものなのか、語られている主題の実態も分からないまま(話し手の言葉そのものは、まったく明解)半分近くまで読み進めてきた私は、勝手なことに、音楽というメインテーマをいつしか離れてしまって、言葉の荒野そのものの裸形と対峙してしまっている。この対峙の感覚を、なるべく多くの方々が体験されることを願う。 -
面白い対談もあれば、つらそうな対談や、どうでもいい対談もある。
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やっぱり中原昌也は面白いなー。
こういろんなひとと対談できる彼の勤勉ぶり(嫌だと思うけど)に良い刺激を受ける。
本当に捉え所のないひとだ。ドノイズやってるわけじゃないし。
量と固有名詞(ほとんどみんな知らない)の多さが取っつきにくくて時代の対極にいるようで心地よい。一番はその場にいたかったな。
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