兵士はどこへ行った 軍用墓地と国民国家

著者 :
  • 有志舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903426686

作品紹介・あらすじ

なぜ人は戦場に赴かねばならないのか。国家を維持するため、故郷と家族を守るため、という常套句では当事者たちは癒されない。そのために近代国家は、戦死者を追悼する空間を設定し、「愛国者」として記憶するよう国民に求めた。しかし、その方法は果たして世界共通なのか?日本ばかりでなく、韓国・台湾・アメリカ・ヨーロッパなど世界各地の軍用墓地や追悼施設を調査し、その来歴と現状を見つめながら、現代国家とそこに生きる人びとを今も拘束し続ける戦死者追悼の問題を考え直す。

感想・レビュー・書評

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  • 世界の軍用墓地の比較研究。
    アーリントン国立墓地は、南北戦争(約61万人が死亡)に始まる。
    でも、軍用墓地に埋葬したら、家族はここに来るということか?
    映画でもそうだったような。

  • 原田敬一『兵士はどこへ行った 軍用墓地と国民国家』有志舎、読了。国民を創造する国家は「死」を記念・管理せざるを得ない。本書は緻密な実証と丹念なフィールドワーク、そして国際比較のを通して、戦死者の追悼・慰霊・顕彰・記念を検証、著者の広範な取材はその成立と構造を的確に論証する。

    軍用墓地とは、軍が設置し、維持・管理した軍人の墓地のこと。その先駆けは大英帝国という。日本では代々「家」の墓だが、献身(死)の引き替えとしての顕彰は個人名で記したが、やがては碑的なものへ収斂する。アーリントン墓地や「平和の礎」とは対照的。

    時に感情の摩擦の導火線となる軍用墓地。本書はその知られざる実態を写真やイラストを豊富に用いて詳論する。本書で初めて知ることも多い。軍用墓地と国民国家の様々な事例と歴史を比較する本書は、この問題を考察するうえでは基本的な一冊になるだろう。

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著者プロフィール

1948年岡山市生まれ、大阪大学文学部卒業、大阪大学大学院文学研究科(博士課程)修了、博士(文学)
著書:『日本近代都市史研究』(思文閣出版)、『国民軍の神話』(吉川弘文館)、『帝国議会誕生』(文英堂)、『日清・日露戦争』(岩波新書)、『日清戦争』(吉川弘文館)、『兵士はどこへ行った』(有志舎)、『「坂の上の雲」と日本近現代史』(新日本出版社)、『戦争の終わらせ方』(新日本出版社)など

「2020年 『日清戦争論 ─ 日本近代を考える足場 ─』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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