- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784903341194
作品紹介・あらすじ
せんだいメディアテーク「対話の可能性」完結篇。「物語りのかたち」展の記録と考察。人は物語りなしに生きることはできない。
感想・レビュー・書評
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以下引用
そこに生ずる過程というのは、個々の出来事や原因の点ではどんなに偶然で出鱈目に見えても、それでもなお最終的には、物語るに足るだけのまとまった筋を示すものなのである(アレント)
人間は彼/彼女を囲繞する無数の筋立てから、その人固有の一本の筋を選びとる
自分が誰であるかを明らかにすることは、私が自分自身を「一個の他者」として見る視点を獲得すること
語ると話すの違い(編集)
ことばが編まれ、物語られることで初めて人は震災という出来事を自らの人生に位置付けられる
人は現実のなかを生きている。現に生じていることがらを五感で受け止め、それを判断し、行動する。しかしそこには記憶の指示があり、経験が暗示する予想がある。人の日常は、その繰り返しである。しかし、その日常が壊れるとき、外からの力であれ、内なる爆発であれ、その日常が瓦解する姿を見た時、人は自覚していなかったつねにそこにあった想像力のなかになげこまれる
アリストテレスは、科学のはじまりは「脅威」にあるという。いままで知りえなかったこと、経験しなかったこと、想像もしなかったこと、それが突然あらわれ、日常を壊し、経験的知識を壊し、命をも壊すとき、科学が始まる
多くの過去の物語は、なにかに対抗する形で生まれてきている。そのなにかとは、きわめて具体的で日常にたいする強烈に破壊的ななにかなのだが、それに直面した時、あるいはそれが強く予想されるとき、湧き出すように物語が生まれる
自分がなにかの「現実」を「見ている」と思う時、すでに「見ようとしている」判断が先行しているものである
門をくぐったときに、自分を変えなくてはならない
尋ねていってすぐにその場で帰る人は卑しい
その象の前提が壊れる
その壊れについて、まるでそれを修復するかのように、数年を経て語りなおす人
表現ー初発の茫漠とした吐露、あるいはもつれた表白を、語りへと生成させてゆくその媒介者
はなす-内容の真偽をや意図の誠実不誠実に無記な行為
かたる-高度の反省的屈折をはらみ、、、、
話を、語りへと生成させる試み。水準を一つ上げる
語り-すでに見たように、起承転結を整えられた話・苦しみに埋没し、あっぷあっぷしているじぶんをじぶんから引き剥がし、だれか別の人の事のように語り出す事
民話-ある人を襲った苦難、並大抵ではない苦労とその顛末を、民として共有できる一つの物語へと位相転換したものだ
妹の死をこの時代の一つの典型にまで育て上げる詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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